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悪いことばかりではない原材料価格の下落(KlugView)
2008/11/18 (火) 16:03
景気に敏感な鋼材など主要商品で構成する日経商品指数(17種)が、大きく下落しています。日経商品指数の伸び(前年同月比)は、10月末時点でマイナス10.3%と、2001年の景気後退局面のマイナス幅を上回り、アジア通貨危機の1997年、98年以来の低下率を示しています。
日経商品指数とは、日本経済新聞社が開発した商品価格の指数です。鋼材、非鉄金属、遷移など17品目の国内企業間取引価格をもとに指数が算出されます。
一般に、企業が取引する商品価格は、景気に敏感に反応するといわれており、内閣府が発表する景気動向指数の先行指数を構成する1要素としても採用されています。言い換えれば、日経商品指数が低下しているということは、日本における商品需要が低下しており、日本景気の先行き懸念が強まっているといえます。
今後も日経商品指数の低下は続くとの見方が強まっています。11月17日、電炉最大手の東京製鉄は、12月契約分の鋼材全品種の一般流通(店売り)価格を前月から一律1トンあたり5千円引き下げると発表しています。
じつは東京製鉄は、11月分の鋼材について、過去最大の値下げ(1トンあたり2万3千円から3万5千円)を実施したばかりでした。報道によると、東京製鉄は、今年度下期の鋼材生産量を前年同比期で約16%減らす方針を決めており、今後も生産調整が続く見込みです。
ただ、一方で、商品価格の低下が、日本景気を下支えする可能性も示しています。日本銀行が発表する交易条件指数は、10月に前月(9月)より2ポイント上昇し、統計開始(1990年1月)以来最大の上昇を示しています。
交易条件指数は、製造業のコスト構造を示すもので、仕入価格の変動をどれだけ販売価格に転嫁できたかを示す指数です。交易条件指数が上昇すればするほど、製造業は仕入価格を販売価格に転嫁しており、採算性が改善していることを意味します。
商品価格が値下がり、景気も悪くなりそうだ、ということになると、2000年頃のデフレ不況を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、足元の商品価格の下落は、単に景気悪化を示しているだけでなく、景気悪化後の景気回復の準備に入ったといえなくもありません。
商品価格の値下がりは、原材料メーカーの採算悪化を意味するだけでなく、原材料を利用する製造業の仕入コストの低下も意味するからです。これまで日本経済は、原油を始めとする各種原材料価格の上昇で苦しんできましたが、今後は、こうした苦しみが和らぐことを期待しても良いと思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
今年10月の交易条件指数は9月からどれくらい上昇した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
2ポイント上昇
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/11/18/003948.php