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http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnTK828733420081128
[ロンドン 27日 ロイター] 株価がいつ底打ちするのかは、実際に底打ちしてからでないとわからない。ただ、過去数週間の各種データは、株価がまもなく底打ちする可能性を示唆している。 まず、ボラティリティーが低下している。投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー(VIX)指数.VIXは今月になって約8%低下し、10月に付けた今年の最高水準から約38%低い水準にある。 他の調査でも、市場には依然として強い先行き懸念が存在するものの、投資家心理の悪化が進んではいないことが裏付けられている。 世界各国で業務を展開する主要投資会社45社を対象としたロイターのアセット・アロケーション調査によると、株式への投資比率は依然として低水準に抑えられてはいるものの、11月にさらに株式の売却が進められた形跡はなかった。 27日に発表された同調査の結果によると、45社のバランス型ポートフォリオに組み入れられている株式の割合は、11月は長期的な平均である約60%を大幅に下回ったままだったが、前月比0.1%ポイントの微増となり、低下に歯止めがかかったことが確認された。 市場には警戒感が依然として存在するものの、市場心理の悪化に歯止めがかかりつつあるとの兆候を示す調査結果は他にもある。 米資産管理大手ステート・ストリートが算出する11月の投資家信頼感指数は、同社が10年以上前に統計を取り始めて以来最低の水準に落ち込んだ。ただ、前月比での下落率は、10月の下落率に比べるとわずかなものにとどまった。 同指数は投資家の売買動向から算出されるが、同社は指数の下落率が11月はわずかにとどまったことについて、機関投資家が経済ファンダメンタルズの悪化に以前ほど強く反応しなくなったと指摘している。ステート・ストリートで同指数の開発にあたったケン・フルート氏は「11月の指数は、安心感を与えるものだった」と述べた。 <回復に向けた第一歩> メリルリンチのファンドマネジャー調査も、株式市場に一条の光が差し込み始めていることを示唆している。 今月19日に公表された世界各国のファンドマネジャー180人を対象としたこの調査では、多くの投資家が世界経済は既にリセッション(景気後退)入りし、しばらくリセッションからは抜け出せないと考えているものの、リスク許容度が増していることをうかがわせる資産配分の動きがあったことが判明した。 例えば、株式をアンダーウエートとしていたファンドマネジャーの割合は、62%から54%に低下。新興国市場に関しても、アンダーウエートとしていたファンドマネジャーの割合は前月の36%から30%に低下し、新興国市場からの資金逃避に歯止めがかかったことが示された。 これらは小さな兆候に過ぎない。しかし投資家の間で、過去1年半の間に株価が50%以上下落するという急落局面は格好の投資機会でもあるとの見方が強まっていることに呼応している。 フォルティス・インベストメントは今週に入り、同社の戦略的ファンドのうち1つが株式と高利回り債券への投資を再開すると発表した。 同社ファンドマネジャーのマティアス・シェイバー氏は「フォルティスのテクニカル指標は、株式が過剰に売られていることを示している」と述べた。 またテンプルトン・アセット・マネジメントも、新興国市場の株価動向を示す代表的指数であるMSCI新興国株価指数.MSCIEFが年初から60%近く下落していることから、新興国市場の株価は来年初頭にも回復を始めるとみている。 新興国市場への投資戦略で知られるテンプルトンのマーク・モビウス会長は「新興国市場の株価は現在2003年の水準まで下落しているが、各国政府による景気刺激策が奏功し、来年の早い時期には回復するとみている」と述べた。 株価回復を示す兆候はこれまでも出ており、今回示された兆候により株価が底を打つとの確証はどこにもない。多くのアナリストが指摘するように、株価が急激に下落した後に底を打つことは特異的な現象ではなく、ただのプロセスに過ぎない。株価がいつ底を打ったかは後で振り返った時に初めてわかることで、実際に起きている時には誰にもわからない。 前回の2002─03年にかけての株価下落局面を振り返ると、株価は下落局面が始まってから約5カ月で底を打っている。 (Jeremy Gaunt記者;翻訳 広神綾子) |