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焦点:不況に強い悪への投資、倫理的な投資はオバマ氏の政策に期待
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081207-00000953-reu-bus_all
12月7日15時38分配信 ロイター
12月7日、不況に強い悪への投資、倫理的な投資はオバマ氏の政策に期待。9月28日、チューリヒで撮影(2008年 ロイター/Issei Kato)
[ロンドン 7日 ロイター]
景気後退と経済を活性化させる努力という組み合わせは、投資家にとって頭痛の種となるかもしれない。
景気後退局面では、たばこやアルコールといった悪習に関する分野が、あえて投資する勇気がある人々の間では好まれる。
だが、オバマ次期米大統領のクリーンエネルギーへの投資や規制強化などの政策が軌道に乗ったとしたら、もっと社会的に価値の高い分野でも利益を得ることができるかもしれない。
この成長減速と良心的な感情が入り混じった投資では、伝統的なディフェンシブな悪習銘柄への投資が短期的には利益を支えるが、倫理にかなった銘柄への投資からも利益を得られる可能性があると示唆している。
ロンドンにあるCass Business Schoolのアンドリュー・クレア教授(アセット・マネジメント)は「リセッション時にも人々はたばこを吸うのをやめない。神経質になっているから、もっとたばこを吸うかもしれない」と話す。
クレア教授は「何が起ころうと、人々はたばこを必要とするし、アルコールを減らそうともしない傾向がある」と指摘する。
ここ数カ月の経済トラブルを背景に、多くの投資が昔ながらのディフェンシブなセクターに向かった。
それらは、米国を拠点とするファンドが提供する種類のもので、マーケット全体よりも下落幅が小さく、「悪」に関するアイデアを宣伝の道具として使っている。
英インペリアル・タバコは11月25日、英国やそのほかの国々で禁煙に関する法律が施行されるなかで、年間の調整後利益が15%増加したと発表した。
同社の株価は11月30日までの1年間で31.2%下落した。
それでも、FT100種総合株価指数の35.8%下落を上回るパフォーマンスとなった。
英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは同時期に14.6%の下落にとどまり、酒類世界大手の英ディアジオも指数をアウトパフォームし、同時期18.1%下落となった。
より倫理的、あるいは社会的責任のある銘柄で構成するファンドのパフォーマンスは同時期に指数以下となった。
だが、米国からの変化がこうしたファンドに上昇機会を与えるかもしれない。
HSBCで社会的責任投資のシニアアナリストをしているニック・ロビンズ氏は「私の考えでは、クリーンエネルギー分野がリセッションから最初に抜け出す分野の1つとなるだろう」と述べた。
<ディフェンシブな悪>
投資家の間では、アルコールやたばこなどのあからさまな依存性の高い製品に関する銘柄以外に投資をしようと準備している。
そうした投資家はアルコールやたばこに加えて、ギャンブルや航空宇宙産業の武器製造部門に投資する「ヴァイス・ファンド(悪徳ファンド)」と呼ばれるファンドの調査をしている。
同ファンドの管理に関わっているGNIキャピタルのチャールズ・ノートン氏は「われわれは、異なる市場や経済状況で、長期的な利益を生み出せる可能性のある4分野に集中している。
そうした分野は見過ごされたりすることがあるから、そこには非効率さと機会があるといえる」と話した。
「ヴァイス・ファンド」のファンドマネジャーであるミューチュアル・アドバイザーズはコメントを差し控えた。
だが、現実から逃避する罪や基本的必需品に焦点をあてた定番のディフェンシブ投資がトラブル時の避難場所となるとしても、マーケットが回復したときにも遅れて反応しがちだ。
英国に拠点を置くアセットマネジメント、F&Cの社会的責任投資(SRI)と管理の責任者、カリーナ・リトバック氏は、投資家は(市場の)回復とそれとともに要求されるだろう、より厳しいコーポレート・ガバナンスと説明責任に向けて準備しておくべきだろうと指摘する。
リトバック氏は「環境や社会的、倫理的な要素は『金融・財政とは関係ない』と言う人たちがいる。
私はそうした要素は価値をけん引し長期的には会社を成功に導くもので、金融・財政的なリスクにもなり得ると思う。
ただ、株価を24時間以内に上下させる要素にならないだけだ」と語った。
F&Cは1984年にスチュワードシップ・グロース・ファンドを立ち上げ、アルコールやたばこ、ギャンブルに関する銘柄を排除し、社会的責任投資の投資商品を最初に提供したファンドの一つとなった。
リトバック氏によると、個人投資家が大半を占める同ファンドの投資家は、株価の下落による損失にもかかわらず、その長期的な投資観点からファンドに忠実でいる。
7億3900万ユーロ規模のパイオニア・グローバル・エコロジー・ファンドのポートフォリオ・マネジャーのクリスチャン・ジンマーマン氏にも辛抱強い顧客がついている。
ジンマーマン氏は、2007年の終わりには13億ユーロあった同ファンドの価値が半分になっても、ほとんどの投資家が残っていると述べた。
同氏はファンドの現金比率を5%から引き上げることを検討しているものの、オバマ氏の登場によってファンドにとっての機会は維持されるとみている。
ジンマーマン氏は「オバマ氏は再生可能エネルギーへの意識が高い。
今のところ、近い将来は暗い見通しだが、2009年より先をみれば、今考えているよりも明るくなりそうだ」と語った。
最終更新:12月7日15時38分