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IISIA調査部コラム「一目当然?」(第2回) 〜二つの日米逆転〜
IISIA調査部コラム「一目当然?」 / 2008-11-27 11:40:08
先日、とある新聞に、FX投資家が円売り・米ドル買いのポジションを
組んだ際にスワップ金利の支払いを求められて驚いたという記事が載っていた。
その投資家は、アメリカの金利が日本の金利より高く、スワップ金利を
受け取れるものと思って投資したのだろう。
ところが実際には、その逆の状況になっていたわけだ。
バブル崩壊後の金融緩和以降、円金利は他国通貨の金利よりも
低い状態が続いてきた。
2008年11月25日時点においても、アメリカの政策金利であるFFレートは
1.0%と、同時点の日本の政策金利である無担保コール翌日物の0.3%よりも高い。
しかし、FXのスワップ金利は、金融機関の間で資金を調達する際の
短期の「市中金利」を元に計算される。
市中金利の代表的指標とされるLIBOR(London Interbank Offered Rate:
ロンドン銀行間取引金利)を見てみると、2008年11月17日分の翌日物レートで、
米ドルが0.4%なのに対して日本円は0.52%と、円金利の方が高くなっている。
これが上記の記事の背景にある変化だ。
LIBORは調達金利だが、それと表裏を為す運用面でも、日米逆転が生じている。
日本国債の利回り変化が小幅であるのに対し、米国国債のそれは大きく
変化している。
特に短期の利回り低下が激しい。
その結果、3ヶ月以下の期間において、日本国債の利回りが米国国債の利回りを
上回る状態になっている。
金利や利回りの変化は、為替変動に影響を及ぼす。
日本円の金利・利回りが相対的に高くなっているということは、
今後さらに円高・ドル安が進む可能性を示唆していると考えられよう。
(ただし、“決定的瞬間”がいつ来るかは慎重に見極める必要がある。)
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