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【ユーロ圏は崩壊を免れるか−10周年で気になるフリードマン氏の予言】---(ブルームバーグ)
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投稿者 ミスター第二分類 日時 2008 年 12 月 12 日 16:21:48: syFUAx3Wc1pTw
 

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&refer=commentary&sid=aqGltV4gPOno

【ユーロ圏は崩壊を免れるか−10周年で気になるフリードマン氏の予言】---(ブルームバーグ)

 12月8日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞を受賞した故ミルトン・フリードマン氏はかつて、「世界経済が真の難題」にぶつかるや否や、ユーロ圏が崩壊すると予言したが、これまでのところ、そうなってはいない。誕生から10 年を来月1日に迎えるユーロ圏が最大の難問にぶつかるのはこれからだ。

 現在15カ国が参加するユーロ圏は金融危機の中でも結束を保っているが、今回の混乱で欧州中央銀行(ECB)には新たな課題が発生した。なかでも、過去10年にわたってECBが主要問題としていたインフレの脅威がリセッション(景気後退)で崩れたため、金融政策の軸足を移すことが喫緊の課題だ。

 デフレが世界経済にとって一段と大きな危険性として視野に入るなか、トリシェECB総裁はユーロ圏の利下げが他地域に後れを取り続ける可能性を示唆しており、景気回復が遅れるリスクがある。ユーロの安定はまた、金融危機による悪影響をユーロ圏の早期参加によって免れようとする東欧などの一部諸国の動きによっても脅かされている。

 ドイツ銀行のチーフエコノミスト、トーマス・マイヤー氏は「深刻な新たな課題が出てきており、これで経済・通貨統合の存続自体が危機に陥る可能性がある」と指摘。ただ、「10周年で記念すべき成果は多い」とも付け加えた。

 ユーロ圏は発足当初に一部エコノミストが予想した姿よりも良好な状況だ。リセッションにはあるものの、アイスランドやハンガリーで発生した取り付け騒ぎや通貨急落を回避し、ユーロの利用も世界的に増えている。ユーロの対ドル相場は7月に1ユーロ=1.6038ドルと過去最高値を記録したほか、先週はポンドに対し、1ユーロ=87.26ペンスの過去最高を付けた。各国政府が介入で支えねばならないほど下落したユーロ導入から2年弱の相場の状況とは雲泥の差だ。

   崩壊や内戦の予言

 この導入直後の状況がユーロは「地域内部の矛盾」で崩壊するとのフリードマン氏の見方に幾らかの信ぴょう性を与える結果となった。米ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授に至っては、1997年の論文で、通貨統合が欧州に内戦を引き起こすとさえ警告した。

 こうした見方が間違っていた可能性もあるが、信用危機がECBに課題を突きつけていることはシュタルク理事も11月14日の講演で認めている。同理事は「現在の世界の金融混乱はECBに対し、前例のない大きな難題を与えている」と語っている。

 ECB発足以来、ユーロ圏のインフレ率は同中銀の物価安定の目安(2%をやや下回る水準)をほぼ一貫して上回り、これとの闘いでECBは7月に0.25 ポイントの利上げを実施した。利下げに転じたのは10月で、米連邦準備制度理事会(FRB)に1年以上も後れを取った。今月4日には過去最大の0.75ポイントの引き下げで政策金利を2.5%としたものの、その水準は主要中銀で最高だ。しかも、トリシェ総裁は金利を「あまりにも低く」することには消極的だ。

 デフレ対策でもECBが出遅れている可能性がある。政策金利の引き下げ余地がなくなった場合の対策を、トリシェECB総裁もバーナンキFRB議長のように示すべきだと、エコノミストらは指摘する。選択肢にはコマーシャルペーパー(CP)など金融資産の買い取りなどがある。

 そして、投資家の安全資産への逃避を背景に通貨が急落したポーランドやハンガリーなど、ECBの下での保護を求めてユーロ参加を急ぐ東欧諸国の動きがある。参加意欲が強まっても、リセッションのさなかでは、インフレ率や財政赤字、通貨水準、金利など、ユーロ参加国に求められる条件を満たすことは難しい。この現実への対応がECBにはジレンマとなる。

 参加国間で景気の強弱の格差が拡大すれば、ユーロ圏崩壊の懸念は高まる。フェルドシュタイン教授は、政策金利が高過ぎる、あるいは財政規律が負担だとして、参加国が個別にユーロ圏から離れる可能性もあるとし、11月の論文で「世界の経済危機はユーロ圏が一段と困難な時代に生き残れるのか、その能力を問う厳しい試練を与えている」と指摘。1年で4倍以上に広がったドイツとイタリアの国債間の利回り格差拡大について、投資家がユーロ圏の「崩壊が現実化する可能性をみている」表れだと説明した。

 一方、モルガン・スタンレーのチーフエコノミスト、エルガ・バルトシュ氏によれば、金融危機はむしろ、ユーロ圏の参加国を増やし、ECBの評判を高めることによって、通貨統合を強化する。「ユーロ圏はこの試練の期間にその気概を示す公算が大きい。この経済・通貨統合は初めて訪れた真の試練をくぐり抜けるだろう」と同氏は語った。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 蒲原桂子 Keiko Kambara kkambara@bloomberg.net Editor:Joji Mochida 記事に関する記者への問い合わせ先: Simon Kennedy in Paris at skennedy4@bloomberg.net

更新日時 : 2008/12/08 15:18 JST
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(コメント)
 情報筋の原田氏も違った理由から来年のユーロ暴落を唱えていますが・・・・・どうなることでしょうか。  

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