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米新政権が陥る可能性がある財政支出拡大の罠(KlugView)
2008/11/05 (水) 17:00
米メディアの報道によると、2008年の米大統領選挙は、民主党候補のオバマ上院議員が勝利し、来年1月20日に第44代大統領に就任することが決まりました。米国初の黒人大統領となるなど、オバマ氏の勝利については、日本のマスコミも大きく報じています。
オバマ氏の勝利に隠れてしまい、日本ではあまり報じられていないようですが、大統領選挙と同時に実施された米連邦議会選挙で、民主党が上下両院で過半数を維持したことを、我々は、もう少し注目しても良い気がします。
民主党は、共和党に比べ、財政支出を政策の有力な手段とする、いわゆる「大きな政府」を目指す動きが強いことで知られています。今回の選挙では、大統領、議会ともに民主党が勝利したわけですから、今後、米国の財政支出は、今まで以上に拡大する傾向が強まるとみたほうが妥当に思えます。
米国政府は、金融安定化法案にもとづき、2500億ドル(約25兆円)の公的資金を金融機関に注入する権限を持っています。米財務省の発表によると、10月下旬までに、米政府は、米主要9銀行に1250億ドルの公的資金を注入しています。
今後、地方銀行や保険会社などにも公的資金を注入すれば、用意していた2500億ドルが底をつき、米政府が公的資金枠を広げる可能性もあります。今回の選挙で民主党が勝利したことを思えば、公的資金枠の拡大というシナリオの現実味は高まったように思われます。
債券市場では、徐々にではあるものの、米国政府が財政支出を拡大させる可能性が織り込まれつつあります。たとえば米10年債利回り(長期金利)は、10月初めに3.4%台まで低下しましたが、最近では4%近くまで上昇しています。この結果、住宅ローン(期間30年)の固定金利も6%超で高止まりしています。
一般に財政支出の拡大は、国債の発行が増えることにつながります。国債の発行が増えれば、より多くの資金を調達することになり、結果として金利は上昇します。このため、足元で長期金利が上昇していることは、市場が米国政府の財政支出の拡大を見越している(織り込んでいる)、と解釈することもできます。
長期金利の上昇は、設備投資や住宅投資を抑制させるため、景気回復にとって障害となります。米国の新しい政権・議会は、米国景気を回復させるために財政支出の拡大を試みるのでしょうが、その効果が市場の反応によって小さくなってしまうリスクがあることを、我々は少し意識しておいても良いのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
オバマ氏は、来年1月20日に何代目の大統領になる?
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第44代
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/11/05/003887.php