★阿修羅♪ > 国家破産60 > 828.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
今年の最後を締めくくる大規模な雇用削減という暗い話題(KlugView)
2008/12/27 (土) 18:30
12月26日、経済産業省が発表した11月の鉱工業生産指数は、前月比8.1%の低下と、統計で確認できる1953年2月以降、最大の落ち込み幅を示しました。同時に発表された製造工業生産予測指数によると、12月は前月比8.0%の低下と、これも製造工業生産予測指数において、過去最大の低下幅となっています。
鉱工業生産指数は、日本の製造業の生産状況を示すもので、低下すればするほど、製造業の生産活動が低下することを意味します。つまり、11月の鉱工業生産指数が、約56年間で最大の落ち込み幅を示したということは、日本の製造現場において、56年もの間に見たこともないペースで、操業が一気に停止されたことを示しているといえます。そして、操業停止は11月だけでなく、12月も続き、その範囲はさらに広がる可能性が高いともいえます。
同日(26日)、厚生労働省は、今年10月から来年3月までの間に、解雇や期間満了によって職を失う非正規雇用者数が、8万5012人となる調査結果を発表しました。11月の前回調査では、職を失う非正規雇用者数は、3万67人と発表されていましたので、わずか1カ月で、職を失う非正規雇用者数が、約5万5千人も増えたことになります。
製造現場で操業が一気に停止されたわけですから、製造現場で働いていた方々は、いきなり仕事がなくなったといえます。以前であれば、仕事がなくなっても、雇用は確保されることが多かったのですが、現在の日本企業では、仕事がなくなったのにあわせて、雇用者の数を減らすことが一般的となっています。この結果、厚生労働省の調査結果が示すように、数多くの非正規雇用者の方々が、短期間で職を失うことになっているのが現実です。
こうした出来事を非正規雇用者特有のものと考えるのは、やや早計かと思われます。2000年以降のデータを調べると、製造現場の操業ペースが落ちると、正規・非正規を問わず、雇用の数は数ヶ月間減少する傾向にあります。さきほどご紹介したように、製造現場の操業停止は、11月だけでなく、12月も続く見込みです。そして、おそらく、1月以降も世界景気の後退は続くでしょうから、日本の製造現場の操業停止はしばらく続くと見込まれます。言い換えれば、雇用削減の動きも、今後も続くと見込んだほうが無難ということになります。繰り返しになりますが、この動きは、非正規雇用だけでなく正規雇用(いわゆる正社員)にも及ぶと考えたほうがいいでしょう。
実際、電機大手ソニーは、約8千人の正社員の削減計画をすでに表明しています。また、一部報道によると、自動車大手ホンダの福井威夫社長は、現在の円高水準が続くと、来期(2010年3月期)には、正社員の削減もありうると表明しています。こうした事例を、今後、我々は数多く目にするのでしょう。
今年最後のコラムが、このような暗い話題になったことは、大変残念なことですが、これも経済現象の一部であるのも事実です。大規模な雇用削減という、厳しい状況の中に入るものの、明るい将来に備え、できうる限りの準備・行動を続けていくことが必要と思われます。そのために、本コラムが少しでもお役に立てるよう、今後も努力を続ける所存です。よいお年をお迎えください。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
11月の鉱工業生産指数は、前月比何%の低下?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
8.1%の低下
(1953年2月以降、最大の落ち込み幅)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/12/27/004242.php