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米国の過剰消費と日本の第2次所得倍増計画 - 米中日のGDP(世に倦む日日)
http://www.asyura2.com/08/hasan60/msg/217.html
投稿者 あ+ 日時 2008 年 11 月 27 日 18:42:20: 8WlTWJKy3iQ86
 

外務省発表の経済統計を使って、将来の世界経済を考える上での試算をやってみた。米国の2007年のGDPは13兆8112億ドルである。この数字をベースにして、仮に年成長率を-4%と想定、年4%のマイナス成長が11年間続くと、10年後の2018年のGDPは8兆8149億ドルにまで縮小する。一方、中国の2007年のGDPは3兆2801億ドルで、米国の24%の経済規模である。この数字をベースに、年成長率+10%で11年間成長が続いたとすると、2018年のGDPは9兆3585億ドルとなり、米国を抜いてGDP世界第1位の国となる。現時点で言えば、中国経済が今後10年間ずっと10%成長を続ける仮定を肯首できたとしても、米国経済が10年間も途切れなく-4%の縮小を続ける事態を想定できる者は皆無だろう。経済の常識から考えて、それはあまりに極端に悲観的な試算と予想である。だが、この試算のリアリティを説明するときは、もう一つの重要な経済要素について勘案しなくてはいけない。それは為替である。10年間、米国と中国の為替が2007 年ど同じままなどという仮定はあり得ない。 

将来の中国の通貨がどのような姿になるかは別問題として、中国通貨と米国ドルとの関係は大きく変動し、中国通貨の価値が高まり、米ドル換算の将来の中国の総生産は、現在考えている数値よりも大幅に上方修正されると考えるのが妥当であろう。すなわち、ドルベースでの評価額は、為替で米ドルが中国通貨に対して半値になれば、中国のGDPは2倍の数字に膨らむという計算になる。そうした為替の変動要素を加味して考えれば、10年後に中国が米国をGDPで追い抜いている可能性はきわめて高いと言えるはずで、場合によっては、それは10年後ではなく5年後の将来の出来事かも知れない。10年などあっと言う間だ。われわれの年齢になると、10年前の1998年などつい昨日の事のようで、『マネー敗戦』もつい最近読んだ本のように思われるし、石原慎太郎が東京都知事選に立候補した情景もありありと目に浮かぶ。右翼的傾向の強い日本の論壇や出版界では、ここ数年、中国経済の崩壊や破滅を予言した商売本や商売論文が多く目についたが、豈図らんや、中国経済より先に米国経済が破綻する事態となった。

米国の10年連続-4%成長の想定は、いくら何でも極論に過ぎるだろうとは思うけれど、5年連続で-4%成長の予想ならば、さほど特別に不具合な経済論議だとは思わない。米国のこれまでの成長が異常だったのであり、異常で不自然な個人消費が喚起されていたと私は考える。それは、レバレッジやデリバティブの金融ビジネスモデルの異常さだけでなく、真っ先に不正常で畸形的だと思うのは、米国人の体型と摂取カロリーの問題である。米国人は肥満している。肥満が多い。男も女もプロレスラーのような体をしている。米国のGDPは一国で世界全体の25%を占め、アジア全体の21%を上回っている。このGDPの70%が個人消費だと言われている。アジアの人口は37億人、米国の人口は3億人。つまり、単純に考えて、アジア人10人分が食う量を米国人1人が毎日食っていることになる。数年前、San Francisco のホテルの近くで、ファーストフードの店に入って、間違えてMサイズのコーヒーを頼んだことを思い出す。米国に行ったときは、用心してコーラでもコーヒーでも飲み物は必ずSサイズを注文するのだが、その日は不注意でカウンターで medium と言ってしまったらしい。

事の仔細は忘れたが、出てきた紙コップのコーヒーに戦慄した記憶は今でも生々しく甦る。片手で持てず、両手で抱えるようにしなければ持てない大きなカップに、まるでダムのように大量の黒い液体が満々と注がれていた。日本のLサイズなどよりはるかに大きい。目の前の黒い大きなダムを見つめたまま、暫し絶句して、何も口に入らずに呆然としてしまった。これが胃袋に入るのか。だから、あの体ができるのか。周りでポテトチップを食っている連中は、やはり体重が 100キロを超えていそうな巨漢の面々ばかりだった。真相は不明だが、あの米国の個人消費というのは、何となく、無闇に大量の食品を胃袋に詰め込まされ、無理やりそれを消化させられているような病的なイメージがつき纏う。摂取カロリーが多すぎる。最近、CNN Headline や ABC Nightline の映像でも、少しずつ金融危機が米国市民の暮らしに打撃を与えている状況が報道されていて、ガレージセールで家の中にある家具や装飾品を売ってクリスマスの資金を作っている家庭の話とか、全米の消費支出は冷え込んでいるが宝くじの売上が急増している様子などがレポートされている。宝くじの売上が増えたのは、バブル崩壊後の日本も同じだった。

特に10年前の金融危機直後の年末ジャンボ発売日の行列が凄くて、数寄屋橋公園の宝くじ売り場の行列が、マリオンの前に伸びて行き、さらに山手線の高架下まで延々と続いていた記憶がある。家のローンを払うために庭先でガレージセールをしている米国の女性の話は気の毒だったが、その女性の体躯が肥満で、同情の気分にも若干の割引を感じたのは事実である。何であんなに肥満ばかりなのか。これが経済の議論になるとは思わないが、米国のGDPなり個人消費というのは、少なくとも食料品やカロリーに限って言えば、もう少し摂取量を削減した方が国民生活にとって健康的で、成人病の予防や医療の社会的コストの観点からも健全で合理的なように思えてならない。米国経済のマイナス成長は、格差社会という問題系を抜きにして考えればだが、米国人の消費生活をスリムにする意味でプラスの作用もあるのではないか。どれほどの消費が適当な水準で、どれほどのカロリー摂取が適切な分量かを、米国人が正面から考えるよい機会ではないかと思われる。米国人の過剰で暴慢な消費体質について言えば、食料だけでなく、エネルギー(ガソリン)や水の消費の問題もある。もう少し減らせばいいのだ。地球と人類と自分自身の健康のために、少し消費を抑制した方がよく、節制と節約の思想を内面化する社会環境に自己改造した方がいいはずだ。

一方、日本のGDPの方に問題を移すと、米国の32%でしかない4兆3767億ドルというGDPの数字はあまりにも小さすぎる。人口比で米国の半分の日本が、なぜ米国の3分の1の経済規模でなければならないのか。その規模で甘んじているのか。2年か3年ほど前から、日本の国民一人当たりのGDP値が急速に下がっているという問題が指摘されるようになった。1987年に一人当たりGDPで世界第1位になり、それが1993年まで続いていたのが、今では世界第18位にまで落ちている。この数値について、実際に上位に上がっている国々を見ると、北欧の小さな国々が名を連ねていて、日本の国民の生活水準から言えばこんなところだろうかと違和感なく納得してしまう。嘗ての世界一がバブル経済で異常だったのだという反省の感覚もある。だが、これは、よく考えると、GDPが伸びてないのだ。一人当たりGDP値で見ると不自然に感じないところがあるが、 GDP値を見ると、何で日本がこんなに小さいのだろうという気分は自然に沸く。感覚的には、日本のGDPはフランスの2倍は超えていると思っていたし、ドイツの2倍程度になっていてもおかしくないという基準感が心の中にある。バブル崩壊以後に伸びが止まり、さらに小泉・竹中の新自由主義路線で日本経済は壊滅的な状態となった。GDPの値を見ながら、私が思ったことは、これはもう一度「所得倍増計画」をやるべきだという結論だった。

製造業の技術で他国に負けているのなら仕方ないが、日本製品より中国製品の方が品質が上だと思っている人間は世界中に一人もいないし、米国製品の方が日本製品よりコストパフォーマンスが上だと考えている消費者は世界中に一人もいない。どの市場で売っても、日本製品は最もハイランクで上質なポジションが取れるはずで、すなわち付加価値が取れ、中国製品や韓国製品よりも高い価格で売れて多い利益を得られる。日本のGDPの伸び悩みは、輸出産業が稼いだ利益を国内の市場と産業に回さなかったところに最大の問題があり、国内の経済を伸ばさずに潰したところに原因がある。輸出でGDPを引っ張ったのは、バブル以降も以前も基本的に構造や路線は同じだ。だが、バブル以前の高度成長のときは、稼いだ外貨収入を国内の設備投資に回し、賃金給付やインフラ整備や社会保障整備に回し、それなりのバランスで輸出以外の各部門(個人消費・設備投資・公共投資)を伸ばしていたのである。バブル後に、不良債権処理に目処が立って銀行や証券や保険の経営が回復し、大企業が在庫調整と生産調整を終えて増産を再開させ、輸出で収益を伸ばし始めたときに、それを内需に回す政策をとっていれば、個人消費を伸ばし、中小企業の設備投資を伸ばして、GDPを拡大させることができたのである。新自由主義ではなくケインズ型の政策をとれば、2000年から 2007年の8年間のGDPを年平均5%成長で続けることも可能だっただろう。

小さな政府だの、規制緩和だの、自己責任だの、企業価値だの、日本版ビル・ゲイツだの、グローバル・スタンダードだの、まやかしを言っていたから全てが駄目になった。経済成長の機会を失った。M&A(攻勢・防衛)用の自己資本積み増しと米金融商品投資運用のマネーゲームばかりやっていたから、日本の実体経済を癒し潤し育てる方向に全く資金(資本)が活用されなかった。GDPの試算に戻って、年率7%成長を10年間続けると、現在のGDPはほぼ2倍の規模になる。2007年ベースの2倍は8兆7534億ドル。日本経済として、これくらいのチャレンジは十分考えてよい範囲ではないか。やってみよう。第2次所得倍増計画。


http://critic5.exblog.jp/9931356/#9931356_1


もう、先進国と肩を並べたもしくは追い抜いたのだからそのことに慢心することなく
新しく作り出していかねばならない恐れと難しさを自覚せねばならないと思う。
その辺の自覚が欧米諸国に比べてない気がする。

欧米の言説に寄りかかることのできない事を自覚せねばならないと思う。  

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