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(回答先: 阿修羅もDDogさんも皆さんも、なかなかいい線をいっているのですよ。自信をもってください。 投稿者 乃依 日時 2008 年 11 月 07 日 10:31:21)
今日読んでいる本は面白い。あと少しで読み終わりますが、「天才の栄光と挫折」副題:数学者列伝 藤原正彦著(文春文庫)アイルランドを代表する天才学者ウィリアム・ハミルトンの項、P138
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老骨に鞭打ち、執念に燃えた研究ぶりには、鬼気迫るものがあるが、独創は既に瀞れ
ていた。苦心の末に完成した七百ぺージを超す大部の著、『四元数講義』は難解過ぎて
理解されなかった。簡単に分かるよう要約を書いて欲しい、という数学者ド・モルガン
や天文学者ハーシェルの要望に応えて書いた『四元数の基礎』は、八百ぺージを超える
長さのため生前には出版されなかった。誰にも理解されなかったため、討議する相手も
いず、すべてを自ら発見し証明しなければならなかった。些末(さまつ)な迷路にはいることも少なくなかった。
何より辛かったのは誉め言葉や励ましを誰からも得られなかったことだろう。数学者
が学会やシンポジウムヘ出席するのは、研究連絡や新しい知識の吸収のためということ
になっている。が、本当のところは、研究仲問との何気ない会話の中から生まれる、誉
め言葉や励ましや連帯感、が欲しいのである。これがあってはじめて、孤独な研究に耐
えられるのである。四元数発見から痛鳳と気管支炎により六十歳で逝くまでの二十年余
りは、ハミルルトンにどって辛い時代であったと思う。
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