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『ポール・クルーグマン「格差はつられた」 副題:保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略 早川書房』を批判する
http://www.asyura2.com/08/hasan60/msg/669.html
投稿者 Ddog 日時 2008 年 12 月 18 日 01:19:05: ZR5JcjFY1l.PQ
 

左翼経済学者クルーグマン教授のノーベル経済学賞について批判を行いましたが、
【ポール・クルーグマンのノーベル経済賞受賞には異議あり!】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/18779403.html
【この金融危機にポール・クルーグマン教授にノーベル経済賞を授与する危険性 】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/18916282.html
クルーグマン教授が唱える貿易パターンと経済活動の立地に関する分析について、異を唱えるものではありません。私の個人的信条で、彼に対して偏見を持っています。まず私は基本的に進歩的文化人と名乗る左翼の人達を軽蔑し、言説は信用していません。米国人は「左翼」と呼ばれることを嫌い、「リベラル」と呼ばれたがりますがクルーグマン教授は筋金入りの「左翼」の論客だといえます。

最初、本書は、経済学の本と思い読み出しましたが、異なります。クルーグマン教授のレーガン政権以降の共和党を批判する政治本でした。2008年米大統領選挙で民主党をサポートするプロパガンダ書籍にすぎませんでした。ちなみに、教授はレーガン政権時代1982年から83年までレーガン政権で経済諮問委員を務めて、教授が世に出る礎となったにもかかわらず、泰葉級の罵詈雑言をレーガン政権を浴びせている。教授が経済諮問委員を務めていた頃、教授はいわゆるレーガノミックスにそって自由貿易を推進していたのだが、レーガン政権の経済運営は失点続きで、結局教授が辞職後85年のプラザ合意により、レーガン政権の経済立て直しは成功したのである。クリントン政権で、大統領経済諮問委員会の委員長候補とされたが、猟官に失敗したと知るや、今回のノーベル賞の対象となった、戦略的貿易政策は、そのとき猟官運動のために書いたものらしいが、国際経済学の常識である自由貿易を否定する理論だが、1994年に「競争力という危険な幻想」という論文を発表して、自由貿易主義者に変身したりしている。

私が思うに、クリントン民主党政権に比べオバマ政権は、クリントン政権OBで固めてはいるが、支持層の期待を合せるとクリントン政権に比べ大きく左旋回していることは、どなたも異論は無いと思う。ところが、教授は本書P7〜8にかけ、民主党が左に旋回したのではなく共和党が右に旋回しただけだと、中間層の抱きこみを意図した、事実と反することを書いている。確かにネオコン〜ブッシュ政権は右旋回をしたのは事実だが、本書が発売(6/20)されたのは共和党が党内ではリベラル寄りの異端派マケインを大統領候補として選出した後であり、その事実を棚上げにしている。本書冒頭よりまったく公正な視点が欠けていることを宣言しているみたいであった。

教授は、米国における所得格差の発生は従来説のグローバリゼーションや技術革新といった時代の趨勢が所得格差を生んだという説を否定し、共和党とその支持者による邪悪な陰謀によって引き起こされたという、被害者意識を米国の有権者に執拗にプロパガンダしている。教授の呆れた主張は大きく分けて次の4つだ。
@戦後の比較的平等な中産階級は、民主党ルーズベルト政権の政策(によって僅か数年でに作られた。この時代を「大圧縮の時代」(グレーとコンプレッション)と呼ぶ。
政治的規制の方が市場による所得配分より平等になるとの主張だ。(Ddog:ある意味で正論かもしれない)
A政治と経済の変化したタイミングは、政治が経済より先行している。
教授は右派が共和党を乗っ取り、その後経済的な格差が拡大したと、竹橋のM新聞や赤坂T放送のニュース同様の本当に真実なのか疑問だ。
B技術革新により教育レベルの高い労働者の需要が増え、レベルが低い労働者の需要が減ったことが、格差社会を生んだという説を教授は否定しています。教育レベルが高いアメリカジンのも所得が増えた人はほとんどなく、勝ち組となったのは非常に限られた小数のエリート(人口の1%以下)
教授は、米国のもっとも優れた長所であるはずのアメリカンドリームを幻想にすぎないと切って捨てるラディカルな主張をしている。良識のある賢人達が、国家を建て直すには教育の大切さを説いているのに、この馬鹿教授はアメリカンドリームが幻想にすぎないということを主張したいのだろうが、民主党政権になればよくなるかもしれないが、今まで勉強しても無駄だと断言しているのである。何でも見てやろうといって、昨年地獄へ先立たれたO実氏や、今頃地獄で赤鬼相手に多事争論をしているT哲也キャスターと同じくらいバカヤロウである。なぜなら、教授はあの悪名高きエンロンの顧問をやっておられた。大笑いだ。
C技術革新とグローバリーゼーションは先進国すべて同じであるから、米国で格差が生じたのは政治が右傾化した結果に生じたものだと教授は主張する。社会学や全ての諸要因を抜きにして、共和党の右傾化が諸悪の根源だと教授は主張するのである。まるで築地に本社があるA新聞や、D多賀子・Fみずほ・T清美みたいな論理の飛躍だ。

保守派ムーブメントは、民意でなく非常に裕福な一握りの個人が資金を出し、エリート層に都合が悪い政策を変えてきたと教授は主張しています。その代表的政治家がレーガン大統領であるというのだ。

共産主義の恐怖を煽り、公民権運動の帰結である黒人解放運動、福祉のタダ取りをする黒人層への白人の反発を巧みに利用した保守派ムーブメントは、基本的に非民主主義的だと教授は批判する。

それでは、民意としてレーガン大統領に選挙で民主的に投票した人の意思や思想をまったくリスペクトしない教授こそ、非民主主義者である!この言い方は、母国を裏切り続けてノーベル文学賞を貰った大江某とかいう日本人作家とタイプが似ている。

2008年の選挙で民主党政権が誕生した後、不平等と格差を是正し、社会のセーフティネットを拡大するニューディール政策を教授は提唱している。国民皆医療保険制度の導入は素晴らしいアイデアで、是非不幸な米国民の為実施されることを祈るばかりだが、財源は富裕層だそうだ。大恐慌時代と異なり、超富裕層は、カリブ海でもドバイにでもどこへでも容易に脱出可能であることを教授は理解していない。

教授が夢見る、大圧縮時代とは、ヨーロッパではナチスが台頭し、アジアでは中国の動乱に日本が巻き込まれ、日米関係が緊張し、とても富裕層が海外へ脱出する雰囲気ではなかった。それどころか、金持ちのユダヤ人達は、米国が門戸を巧みに閉ざしているにもかかわらず、大挙米国を目指して流入しようとしていた。

そんな時代と、現在とではまるで環境が異なる。圧縮しようとすれば、その分外へ飛び出てしまう為、やむなく富裕層の税率を抑えているのである。ビルゲイツが過疎の町にでも転居しようものなら、一気にその自治体の財政が好転することは間違いない。ならば世界中は富裕層を呼び込む為、減税を実施し競争を激化させるだろう。そういった現実を、教授は如何に判断するのでしょう?
大圧縮時代最高税率91%だそうだが、今日そんな税金を払ってまで米国に居たくは無いだろう。

ポール・クルーグマン教授は、本書においても、執拗に偉大なシカゴ派経済学者で、反ケインジアンのミルトン・フリードマンを批判する約束は守られている。

政府の介入や規制を批判し、自由市場経済を主張し、大恐慌を市場の失敗ではなく政府の失策であるとフリードマン達が主張(Ddogはフリードマン支持)するのに対し、教授は彼らは、当てにならず、知的に不正直であったといわれても仕方ないと言い放つ。

話は少しだけ逸れるが、ミルトン・フリードマンと一緒に記念碑的な大著『アメリカの金融史1887-1960』を書いたアンナ・シュワルツ女史が、ポール・クルーグマンのフリードマン批判に、長文の怒りの反論を書いている。
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ポールのエッセイは、最初から最後まででたらめよ。あたしはミルトンと50年近く一緒に仕事をしたけど、彼のことを何も理解してないくせに彼を侮辱するのは許せないわ。

ポールのいうには、「通貨供給の成長率を固定する"*%ルール"がマネタリズムの根本命題で、それは今ではどこの国の中央銀行も採用してないから、ミルトンはまちがっていた」ですって? ミルトンは一度もそんなこといってないわよ。彼がいってたのは、貨幣的な制約がインフレをコントロールするための必要十分条件だということで、これは50年前から死ぬまで変わってない。制約の方法は通貨供給だけじゃなく、金利でもいいのよ。

もっと許せないのは、ミルトンとあたしの書いた本がまちがってて、ケインズが正しかったというポールの話よ。1930年代のFRBの金融政策が大恐慌の最大の原因だったというのは、今では金融の専門家がみんな認めてることよ。名目金利がゼロになっても、通貨供給で資産価格をコントロールできるし、資本注入で銀行の破綻や取り付けも防げる。それなのにFRBは、ことごとくその逆の政策ばかりとったから大恐慌になったのよ。21世紀に「流動性の罠」なんて石器時代みたいな話をしてるのは、ポールだけ。だいたい彼は、日銀を批判して「もっとジャブジャブに通貨を供給しろ」といって、流動性の罠なんかないことを自分で認めてたじゃないの。

ミルトンは、金融政策というものを幅広くとらえてたのよ。ポールみたいに、通貨供給はきかないけどインフレ目標はきく、なんて何の根拠もない話はしなかったわ。そのうえ、日銀がインフレ目標を設定しなかったのに日本の景気が回復したのはなぜか、とあたしがきいたら、ポールは「IT革命のおかげ」だって!

ポールの話は、こういう論理的な矛盾と初歩的な誤解だらけで、訳がわかんないわ。彼は金融の専門家じゃないんだから、素人はよけいな口出しするんじゃないの。
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http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/d926343a65b75e0cfb5f4afc7bd4f986

左翼と呼ばれる勢力は、根底に資本主義と帝国主義への懐疑があり、自由競争が市場における「神の見えざる手」のように最大多数の最大幸福を自動的に実現するとは信じてはいない。具体的には不完全雇用均衡からの脱却のための経済政策が、政府によって実現されることを求めたのが、クルーグマンの言うところの新ニューディール政策なのだろう。

しかし教授の理想とする大圧縮時代にビックスリーとUAWとの間で結ばれたデトロイト協定は、画期的な労使関係だったといえようが、教授が本書を書いて半年後の今日、ビックスリーはUAWとともに、破滅へ向かっている現実をこの馬鹿教授はなんと思うのだろう。

私(Ddog)も狂気じみた格差がある米国社会の格差が是正され、日々真面目に労働する市民が報われる社会になることが、米国の再生につながることは、この馬鹿教授が主張しなくても、同じ意見だ。会社が救済合併されても、破滅を免れたと高額のボーナスを要求したという厚顔無恥なCEOはすべて吊るせばいいとも思っているが、このクルーグマンもCEO連中と同じ穴の狢(むじな)である。同類の大バカヤロウだ。本書を読んでつくづく思った。

同じ反ブッシュで左翼思想の持ち主、若しくは自分はリベラルだからと思いこんでいるグルーグマン教授を信奉する諸君、グルーグマンの本性をもう一度見極めることをお勧めする。

【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/21289963.html  

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