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金融危機にもかかわらず日本の景気が相対的に安定している理由(KlugView)
2008/11/07 (金) 19:50
ロイター通信(WEB版)は、昨今の金融市場の混乱で、運用会社の運用資産残高(AUM)が減少し、人員削減の動きが強まる可能性があると報じています。運用会社の多くは、AUMに対して報酬を得る仕組みを採用しているため、解約や資産価格の下落によってAUMが目減りすると、運用会社が得る報酬も目減りする傾向にあります。
外資系の運用会社にとっては、円高の進展も人員削減を進める理由となっています。通常、外資系運用会社の場合、外貨建てで費用を考えます。円高が進展してしまうと、円ベースで費用が変わらなくても、外貨建てでは費用が拡大してしまいます。これまで外貨建てでみて「安い」と思われていた日本人スタッフの給与が、円高によって突然「高い」ものになってしまえば、人員削減の意欲が高まっても不思議ではありません。
すでに米国では、今回の金融危機を背景に、いわゆる金融業の雇用が減少しています。わずか2年前(2006年12月)に836万人もいた金融業の雇用は、今年9月には818万人と18万人(約2%)減少しています。金融機関の信用不安は、依然として続いていることも考えると、今後も金融業の雇用は減少を続け、近いうちに800万人割れになるように思われます。
今のところ、日本において金融・保険業の雇用に大きな変化はみられません。総務省の労働力調査によると、金融・保険業の雇用者数は、今年9月時点で158万人と、過去5年間で高い水準にあります。
先ほどご紹介した運用会社の例を出すまでもなく、米国と同様に、日本でも金融業の雇用が減少する可能性は否定できません。ただ、だからといって、日本全体の雇用環境が、金融業のために、大きく悪化することはないでしょう。なぜなら、米国と違い、日本の場合、金融業が雇用に占める割合は高くないからです。雇用者数全体に占める金融・保険業の割合は、日本では1.4%程度に過ぎません。
今回の金融危機は、その名の通り、金融業界に大きなインパクトを与えています。言い換えれば、一国経済が金融業に過度に依存していなければ、世界経済が減速モードに入ったとしても、その国の経済成長が一気に悪化するわけではないことになります。今回の金融危機で、米国や英国が相当の痛手を被っているのに、日本が比較的安定的な動きを示している背景には、金融業が経済全体に占める割合の違いにあるような気がします。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
今年9月の米国の金融業の雇用者数はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
818万人
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/11/07/003902.php