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http://www.amakiblog.com/archives/2008/11/13/#001236
2008年11月13日
金融サミットは失敗する
日経平均がバブル崩壊後の最安値をあっさり突破し7500円を割り込んだのは10月27日だった。
それと前後してブッシュ大統領が金融サミットを11月15日にワシントンで開催すると宣言した。
そのサミット出席のために麻生首相は、交付金給与の混乱を尻目にワシントンに飛び立った。
ところで金融サミットで何が決定されるのか?
日本の報道振りを見る限りでは何もわからない。
報道される事はといえば、米国金融支配が崩壊した後の新しい通貨システムを作らなければならない、とか、金融資本主義がこれ以上暴走、逸脱しないように、国際的合意の下に監視システムを強化しなければならなし、と言った有識者の意見である。
11月13日の日経新聞でも慶応義塾大学前塾長の鳥居泰彦氏が、「経済教室」
の中で、「今回の金融・経済危機は、市場の暴走を許してしまった末に起きた。これまでの世界経済のインフラとなってきた制度や仕組みの再検討・修正は不可避である」と唱えている。
そのような会議になるのだろうか。
レバノンの英字紙デイリースター紙11月13日付に、「制度改革を急ぐと金融サミットは失敗に終わる」、という次のような論説が掲載されていた。
因みにレバノンは世界中の情報が集まる情報のクロスロードだ。公開情報も質が高い。
デイリースター紙は、その有力な一つであった。
・・・今度のサミットは嫌がるブッシュの尻をたたいてEU議長のフランス大統領サルコジがその任期が終わる前に、強引に開かせた会議だ。
しかし、様々な思惑がぶつかり合う会議になる。いまや世界経済の共同管理者となりつつある中国、新しい国際金融制度の創設に影響力を発揮したいEU、そして、自分たちに何の責任もないのに、いきなり世界経済の混乱に巻き込まれた新興国の怒り。実際のところ新興国の怒りはすさまじい。ブラジルのパトリオタ駐米大使などは、「今度のサミットはG8が決めてきた世界経済システムについて、すべての参加国が平等に発言する会議になる」などと挑発的な発言をしている。
フランスは早々と金融サミットで採択される決議案のとりまとめを急いでいる。それは格付け会社の監視強化、会計基準の統一、そしてIMFの役割の強化である。
サルコジは、100日後に、オバマ新大統領の出席を得て、その決議案の採択を目指した金融サミットを開こうとしている。
しかし新しい金融システム作りを急ぐと失敗する。ブレトンウッズ体制を合意するには3ヶ月の準備期間を要した。それを3週間で行なおうとするのは無理というものだ・・・
なるほど。今度の金融サミットは、新しい金融システムの主導権をめぐって、各国の思惑のぶつかり合う会議なのだ。レイムダックのブッシュ大統領と、情報から疎外されている日本は、外されるのか。
そんな事を知ってか知らずか、麻生首相はIMF強化のために外貨準備から10兆円を増資するという大判振る舞いの手土産を持って飛び立った。二回目のサミットを、日本がサミット議長である今年いっぱいまでに、二回目の金融サミットを日本で開きたいと提案するために。
サルコジから一蹴されることだろう。