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オバマ米次期大統領の通商政策:保護主義なら中国などアジアは対決へ
11月5日(ブルームバーグ):オバマ米次期大統領の通商政策について、中国などアジア諸国は、保護主義的な選挙公約を実施に移してくれば、かつてないほどの対決姿勢を整えている。
オバマ氏は、労働と環境規則強化、米貿易赤字削減策を唱えており、アジア諸国にとっては薄いベールに覆われた保護主義に聞こえる。世界の金融危機で、輸出の持つ意味が一層重要になっている現状ではなおさらだ。
復旦大学・米研究センターの呉心伯副所長は「オバマ氏ですぐに気になるのは経済関係だ。米国はアジアの経済自由化にそれほど熱心でなくなるだろう」とし、貿易によって米国内の雇用が失われるからだと説明した。
オバマ氏は新興国にも地球温暖化対策に取り込み、労働・環境基準を貿易協定の中に盛り込むことを目標にしており、アジア諸国で反発を招きそうだ。
中国はブッシュ米大統領の第1期目に加盟した世界貿易機関(WTO)で自らを擁護している。インドと中国は今年、農産品関税を争点として世界貿易交渉の頓挫を招いている。地球温暖化対策では、G77と呼ばれる新興国のグループが交渉進展の壁となって立ちはだかっている。
穏健路線を継承か
中国社会科学院・米研究所のシニア・フェロー、張立平氏は、ブッシュ大統領、クリントン前大統領ともに選挙戦中は対中強硬策を公約していたが、任期中は穏健路線に転じたことから、オバマ氏もその路線を踏襲するとみている。米国は金融危機解決のために中国の助けを必要としているというのがその理由だ。
自由貿易協定に関しては韓国、コロンビア、パナマとの交渉を引き継ぐが、議会で審議が滞っている。オバマ氏は、韓国との協定について一部を再交渉するよう主張しているほか、北米自由貿易協定についても新たな労働・環境基準を追加する意向だ。
地球温暖化対策では、京都議定書が12年に期限切れとなり、「ポスト京都」をめぐる交渉が12月、ポーランドで再開する。
アジア主要国の指導者は、金融危機によって経済モデル、自由市場政策の推進者としての米国の地位が低下したとみている。メディア研究センター(ニューデリー)のバスカラ・ラオ会長は、「米国が貿易や環境問題でアジアを指導する能力は激減した。この経済混迷の中で、米国の指導的な地位は終わっている」と指摘した。
アジア一体で対応
東南アジア諸国連合(ASEAN)のスリン事務局長は10月24日のインタビューで、「各国が勝手な行動を取るより一体で課題に対処する。われわれは保護主義に懸念を持っている」と語った。
中国と近隣諸国は、すでに貿易制限を容認しないとのシグナルを送っている。中国外務省は先週、米国に対し貿易・投資障壁を引き下げ中国の通貨政策を非難しないよう求めた。地球温暖化対策についても、中国は新興諸国をリードする形で、米国など先進国こそが解決策を提示する主たる責任を負っていると主張した。中国としては、経済成長を阻害することなくエネルギー構造を徐々に転換していく方針で、米国や欧州諸国に対し金融・技術を強化するよう求めている。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 淡路毅 Takeshi Awaji tawaji@bloomberg.net Editor:Joji Mochida 記事に関する記者への問い合わせ先: Dune Lawrence in Beijing at dlawrence6@bloomberg.net
更新日時 : 2008/11/06 13:14 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&sid=a9HtxqG6WeJs&refer=commentary