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【欧州、米国の「静かな取り付け」騒ぎは資金余剰を引きおこし、結果的に米国債需要を引き上げる。】
欧州のみならず米国でも金融機関に対する「静かな取付け騒ぎ」が発生している事が報道され、阿修羅でもとりあげら
れており、皮肉な事に米国の株価が上昇に転ずる契機となる事が示されているので、私なりに考えた米国の株価上昇スト
ーリーをここに示します。
参考:[大量のお金が流れ込んで、残業や人員強化無しではさばき切れなくなっている。【swissinfo】]
http://www.asyura2.com/08/hasan59/msg/699.html 投稿者 hou 日時 2008 年 11 月 17 日 22:13:54: HWYlsG4gs5FRk
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結果的に「静かな取り付け騒ぎ」は米国内の金融機関の「米国債」に対する需要を大幅に増加させ、時間差を置いて株
価上昇を引き起こす。
かって日本で起きた事が米国でも起きるのです。
金融危機となり、欧州(スイス等)の金融機関では顧客が預金を他の金融機関に預けなおす現象が発生しており、米国に
おいてもそのような傾向が見られると報道されています。
顧客は自分の資産を失う事への恐怖から経営内容の悪い金融機関から預金を引上げ、他の金融機関にあずけ直すとしま
す。
また一定額は投資妙味を増している株式へと振り向けられる事となります。
しかし短期間に多額の資金が預けられた場合、受入れた金融機関には運用先(貸出先)がありません。
これらの「安全嗜好預金」(一種のホットマネー)は浮気癖が強く経営内容が悪化するとすぐに引出される為、長期の貸
出に振り向けるには問題があります。
そうすると米金融機関の経営陣はどのような判断を下すか・・・・
まずは「米国債購入」にひた走ると言う結果になります。
巷のあるプログでは、投資銀行が国債を買わなくなるからダメと主張していますが、今までは米国債よりも金利の高い
商品がゴロゴロあり、かつそれが安全であると信じられてきた為に、米国債が米国内で消化できずに来た側面がある事を
見逃しています。
いまはリスク回避指向が強まっており、米国内での需要は大きくなると見ています
何度も繰り返していますが、銀行の自己資本比率を規制している現在のBIS規制においてはOECD諸国の国債はリスクア
セット(リスク評価係数と思ってください)「ゼロ」です。
会計上は時価評価をして評価損益を計上(多くの場合、P/Lではなくバランスシート)しますが、自己資本比率は資産が
膨らんでも全く下がりません。
また国債の場合は一定の要件を満たせば、評価損の計上すら必要ありません。
時価会計が停止・制限された事で米国内の商業銀行が米国債を購入しやすくなった事は間違いありません。
実際に日本国内の金融機関はこの何年間かはJGBモンスター(JGB=Japanese government bond)と言われるくらい日本国
債を買っています。(これが日本が財政赤字を垂れ流していても円が暴落しない理由のひとつでもあるのですが・・・・
・・)
米銀がなぜ対外投資を引上げるのか・・・・
その原因はここにあります。
米国外への投資に対するリスクアセット(リスク評価係数と思ってください)はカントリーリスクを含んでいます。
国としての格付けが下がると金融機関に対するBIS規制ではその資産のリスクアセットは懲罰的に加算され、大幅にリ
スクが増加した事になります。
これは非常にペナルティが大きく、例えば今でリスク係数100億と評価されていたものが一挙に150億とかになると収益
が上がっていても今まで8億あれば充分だった資本が一挙に12億必要となり50%も資本が不足する形になってしまいます。
おまけに欧州、新興国が景気減速となり為替のドル高基調が続くとなると為替差損も同時に起こります。
さらに投資・融資先が業況不振やデフォルト状態にでもなれば引当金が更に必要となり・・・・資金回収をしない方が
バカという結果になります。
そのまま放っておけば「自己資本比率」が大幅に低下し、顧客から信頼を失いたちどころに「静かな取り付け騒ぎ」と
なります。
経営サイドでは「貸し剥がし」に走り米国債権の購入に走る結果となります。また時価会計が制限・停止された状態で
は配当利回の高い株式への投資も有望な投資先と言う事になります。
預金の受入を制限すれば良いとの意見もあり、実際に金融危機時に経営内容の良い某地銀(ムーディズの格付が邦銀で
最も高かった)が取った手段がそれで、挙句の果てが金利の高い定期預金の利率引き下げや受け入れ制限を行いましたが
、預金の取扱を行う政府の保護・保証が受けられる点がステータスとなっている米国でそれを行う金融機関がどれほどあ
るかは疑問です。
つまり短期的には米国債の相場上昇、その後に米株式市場の底打ち上昇と言うストーリーで完結となると思いますが・
・・・さてどうなりますか。
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※ちなみに私、梵天はこの年間「阿修羅」以外の掲示板にこのHNで投稿していませんので・・・・お間違いの無きよう
お願い致します。 もしいましたら、それは別人なので・・・・・・・・・・・・・・・・・