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http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnTK826987420081029
〔アングル〕新興国の危機拡大でユーロ一段安の恐れ、09年初頭にも対ドルで等価の可能性 (ロイター)
[ニューヨーク 28日 ロイター]
外国為替市場で対ドルでのユーロ下落が続いている。
新興市場国への金融危機の悪影響が一段と深刻になると、これらの市場に多額の融資をしている欧州系銀行が打撃を受けるためユーロが一段安となり、来年早々にも対ドルで等価水準になるとの見方がでている。
ユーロは7月半ばに1ユーロ=1.6000ドルを突破し史上最高値を更新したが、その後は金融危機の影響によるユーロ圏経済の成長鈍化を背景にユーロ安が進み、今月28日には対ドルで2年半ぶりの安値をつけた。最高値からは22%下落したことになる。
金融危機の影響は先進国に留まらず、これまで今回の危機の影響は軽微とみられていた新興国でもリスク許容度の低下に伴い資金の逃避が起こり、東欧、中南米やアジアなどで株価と通貨が急落している。欧州の銀行はここ10年で新興国市場で積極的に融資してきており、ここにきて損失拡大懸念が増大している。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)で外為ストラテジー・チームを率いるマーク・チャンドラー氏は「新興国市場への総額4兆7000億ドルの海外からの融資残高のうち、4分の3は欧州の銀行によるものだ」と指摘。
「欧州各国は米国が無責任だったために今回の危機が起こったと米国を槍玉に上げているが、欧州でも自分たちの責任で起こった危機が足元で頭をもたげている。しかも欧州発の危機は、米国発のサブプライム危機よりも深刻な影響を及ぼす恐れがある」と警告する。
こうしたなか、HSBCホールディングス(HSBA.L: 株価, 企業情報, レポート)(0005.HK: 株価, 企業情報, レポート)、BNPパリバ(BNPP.PA: 株価, 企業情報, レポート)、ソシエテ・ジェネラル(SOGN.PA: 株価, 企業情報, レポート)など欧州の大手金融機関の株価が急落。
新興国市場のなかでも特に中・東欧での事業拡大があだとなっている。
既に欧州各国政府は金融機関の国有化や公的資本注入などの救済策を実施し金融システム安定化に努めているが、欧州経済のリセッション(景気後退)入り回避には不十分との声が上がっている。
ニューヨーク駐在のBNPパリバの外為ストラテジスト、セバスチャン・ギャリー氏は、信用危機の東欧諸国への波及に伴う金融・経済への悪影響がユーロのダウンサイドリスクとして存在し続けるため「2009年初めにも(ユーロは対ドルで)等価となる可能性がある」と述べた。
<新興国危機はユーロ圏と英国系銀行に影響大>
モルガン・スタンレー(ロンドン)で外為リサーチ・チームを率いるスティーブン・ジェン氏によると、ユーロ圏と英国の銀行の新興国市場へのエクスポージャーは、米国や日本の銀行の約5倍に達している。
Mスタンレーが国際決済銀行(BIS)の資料を基に作成したリポートによると、新興国市場へのエクスポージャーの対国内総生産(GDP)比は、ユーロ圏で21%、英国で24%で、米国の4%や日本の5%に比べ格段に高い。
ジェン氏は「新興国市場は、世界金融危機の第2の震源地となり得る。その影響をもっとも手ひどく受けるのはユーロ圏諸国と英国だ」と指摘。
さらに「新興国市場は非常にぜい弱だ。国際通貨基金(IMF)が大規模な支援策を打ち出さない限り、悪化の度合いは新興国がこれまで経験したことのないほどのものとなる恐れがある」と述べた。
アナリストの間で特に恐れられているのが、欧州の銀行のエクスポージャーが最も多い東欧諸国の経済破たんだ。東欧諸国の消費者は金利が自国通貨よりも低い外貨建てでローンを組むことが多いため、自国通貨の価値が急落した現在、多額のローンが焦げ付く恐れが高まっている。
GFTフォレックス(ニューヨーク)の外為リサーチ・ディレクターのキャシー・リエン氏は「新興国では多くの人々がユーロまたはスイスフラン建てでローンを組んでいる。自国通貨の下落でローン返済額が増大し返済不能に陥った場合、ユーロに悪影響が及ぶのは避けられない」と述べた。
(Wanfeng Zhou記者;翻訳 広神綾子)
(ayako.hirokami@thomsonreuters.com; 03-6441-1776; ロイターメッセージング:ayako.hirokami.reuters.com@reuters.net)
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(コメント)
どうやら、米ドルとユーロ間の機軸通貨を巡る争いは米ドルの勝ちで決着となりそうです。
ユーロはこれで少なくとも10年は基軸通貨の地位を得る事は難しくなったと思われます。
ちなみにユーロ建て国債の購入は米ドルに比べるとユーロ安が見込まれる現在の局面では圧倒的に不利です。
ドル高が見込まれる現在の局面では米国債による資金調達は巷で言われている程難しくはありません。(その訳は別途説明するつもりです。)