| Tweet |
ＮＹ外為(７日):ドルが対ユーロ下落、予想以上の雇用悪化で売り(２)
11月７日（ブルームバーグ）：ニューヨーク外国為替市場ではドルが３日ぶりに対ユーロで下落。午前に発表された10月の米雇用統計が予想以上に悪化したことから、市場参加者は金融危機による実体経済への影響がさらに広がっていくと受け止めた。
円はユーロとドル、オーストラリア（豪）ドル、さらにニュージーランド（ＮＺ）ドルに対して下落。米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）が追加利下げを実施するとの見方から、世界的に株価が上昇し、低金利通貨の円で資金を調達し、高金利通貨で運用するキャリー取引が活発化したのが背景。
ＲＢＳグリニッチ・キャピタル・マーケッツ（コネティカット州グリニッチ）の国際通貨戦略責任者、アラン・ラスキン氏は「雇用統計はかなり悪い内容だった。通常の解釈ならばドルにとってはネガティブだ」と語った。
ニューヨーク時間午後４時21分現在、ドルはユーロに対して0.2％下落して１ユーロ＝1.2738ドル。前日は1.2715ドルだった。週間ベースではほぼ変わらず。ドルは円に対しては0.6％上昇して１ドル＝98円30銭。前日は 97円75銭だった。ユーロは円に対して0.8％上昇して１ユーロ＝125円23 銭。前日は124円29銭だった。
カナダ・ドル、韓国ウォン
カナダ・ドルは米ドルに対して0.7％高の１米ドル＝1.1893カナダ・ドル。週間では1.9％上昇。カナダ政府が発表した10月の雇用統計によると、雇用者は予想に反して増加した。
韓国ウォンはドルに対して0.2％上げて１ドル＝1328.65ウォン。週間ベースでは2.9％下落。韓国銀行はこの１カ月で３度目となる利下げを決定、政策金利を４％に引き下げた。これを手掛かりに韓国株式相場が上昇した。
円は豪ドルに対して2.1％安の１豪ドル＝66円44銭。対ＮＺドルでは 1.2％下げて１ＮＺドル＝57円99銭だった。日本の政策金利は0.3％なのに対し、オーストラリアは5.25％、ニュージーランドは6.5％に設定されている。
ウエストパック銀行の為替ストラテジスト、ジョナサン・キャブナー氏は「株式市場が回復しつつある。そのためリスク警戒姿勢をやや緩める動きになったようだ」と語った。
この日の欧米株式相場は、ＦＯＭＣが雇用悪化に対応するため追加利下げに動くとの観測を背景に上昇した。
シカゴ商品取引所（ＣＢＯＴ）の金利先物市場では、12月16日の次回ＦＯＭＣ定例会合で少なくとも0.5ポイントの利下げが決定する確率は99％となっている。１週間前は55％だった。フェデラルファンド（ＦＦ）金利誘導目標は現在１％に設定されているが、ＦＦ金利がゼロに近づいていることから、同確率はこれまでほど正確ではない可能性がある。
雇用統計
労働省が発表した10月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数（事業所調査、季節調整済み）は前月比24万人減と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値（20万人減）を上回る落ち込みだった。家計調査に基づく10月の失業率は6.5％（前月6.1％）と、1994年以来の高水準に上昇した。
また、全米不動産業者協会（ＮＡＲ）が発表した９月の中古住宅販売成約指数は前月比4.6％低下した。
全米経済研究所（ＮＢＥＲ）で景気循環判定委員会の責任者を務めるスタンフォード大学のロバート・ホール教授（経済学）は７日、午前に発表された雇用統計を受けて、米国が今やリセッション（景気後退）に入っていることに疑いはないとの見解を述べた。同氏は「その証拠にはより説得力がある」と語った。同委員会は景気縮小がいつ始まったのか、その開始時期の特定を待っている。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先：ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama mrakuyama@bloomberg.net Editor: Tsuneo Yamahiro 記事に関する記者への問い合わせ先： Jamie McGee in New York at jmcgee8@bloomberg.net ; Lukanyo Mnyanda in London at lmnyanda@bloomberg.net
更新日時 : 2008/11/08 07:39 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=aX4aITC9TwT8&refer=jp_top_world_news
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,ＭＬを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。