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人口ボーナスから考えるグローバル投資の必要性(KlugView)
2008/12/13 (土) 10:00
人口と経済成長をつなげる言葉として「人口ボーナス」という言葉があります。
人口ボーナスとは、高齢者や子どもの数が相対的に少なくなる一方で、生産年齢人口(いわゆる働き盛りの人口)が相対的に増えることで、高齢者や子どもの扶養負担が減り、生産活動が活発になることを意味します。負担が減るのに、生産活動が活発になることから、人口ボーナスを受け取る国の生産性は、これといった技術革新がなくても、それなりに上昇し、結果として経済成長率が高くなる傾向を強めます。
人口ボーナスと逆の意味を持つ言葉が「人口オーナス」です。オーナスとは、英語で「重荷」という意味です。人口オーナスとは、人口ボーナスとは逆に、高齢者や子供が相対的に増える一方で、生産年齢人口が相対的に減ることから、国全体の生産性が低下し、経済成長率も低くなることを意味します。
すでにご存知の方も多いように、日本は、少子高齢化が急速に進んでおり、すでに1990年代から人口オーナスの時代に入っています。過去15年を振り返ると、日本の経済成長率が世界各国と比べて低めとなる傾向にあるのは、日本が人口オーナス期にあることが一つの理由と考えられます。
一方、中国やインド、その他アジア諸国の多くは、現在、人口ボーナス期にあるといわれています。たとえば中国の場合、2003年以降、5年連続で二桁の経済成長率を記録したこと、また世界的な金融危機の中でも、中国が(過去に比べ鈍化したとしても)7%以上の成長率が見込まれていることなどは、人口ボーナスのおかげと考えられています。
人口という経済変数は、数多くある変数の中でも予測精度が高いことで知られています。なぜなら、人は、どんな国に住んでいても1年ごとに1歳年齢が増えることが確実であるほか、戦争の勃発や疫病の大流行といったことがない限り、死亡率も安定的に推移するからです。言い換えれば、人口の予測精度が高いということは、人口ボーナスや人口オーナスについても、ある程度先まで精度高く見通せることができるといえます。つまり、ここしばらくは、日本が人口オーナスで苦しむ一方、中国やインドなどは人口ボーナスで高めの経済成長率を続ける可能性が高いといえます。
生活のために日本円を確保する必要があることもあって、日本に住む方々の多くは、投資対象先として日本企業や日本の債券に投資をする傾向にあります。ただ、投資対象先を人口オーナスに苦しむ日本に限定してしまうと、自らの投資結果が不満足になる可能性が高くなるのも事実です。世界的な経済危機もあって、海外に投資をすることに躊躇する方が増えているのは重々理解しますが、こうした時でも人口ボーナスという視点で日本以外の国々を投資対象先として検討することも必要ではないかと思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
人口ボーナスって何?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
高齢者や子どもの数が相対的に少なくなる一方で、
生産年齢人口(いわゆる働き盛りの人口)が増えることで、
高齢者や子どもの扶養負担が減り、生産活動が活発になること。
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/12/13/004135.php