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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu182.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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90年代に1ドル=90円への対応を もしトヨタが完了していたので
あれば、先期1年間の為替差益は約2兆円に達していた計算になる。
2008年12月24日 水曜日
◆トヨタの利益2兆円超は全て為替差益? 2007年5月11日 白象の気まぐれコラム
http://hakuzou.at.webry.info/200705/article_5.html
トヨタ自動車が一昨日(9日)に発表した2007年度3月期の連結決算によると 営業利益は過去最高の2兆2400億円です。 トヨタOBの私としては ご同慶の至りと言いたいところですが 利益のおこぼれに全く預かれないので 無念です。
決算発表を見ると 当初予算に設定した米ドルの為替レート\113/US$に対し 実績は4円の円安になる\117/US$となったので 為替変動の影響(為替差益)により利益が2900億円押し上げられたと説明されています。 ということは 為替レートが1円の円安に進むと トヨタの利益は 725億円押し上げられることになります。
なぜ為替差益が発生するかというと 海外の主要国向けの建値(インヴォイス価格)が日本円ではなく 現地通貨になっているからです。 例えば 米国向けの建値は米国ドルであり 1台US$10,000の商品なら 想定した為替レートより4円の円安になれば 1台当たり40,000円の為替差益を生みます。
過去の米ドル為替レート推移を覚えていますか? 1990年代の半ばには 急激な円高により 一時的に為替レートが\90/US$まで進み 為替レート\100/US$前後が暫く続きました。 1990年代の半ばに トヨタは当然ながら 為替レート\100/US$に備えた価格を含めた対応をしたと考えられので 当時から先期までに17円(\117ー\100)の円安が進んだということは 1990年代の半ばに比べ 先期1年間の為替差益は1兆2300億円(725億円x17)に達していると見ることもできます。 1990年代の半ばに 為替レート\90/US$への対応を もしトヨタが完了していたのであれば 先期1年間の為替差益は約2兆円(725億円x27)に達している計算になり 先期のトヨタ営業利益は ほぼ全て為替差益という見方もできます。
利益のおこぼれに預かれない悔しさから チョット辛らつな見方を敢えてして見ました。 トヨタの決算内容を このように短絡して見るのは誤りですが 2兆円の利益に後輩が浮かれることのないよう トヨタの利益は 「\90/US$という元の円高レベルに戻れば全て吹っ飛ぶ」恐れがあることを 警鐘として問題提起した次第であり 他意はありません。
◆日本の自動車産業の強さはIT電気産業には移植できないと心得るべき 11月9日 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る
http://d.hatena.ne.jp/ta26/20081109
■夏野氏のお話を聞いて
11/6に一日だけ、THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2008(NCC2008)*1 のセミナーを聴講した。司会のカリスマベンチャーキャピタリストの伊藤穣一氏のお話や、元NTTドコモで、現ドワンゴ顧問の夏野剛氏のお話等、非常に興味深かったので、また別途書きたいと思うが、今日は、お話に触発されて考えた事について少し書いておきたい。
以前、夏野氏のインタビューを取り上げて、ブログエントリーを書いたことがあって(日本の中高齢層の覚醒を期待する - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る)、その時も強く感じたのだが、夏野氏の、日本の中高年、中でも権力の中枢にいる経営者のインターネットや携帯電話等への無知、無理解への苛立ち、怒りはとても強いものがあるようだ。ルサンチマンと言ってももいいかもしれない。まあそれはそうだろう。NTTと言えば、失礼ながら、少なくともそのマインドはオールドエコノミーの代表格のような組織なのだろう。今更ながら、よくぞiモードのようなサービスを立ち上げることができたものだと思う。そして、それは単純にITリタラシーの有無ということだけではなく、『ものづくり国家日本』を支えた自負の背景にある、『日本的経営』『製造業パラダイム』がいまだに中高年のマインドを支配していることから起きる問題が複雑に影を落としていると思う。
このこと自体は、すでに何度か書いたことでもあるので、今回はもう少しだけ違う観点から、この構図についてふれてみたい。
■日米の成功フォーミュラの違い
今回のセミナーで、夏野氏からとても印象的な発言があった。NTTドコモ在籍中に、ドコモの研究所には一度も行ったことがない、というのである。これは、『技術偏重』『自社技術への過度のこだわり』の問題を揶揄しておられるわけだが、NTTドコモだけの問題ではなく、日本の製造業全般に見られる傾向だろう。その日本の製造業の強さは、『すりあわせ技術』にある(あった)ということは、昨今定説となって来ているので、あまりここで説明する必要はないかもしれない。中核企業の傘下に、長大な系列を組織して、設計の早い段階から情報を系列企業を含むグループ全体に流して共有し、知恵を出し合いながら進めて行く。いわゆる『垂直統合』モデルである。もちろん技術は自社開発で、系列内は深く共有するが、系列外取引はしない閉鎖性を併せ持つ。日本社会の企業/組織文化がこの『すりあわせ』に非常にフィットした結果、世界に冠たる製造業を創り上げることになった。
一方、パソコン等に典型的に見られるように、各部品がモジュール化/コンポーネント化し、すりあわせに神経を使うことなく、系列もつくらず、インターネットで簡単に世界中から調達する、所謂『水平分業』が米国を中心に追求され、グローバルスタンダードを形成してきた。契約できちんと業務範囲や仕様を決めてしまえば、技術も生産設備もほとんどいらない。少人数で世界を工場に見立てて活動することができる。IT産業はこの手法で米国を中心に大きな発展を遂げて来たわけだ。
■日本は『すりあわせ』にむく製造業だけが強い
日本はものづくりが強い、と豪語して来たわけだが、今やはっきりしてきたことは、『すりあわせ』にむく製造業だけが強い、ということだ。『すりあわせ』に最も向いていて、しかも今でも簡単にモジュール化できない代表格は自動車産業である。トヨタに代表される自動車産業は、失われた十年の間も一貫して世界の頂点にあって競争力を拡大して来た。アメリカ自動車産業の衰退と相まって、名実ともに世界一の座につくことはもう間違いない。一方自動車と共に世界の頂点に君臨していたはずの電気産業は、世界のIT産業のモジュール化、グローバル化が進むとともに、めっきり競争力を落として来ている。キャノン等の少数の例外を除けば、旗色が悪いことこの上ない。夏野氏のいらっしゃった携帯電話産業も例外ではない。
■カテゴリーエラー
私自身、日本のIT/電機業界に2001年以降お世話になり、内側から業界を見て来たが、この垂直統合と水平分業の競争ルールの違いの基本の部分でさえ、経営レベルで認識されているとはとても思えない事例が多い。つい最近も、『品質経営』なる珍妙な研修を外部講師を招いて受けさせられたが、目を覆い、耳を塞ぎたくなるような内容だった。IT/電気業界の経営のまっただ中にいて、従来の垂直統合の構図が次々と水平分業の競争力の波にさらされている我々を相手に、『トヨタに見習って製造業の復権をはかれ』というようなコンセプトに基づいて、ノミュニケーションやら、QCサークルやら、改善活動やらを説くのには、本当に閉口した。『カテゴリーエラー』そのものである。
だが、この研修を後生大事に受けさせようとするようなマインドは、自分の周囲の中高齢者の間では少なくともほとんど変化していない。夏野氏の嘆きを聞いていると、NTTドコモでもそうなのだろう。
■電機業界には猛毒?
失われた十年の間、輝き続けたトヨタの経営手法は、従来以上に高く評価され、電機業界でも参考にしようとした人も多かったようだ。だが、自動車産業には薬として作用するものが、IT電気業界には猛毒にもなりうることを気づいてはいなかったようだ。確かに、トヨタの経営のエッセンスの重要なものは業界を超えて参考にしうる。だが、IT電気業界にとって、トヨタというのはいわばフグのようなものだ。一流の料理人が料理すれば、大変美味しく食べることができるが、素人が手を出すと猛毒にあたることになる。
■すでに問題はその先へ
このような周回遅れの人達にとって大変残酷なことに、市場も経営環境も猛烈なスピードでさらに変化しつつある。『モジュール化』、『水平分業』を型通り実行しただけでは成功は約束されなくなって来ている。例えば、『モジュール化』、『水平分業』を体現して一早く成功した、デルも、もはやすっかり輝きを失ってしまっている。逆に日の出の勢いである、アップルは水平分業とは無関係だ。何より他人の考えたビジネスモデルを、学んで真似をするという手法自体が陳腐化している。
あきらかな不合理が温存された、日本のIT/電気産業でも、来るべき巨大な不況が状況を一変させる可能性がある。歴史を振り返れば、過去の成功の遺産に頼る余裕が社会に無くなる時には、洗い流されるように旧勢力が退場していくということが起こって来た。今度はどうだろう? 激動の時代を乗り切る側にいたいものだ。
(私のコメント)
ニュースではトヨタショックが大きく報道されていますが、それを分析した報道が無い。もっぱら大不況でアメリカへの輸出が落ち込んで利益が吹っ飛ぶといった報道であり、円高によるものであると分析した解説はない。2007年は1ドル=120円だったから2兆円もの為替差益で、バブル期を上回るような利益を計上しましたが、1ドル=80円台になれば為替差益は一気に吹っ飛んでしまう。
確かにアメリカは金融恐慌であり、自動車のローンもストップしてしまって車の売れ行きは急降下している。車に売れ行きは30%もダウンしているというニュースですが、それならば為替が変わらなければトヨタは1兆2000億円の利益が上がっているはずだ。だから一気に赤字になるのは売れ行きがダウンした事もあるが、為替が120円から80円台にまで上がった事が主な理由だ。
輸出メーカーにとっては為替の急激な変動が一番堪えるのであり、為替に対する投機的な資金は規制すべきだろう。石油も投機資金が入って1バレル=147ドルまで上がりましたが、いまでは30ドル台にまで落ちている。6ヶ月あまりで100ドルもの変動は経済に大きな影響をもたらすのであり、為替や商品相場には投機は規制すべきなのだ。
アメリカの金融資本主義は市場原理主義で規制の緩和が旗印であり、ゴールドマンサックスなどの投資銀行は詐欺的金融商品を次々作っては世界に売って手数料を稼いできた。金融機関のCEOは数十億ドルの年収を貰い、社員は億万長者が続出した。まさにアメリカの投資銀行やヘッジファンドは飛ぶ鳥を落とす勢いであり、日本の学者やエコノミストたちは物作りから金融へシフトすべきだと言ってきた。
しかし金融がいったん破綻してしまうと巨額な借金だけが残りあとには何も残らない。これからのアメリカには金融は単に伴う詐欺事件が次々と発覚するだろう。アメリカ政府も金融を野放しには出来ず、規制の枠を嵌めて行かなければならなくなって、失われた信用を取り戻すには長い年月がかかる事だろう。
トヨタやホンダの様な輸出企業は為替に利益が大きく影響するのですが、為替取引にも税金を課すようにすればいいと思うのですが、財務省は消費税の税率を上げるのは熱心だが為替取引に税金をかけることは考えてもいないようだ。石油や食料などの投機も規制すべきだし、株取引に税金をかけるよりもこれらに税金をかけて投機による乱高下を規制すべきだ。
アメリカの金融立国の戦略破綻してビックスリーなどの製造業の復権を図らなければなりませんが、トヨタが世界血の自動車メーカーなっている。円やドルなどの通貨の価値も結局は製造業の強さがバロメーターなのであり、アメリカは世界一の技術力がありながら製造業はヘッジファンドなどに食い散らかされてしまってしまった。
金融業は製造業に付随した産業であり、金融立国などというものは香港やシンガポールのような都市国家でしか成り立たない。アメリカが生み出した金融商品やデリバティブは詐欺的商品であり、いったん信用破綻が起きると市場が消滅して転売できなくなってしまうものだ。債権の証券化も誰がリスクを負うのかが不明になり流通がストップしてFRBが一手に買っているが、FRBは大丈夫だろうか?
日本はバカ正直に物作りに徹してきましたが、通貨の信用を支えるのは物作りなのだ。だから円が世界で一番高くなっているのであり、アイスランドのような金融立国の通貨は紙切れになってしまった。人口が30万人の国家では何も作れないからだ。
日本のエコノミストの中には、自動車などもモジュール化して水平分業になるといって警鐘を鳴らしている人もいるが、自動車産業を知らない人だ。パソコンのような単純なものなら世界から部品を調達して組み立てるだけで成り立つものもあるが、デルなどがその代表ですが、やはりアップルのような「垂直統合」で成功している例は何なのだろうか?
デルのようなビジネスモデルは価格競争に巻き込まれて結局は自滅してしまう。やはりアップルのような独自の技術を持つところが一番強いのだ。自動車も同じであり世界から部品を調達して組み立てるだけの自動車は売れないし儲からないだろう。インドのタタという自動車メーカーが28万円の車を発売するといったニュースが去年ありましたが、工場すら出来ていない。
日本の電気産業が競争力を落としているのはモジュール化や水辺分業のグローバル企業に煽られたところがありますが、バブル崩壊に巻き込まれて積極的な投資が出来なかった面もある。発展途上国市場に乗り遅れて韓国や中国の電気製品が世界に溢れている。家電製品なら世界から部品を調達して組み立てるだけで成り立つ。
しかし情報家電となると部品を組み立てるだけではなくソフトプログラムなどの開発に技術力が必要になる。任天堂も世界一の付加価値商品を作る企業ですが、アップルの企業形態に近い。組み立てるだけの家電製品は中国や韓国に任せておけばいいのだ。いずれは価格競争に巻き込まれてインドやベトナムに負けるだけだ。やはり独自の技術開発力を持つところが強い。
トヨタは2兆円の利益を上げる企業になったというのは事実だが、為替差益によるものが大きく、これからの円高に対しての抵抗力がどれだけあるのだろうか? 為替変動が緩やかなのならば対応が出来るが、1年で30円も円高になると対応が出来ない。自動車が水平分業で出来るものなら中国やインドで作る事も出来るのでしょうが、自動車は典型的なすり合わせ産業だ。
日本が物作りに強いのは世界一品質にうるさい日本のユーザーがいるからであり、日本で作らないとユーザーの情報に対応が出来ない。日本のガラパゴス化という人がいるが、日本人ほど新しいものに飛びついて買う人はいないのであり、使いこなせる国民も日本が一番なのだ。日本の電気産業がスランプになったのも工場を海外に移したからであり、ユーザーの情報が工場に入らなくなったためだ。