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取引所間の競争激化を予感させるCFDを使った日経平均株価取引(KlugView)
2008/12/05 (金) 11:20
12月4日、東京金融取引所は、日経平均株価を対象とした新しい金融商品を2009年度中に上場させる計画を発表しました。新商品では、「差金決済取引(CFD)」と呼ばれる仕組みが利用されます。
CFDとは、「Contract For Difference」を略した用語で、商品市況や株式といった金融商品を差金決済する取引を意味します。差金決済とは、実際に投資対象となる資産を保有せず、取引終了時に投資対象資産の価格の差額(損益額)をやり取りして終了する取引を意味します。
CFDは、FX(外国為替証拠金取引)と同じ証拠金取引の一種です。投資家は証拠金を取引会社に預けることで、投資資金の何倍もの商品の売買ができる。いわゆる「レバレッジ」を効かせた取引をすることができます。また、取引開始時に、投資対象資産を買う(ロング)だけでなく、売ること(ショート)もできます。これにより、投資家は投資対象資産の価格が下落する局面でもCFDによって利益を得ることができます。
東京金融取引所の発表によると、新商品の取引単位は日経平均株価に100をかけた(100倍の)金額にする方針で、現時点では80万円程度の金額になります。投資家は、取引金額の一部を証拠金として差し入れ、(現時点であれば)80万円を取引します。この取引によって得られるはずの差額を利益や損失として受け取ることになります。
日経平均株価と連動した動きをする商品に、取引金額の一部を差し入れて取引をする、という仕組みは、現在、大阪証券取引所(大証)に上場されている「日経225先物」と非常によく似ています。違う点は、大証が先物という手法を使うのに対し、東京金融取引所はCFDという手法を使う点です。
大証が提供する日経225先物の場合、先物という手法を使っているため、先物価格に取引期限(限月)に応じて金利などが織り込まれています。このため、日経平均株価と日経225先物の価格は、取引期限が長くなればなるほど、やや異なることになります。
一方、東京金融取引所が計画しているCFDによる新商品は、取引期限を設けず、取引単位も日経平均株価の100倍とする予定です。このため、日経平均株価と新商品の価格は、日経225先物に比べ違い(乖離)が少なくなるように思われます。
東京金融取引所の斉藤次郎社長は、新商品の記者発表において、「24時間取引も視野に入れている」と発言しています。取引期限がないだけでなく、仮に24時間取引まで実現されれば、東京金融取引所の新商品は、大証の日経225先物に比べ投資家にとってかなり優位性のある取引といえます。
大証には、日経225先物とは別に、日経225オプションという金融商品も提供しており、日経225先物と組み合わせた取引も盛んに行われています。このため、日経225先物の取引が、すぐさま東京金融取引所の新商品にシフトすることはないのかもしれませんが、それなりの取引量が東京金融取引所に移行する可能性は否定できません。おそらく今後は、大証が、東京金融取引所の新商品に対抗すべく、新しい金融商品や日経225先物のサービスを拡充する施策を打ち出すような気がします。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
CFDって何?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
「Contract For Difference」
を略した用語で、商品市況や株式といった金融商品取引を
差金決済する取引のこと。
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/12/05/004066.php