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デフォルト・スワップの開示情報、銀行のリスクに関する真実は闇の中
11月６日（ブルームバーグ）：クレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）についてこれまでに開示されている情報は、保険最大手だったアメリカン・インターナショナル・グループ（ＡＩＧ）の没落につながった同市場の一角について明らかにしていない。
米決済機関のデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング（ＤＴＣＣ）は４日にＣＤＳ市場に関するリポートを発表。同市場について、今までで最も包括的なリポートだったが、ＡＩＧやＭＢＩＡ、アムバック・ファイナンシャル・グループなどの保険・保証会社が相対交渉で売却した一部ＣＤＳについての情報は含まれていない。ＢＮＰパリバのロンドン在勤アナリスト、アンドレア・シシオーネ氏らによれば、これらのＣＤＳは債務担保証券（ＣＤＯ）を保証している。
ＤＴＣＣのリポートによれば、政府および企業の債務や資産担保証券（ＡＢＳ）のＣＤＳの保証額は全世界で計33兆6000億ドル（約3300兆円）に上る。リポートは、金融機関などが抱えるリスクについて明らかにし市場の懸念を軽減することを目指したものだが、シシオーネ氏によれば、ＣＤＳ市場の40％程度は、このリポートから漏れている。同氏はインタビューで、ＤＴＣＣのデータは「ＣＤＳ関連のリスクの過小評価につながる公算が大きい」と指摘した。
ＡＩＧは2007年８月に初めて、ＣＤＯに対しＣＤＳで4400億ドル以上の保証を提供していることを投資家に開示した。ＣＤＯについての懸念が高まり保証コストが急上昇したことを受け、同社は今年９月に破たん寸前まで追いつめられた。同社は格付けを引き下げられ、100億ドル超の追加担保差し出しを求められた。米政府は850億ドルを融資して同社を救済し、政府管理下に置いた。
47兆ドル
金融保証会社（モノライン）大手だったＭＢＩＡとアムバックも今年、ＣＤＯを保証するＣＤＳ関連での損失への懸念から最高格付けを失った。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは５日も、デリバティブ（金融派生商品）関連の損失リスクを理由にアムバックの保険財務力格付けを４段階引き下げ「Ｂａａ１」とした。Ｂａａ１は投資適格級の下から３番目。
国際スワップデリバティブ協会（ＩＳＤＡ）は、ＣＤＯを保証するＣＤＳなどＤＴＣＣが把握していないとみられるものを含めたＣＤＳの残高を47兆ドル以上と見積もっている。
過去３年にわたってＣＤＳ市場のリスク軽減と透明性向上を呼び掛けてきたニューヨーク連銀は、ＣＤＳ契約の取引価格などを含め一段の情報開示を目指していく考えを示している。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先：アムステルダム 木下 晶代 Akiyo Kinoshita akinoshita2@bloomberg.net Editor: 記事に関する記者への問い合わせ先： Shannon D. Harrington in New York at sharrington6@bloomberg.net ; Abigail Moses in London Amoses5@bloomberg.net
更新日時 : 2008/11/06 17:54 JST
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&sid=aQOcGIzwRbMA&refer=commentary
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