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http://netallica.yahoo.co.jp/news/58454
●時価会計緩和を活用
「公的資金は不要」と言い続ける「ノーチュウ」の“ヤセ我慢”はいつまで続くか。国内最大の機関投資家「農林中金」が公表した08年9月中間期決算の内容は予想以上にヒドかった。保有する証券化商品関連の含み損が1兆5737億円に達し、経常利益は前年同期比9割減の205億円となった。
農林中金は早速、当初予定していた3000億円規模の増資計画を見直し、1兆円の資本増強を行うと発表。財務体質の健全性をアピールするのに躍起だが、これで本当に大丈夫なのか。
「実は今回の決算には“カラクリ”があります。有価証券の評価基準で、農林中金は今中間期から認められた『時価会計の緩和』を適用。それによって、有価証券の評価額は市場価格よりも5759億円高くなった。違法ではないが、帳簿価格の“カサ上げ”です」(経済ジャーナリスト)
時価会計の一部緩和は、米欧が相次ぎ運用や基準を見直したことに伴う対応で、国内でもメガバンクや地銀などで適用が相次いでいる。だが、その“改善額”は「三菱UFJフィナンシャル・グループ」で約1200億円、「三井住友」で約1480億円。農林中金の額は突出しているのだ。
金融庁の佐藤隆文長官は3日に都内で開いた会議で、「企業の財政状態を公正、正確に示し、損失が発生すれば迅速かつ正確に開示すべき」と強調した。行き過ぎた時価会計の停止や緩和を求める声に懸念を示した格好だ。その流れに逆行したかのような今回の決算。当の農林中金は「有価証券の評価は、会計ルールにのっとったもの。これを『カサ上げ』というなら、ルールって一体何なのかということになる」(広報部)と反論する。
それにしても決算書で「経営者の合理的な見積もりに基づいて……」と、4行の追加情報を記しただけで、6000億円近くの「改善」って……。やっぱり何かヘンじゃないか。
(日刊ゲンダイ2008年12月9日掲載)
2008/12/12 10:00 更新