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http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPnTK832885720081211
[ワシントン 10日 ロイター] 米製造業セクターの雇用喪失や業績低迷への警戒が自動車業界救済への議論を勢いづかせるなか、クレジット市場は事態を静観している。 米大手自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)やフォード・モーター (F.N: 株価, 企業情報, レポート)、クライスラーの経営破たんは数十億ドルもの金融商品に打撃を与える可能性がある、とクレジット市場のアナリストや救済支持派の議員らは指摘する。 レビン上院議員(民主党、ミシガン州)は「米自動車業界の崩壊は、1兆ドルを超える社債やクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、その他の金融商品の支払い停止につながるだろう」との見方を示した。 レビン議員は「この結果、米金融機関のバランスシートに相当の追加的ダメージが及ぶことになる。新たな手榴弾をクレジット市場に投げ込むようなものだ」と述べた。 JPモルガンのアナリストで、レビン氏を始めとする救済支持派の民主党議員らが引用するリポートの著者、エリック・セレ氏は、危機の度合いは深刻で、政府がGMとフォードを救済しない場合には「クレジット危機パート2」を迎えることになる、と述べた。 ホワイトハウスと民主党指導部が、自動車業界への約150億ドルのつなぎ融資計画で合意を模索している最中にあっても、一部の共和党議員は依然として懐疑的であり、救済策に引き続き反対している。 こうした支援は、不良資産救済プログラム(TARP)の自動車業界への適用を拒否する米政権に意義を唱えるものでもあり、議論は財政的見地からも重要視されている。 TARPで用意された7000億ドルの資金は金融セクターを救済するものであり、製造業セクターには適用されない、とブッシュ政権は過去数週間主張している。 これを受けて民主党は、自動車セクターの問題はシステミックな金融リスクを引き起こす可能性があり、TARPの救済資金の適用を受ける資格がある、と反論している。 アナリストらによると、GMやフォード、さらに関連金融会社GMAC(GKM.N: 株価, 企業情報, レポート)やフォード・モーター・クレジットが過去数年間に発行した大量の債券が、市場にとっての問題となっている。 セレ氏によれば、これら各社が発行した債券はジャンク(投機的等級)債市場の10%を占めるという。 フィッチ・レーティングスのマネジング・ディレクター、マーク・オライン氏は「これらの社債の一部は額面1ドル当たり0.20─0.30ドルで推移している。明らかに高い確率でデフォルトが発生する可能性を織り込んでいる」と述べた。 一部のアナリストによれば、社債市場は自動車大手のリスクを織り込んでいるため、破たんの場合にも影響を吸収することが可能だ。 しかし、リスクは各社の社債のデフォルトを保証するCDS市場にも潜んでいる。 大手決済機関デポジトリー・トラスト・クリアリング・コープ(DTCC)のデータによるとGM、フォード、GMAC、フォード・モーター・クレジットのCDSは合計2500億ドルにも及ぶ。 |