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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu180.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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【シティ】が現在ないしは今後に抱えるであろう<不良資産額>は
30兆円以上に達し、現在、自己資本が2兆円余り足らなくなっている。
2008年11月25日 火曜日
◆瀕死のシティ救済で200億ドル追加注入 米政府が深夜の発表 11月24日 IZA
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/finance/198472/
【ワシントン=渡辺浩生】株価が急落し経営不安が強まっている米金融大手シティグループに対して、米政府は23日深夜、シティの不良資産最大3060億ドルの損失を保証したうえで、200億ドルを追加的に資本注入する救済策を発表した。9月に金融危機が深刻化してから有力金融機関に対する大規模な個別救済は、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)以来。経営を圧迫する不良資産拡大を防ぎ、金融システム不安の払拭(ふっしょく)を図る。
発表によると、政府は、シティの住宅ローンや商業用不動産融資に絡む最大3060億ドル分の不良資産を一定期間保証する。損失は290億ドルまでシティが負担し、それ以上の損失は最初の50億ドルを財務省が、次の100億ドルを連邦預金保険公社(FDIC)がそれぞれ負担する。
保証の手数料としてシティは財務省とFDICに70億ドルの優先株を発行して8%の配当を支払う。不良資産はシティの貸借対照表(バランスシート)にとどまるが、財務への悪影響を事実上遮断する仕組みだ。
さらに、政府は金融安定化法を活用してシティに別途200億ドルを資本注入する。政府は10月、シティに250億ドルを資本注入したばかり。追加注入の条件として、経営陣の報酬・ボーナスを制限する計画の提出を義務づけた。
シティは低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)に絡んで、世界の金融機関として最大の約700億ドル(約7兆円)の損失を計上。7〜9月期まで4四半期連続の赤字となった。
シティは簿外にも約1・2兆ドルの資産を抱え、その多くが不良資産化。世界同時不況が、不良資産を一段と膨らませるとの不安から、先週だけで株価は60%も急落。17日にはパンディット最高経営責任者(CEO)が約5万人の従業員削減を発表したが、下落に歯止めは掛からなかった。
週末を徹して支援策を協議した財務省、連邦準備制度理事会(FRB)は共同声明で「金融システム強化と納税者と米経済の保護に必要な措置」と強調した。
◆シティという不沈巨大タンカーの幻想 11月24日 田村秀男
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/809229/
シティグループは巨大タンカーに例えられてきた。巨大な図体で巨大な金融資産を運ぶ。タンカーは船倉を幾多にも仕切っているので、少々船底に穴が空いても沈まない。
ところが、かつては不沈戦艦と讃えられた戦艦大和も沈んだ。内蔵する巨大な弾薬に火がつけば、自爆し、真っ逆さまに暗黒の海へと旅立つのだ。
シティの最大の問題は、今回救済対象になった「不良資産」ではなく、1兆2000億ドルとみられる簿外の債務にある。大半は大量破壊兵器金融派生商品であり、不良債権化しているはずだ。
シティの経営執行委員会議長はかのロバート・ルービン氏。クリントン政権の財務長官で、今回のオバマ次期政権の金融危機対策に絶大な影響力を持っている。次期財務長官が有力視されているガイトナーニューヨーク連銀議長は言わばルービン氏の代役。
ルービン氏はもとはと言えばゴールドマン・サックスの共同経営者でもあった。ポールソン財務長官と同じGS出身だ。
クローニズム(身内主義)の米金融帝国が身内だけで、この難局に立ち向かうわけだが、不透明な実態にメスも入れず、ただ公的資金、あとは不問というなら、いったいこの金融危機を乗り切れるはずがない。
1997、8年のアジア通貨危機の際、ルービン氏がこっぴどくやっつけたインドネシアのクローニー資本主義の権化、スハルト体制は崩壊したことを、よもや忘れてはいないだろうが。
◆金融危機情報(再度のシティ救済策は機能するか?) 11月24日 nevada
http://blog.livedoor.jp/nevada_report/archives/585230.html
米国財務省とFRB、そしてFDICは週末返上で【シティ】救済策につき協議し、
まとめあげましたのが<30兆円の不良資産保証>と、<1.9兆円の資本注入>となっており、この発表を受けてフランクフルト株式市場では【シティ】株は40%程上昇しています。
では、今回の救済策は機能するでしょうか?
まず、今回発表になりました救済策で明らかになりましたことは【シティ】が現在ないしは今後に抱えるであろう<不良資産額>は30兆円以上に達するということであり、かつ、現在、自己資本が2兆円余り足らなくなっているということなのです。
また、今回の救済策の条件としましては、<無配>と<役員ボーナス削減>が盛られており、年金資金等は無配となる【シティ】株を保有できなくなると共に、401Kプランで【シティ】株を保有している個人は配当金がなくなりますので、年金運用プランに狂いが生じます。
今回の救済プランは株の暴落もあり、とにかく信用崩壊で資金繰りに窮している【シティ】を一時しのぎでも救うために考えだされた苦肉のプランであり、時間がたてば【シティ】が抱えます不良債権額は<30兆円>をはるかに超える額に膨れ上がり、再度の救済策を講じることになりますが、政府が決めました<70兆円の枠>を下手しますと【シティ】1社で使い切ることにもなりかねない事態に追い込まれ、今度は米国金融市場救済策が機能しないという事態に陥ります。
今の金融市場を安定させるには、付け焼刃の対応をとるしか道はないのも確かですが、金融機関救済だけに舵を切っているこの間にも世界中で<不動産価格>の下落は続き、<企業倒産>は増え、<消費>は減少し、急速に【世界同時不況】に向かっているのです。
(私のコメント)
アメリカ政府はシティを国有化して優先株を買い取るようですが、経営陣はお咎めなしで公的資金を注入する。これが出来れば日本ももっと早く危機から脱出できたのに、新自由主義的な考え方で公的資金による救済が遅れてしまった。竹中大臣は資産査定の厳格化で銀行を追い込んでいきましたが、今度のシティ救済をどのように見ているのだろうか?
今のシティを資産査定の厳格化で査定すれば債務超過であり市場原理主義から言えば潰されるべき銀行だ。このようにアメリカは自分勝手であり原理原則もない国だ。このように住宅金融会社も保険会社も商業銀行も国で救済して国有化されていますが、そのカネはどこから出るのだろうか?
シティは10月に250億ドルの資本注入を受けたばかりだが、さらに200億ドルの資本注入を受ける。不良債権の額からしてシティはまだまだこれからも果てしなく資本注入を続けなければならなくなるだろう。アメリカの景気が回復すれば不良債権の発生も止まるだろうが、実体経済の悪化はこれからだ。
アメリカは90年代はITバブルを演出して世界から金を集めましたが、2000年以降は金融商品バブルで金を集めてきた。しかしデリバティブという金融商品は大量破壊兵器以上の破壊力を持つものであり、アメリカはもとより世界経済を吹っ飛ばすほどの威力がある。それを放置してきたのはアメリカ政府であり金融商品は金融立国の切り札だった。
アメリカの投資銀行の金融商品は高利回りであり、産油国や新興国などからの資金還流でアメリカは好景気が続いた。それに対して日本は超低金利政策で財政再建を優先して景気対策は行なわなかった。これは意図的に日本からアメリカに資金が流れるようにするためであり、政府日銀が増税や金融の量的引き締めで好景気になるのを恐れているかのように見える。
麻生内閣でようやく景気対策に力を入れるようですが、景気対策は続けなければ意味がない。90年代も3度にわたって景気が回復しかけては財政再建で潰してきた。それに対してアメリカは75兆円の金融安定化法案を通して次々と手を打っている。日本は貿易黒字国なのにその黒字を生かすことが出来なくてアメリカに還流させる政策をとっている。
アメリカはシティやGMといったアメリカを代表するような企業が潰れかけていますが、日本で言えばトヨタや三菱UFJが潰れるような事態がアメリカを襲っている。これではアメリカ経済もおしまいなのであり、アメリカを支えるような大企業がアメリカからなくなり、自動車産業も外国資本で経済植民地化していくのだろう。
金融だけはアメリカの戦略産業であり、製造業は競争力がなくなりメキシコや中国に工場を移転してしまった。しかし最後の牙城である金融も自爆テロで不良債権の山を作ってアメリカは自滅する。日本の戦略は崩壊しつつあるアメリカ帝国からどのような自立の道を探るかですが、アメリカ依存に固まったままの日本人の意識を目覚めさせなければならない。
アメリカは共産主義と戦い勝利を収めて新自由主義や市場原理主義のイデオロギーを日本にも押し付けてきた。しかし今度の新自由主義や市場原理主義はアメリカ政府自ら捨て去ってしまった。アメリカもEUや日本のような社会民主主義的な政策でオバマ政権もそうなっていくだろう。行き過ぎた規制緩和や弱肉朝食経済はアメリカ経済をも破壊させた。
これからのアメリカがどのようになるかは中国の出方にかかっている。アメリカはすでに金融経済対策で200兆円以上の金を必要としており米国債を売って賄わなければならない。しかし日本も中国も産油国もそれだけの買う金は無い。アメリカ国民も負債の山を抱えており長期不況で中国から物を買うことは出来なくなる。つまり中国はアメリカの輸出が出来なくなり、アメリカは中国にドルや国債を買ってもらえなくなる。つまり米中共倒れだ。
このような状況になれば、日本の戦略としてはアメリカや中国を経済植民地化して経済支配する事で21世紀は日本の世紀と呼ばれるようになるかもしれない。もはや軍事力では決着はつけられない世界では経済力が国力の決め手になる。規模としてはアメリカや中国が大きいのだろうが、資本力や技術支配力は日本が持つことになるだろう。つまり見えない資本技術帝国による米中の植民地化が進んでいるのだ。
韓国はすでに日本の経済植民地支配体制は固まっている。やがては中国もアメリカもそのようになっていくのだろう。アメリカも軍事力が使えないと分かって経済振興に本気になってかかれば復活の目もあるのですが、日本も米中に対抗できるだけの核戦力は持たなければならない。