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個人消費の拡大が期待される中国の大幅利下げ(KlugView)
2008/11/27 (木) 18:49
11月26日、中国の中央銀行である中国人民銀行は、商業銀行の基準金利(1年物)を1.08%引き下げ、貸出金利を5.58%、預金金利を2.52%とすること(いわゆる利下げ)を発表しました。今回の利下げは、9月以降で4回目で、利下げ幅が1%を超えるのは、アジア通貨危機時の1997年10月以来11年ぶりとなります。
中国が11年ぶりとなる大幅な利下げを実施した背景に、経済成長率の鈍化があります。中国の今年7―9月期の実質GDP成長率は、前年同期比9.0%増と、10%を超えていた前期までと比べ大幅に減速しています。また、世界銀行は、来年(2009年)のGDP成長率を7.5%にとどまると予測しています。中国政府は、雇用を維持するための成長率として8%を強く意識しているといわれていますので、中国政府としては、なんとしてでも8%という水準は維持したいところなのでしょう。
ただ、欧米を中心に世界景気が後退色を強めている以上、中国が得意とする輸出主導型の景気拡大は難しいといえます。おそらく中国政府としては、内需を刺激することで8%成長率を維持する考えと思われます。実際、中国政府がすでに発表している総額4兆元の景気対策も、公共投資が中心の内需刺激型となっています。
今回の利下げは、おそらく設備投資よりも個人消費の拡大につながるものと思われます。10月の中国の消費者物価指数の伸び(前年同月比)は4.0%ですので、預金金利は実質的にはマイナス(2.52%−4.0%=▲1.48%)です。預金することで得られる利息が、物価上昇分に満たない状況なので、家計は、預金をせずに、製品などを購入した方が得をするといえます。
実質的な預金金利をマイナスにすることは、短期的には個人消費は拡大するでしょうが、中長期的には物価上昇圧力を高めることになります。おそらく中国政府は、経済成長を優先することもあり、実質的な預金金利をマイナスにする状態を続けるでしょう。言い換えれば、足元で落ち着きを見せてきた中国のインフレ懸念は、中国の景気拡大をとともに高まることになると思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
11月26日、中国の中央銀行である中国人民銀行は、
商業銀行の基準金利をどれくらい引き下げた?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
1.08%
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/11/27/004010.php