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金・プラチナ投資の広告を見ながら資産形成のあり方について考える(KlugView)
2008/12/18 (木) 16:52
12月17日のニューヨーク先物市場では、金の終値が1トロイオンス=867.5ドルであったのに対し、白金(プラチナ)が1トロイオンス=865.2ドルとなり、12年ぶりに金価格がプラチナ価格を上回りました。プラチナ価格は、今年の3月に2251ドルまで上昇し、金価格の2倍を越えていましたが、その後、急落し、とうとう金に逆転されるところまで下げてしまいました。
プラチナ価格の下落の背景には、自動車販売の急減です。プラチナは、自動車の排ガス処理の触媒として使われており、中国やインドでの自動車販売の拡大期待が、プラチナ価格を押し上げてきました。しかし世界的な景気後退で自動車販売が大きく落ち込み、結果として自動車の排外処理触媒の需要も低下したことから、プラチナ価格は急速に下落しています。
一方、金については、ドルの先安感が強まっていることから、ドルに代わる資産として注目を集めています。米国が事実上のゼロ金利政策を採用したことから、金に金利がつかないという金のデメリットが相対的に低下したことも金価格の押し上げ要因となっているようです。
プラチナ価格が大きく下落する一方で、金価格が相対的に上昇していることもあって、最近では、金やプラチナへの投資が盛んに宣伝されています。ある貴金属会社は、テレビコマーシャルで、金でできたブタ(キントン?)とプラチナでできたブタ(プラトン?)をキャラクター化し、コツコツと金やプラチナを積み立てようと訴求しています。また、ある大手商社は、新聞広告などで、プラチナ価格が急低下しているものの、今後はプラチナ需要が高まると推察されると説明し、今こそプラチナ投資を始めるべきだと紹介しています。
金やプラチナへの投資の是非については、投資家それぞれが慎重に検討した上で決めるべきことですが、小額の資金を長期にわたり投資することは、投資タイミングを分散化する点で有益かと思われます。いわゆる長期投資と聞くと、一度投資をしたら長期間、資産を保有する意味と考える方も多いようですが、本来は、長期にわたり投資を続けることで、投資のタイミングを分散することで、平均投資額を低く抑えることを意味します。
為替レートが円高方向で推移し、世界的に株価が下落したことで、他資産への投資を検討する方が増えているのは事実でしょう。繰り返しになりますが、何に投資をするかを決めるのは投資家自身ですが、世界的に先行きの不透明感が高まっている今こそ、金やプラチナに限らず、様々な投資について思いをめぐらすことは、将来の資産形成にとって悪いことではないように思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
白金(プラチナ)の価格が急落している理由の1つは何?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
白金(プラチナ)が材料に使われる自動車の
排ガス処理触媒の需要が急速に落ち込んだため
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/12/18/004181.php