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http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20081024/175058/
ドイツのメルケル首相は、親ロシア派として知られるわけではないが、10月2日にサンクトペテルブルクで開催されたロシアのメドベージェフ大統領との会談には、それは穏やかな態度で臨んだ。ロシアのグルジア侵攻は「適切ではない」としつつもそれ以上の言及は避け、ネヴァ川に浮かぶ船上での長時間の大統領晩餐会を楽しんだ。
メルケル首相が友好的態度に急遽路線変更したのは、ドイツとロシアの複雑に絡み合った経済の表れと言える。
高級車から機械、食品に至るまで約4600のドイツ企業がロシアに進出、7万人の雇用がロシアビジネスに依存している。ドイツはロシアの最大貿易相手国で、今年上半期の2国間の貿易額は450億ドルに上る。メルケル首相に同行した25人のドイツ産業界代表が、グルジア侵攻の件を水に流し、ロシア企業との契約を進めたいと考えていたとしても不思議はない。
中でも最大の狙いは、独エネルギー大手エーオンによる、ロシア国営ガス会社ガスプロムがシベリアに所有する巨大な天然ガス田権益の25%取得だ。デュッセルドルフに本社を置くエーオンは数年越しの交渉の末、54億ドルでガスプロムの株3%取得にこぎ着けた。
メルケル首相のロシアに対する論調は、社会民主党所属のシュローダー前首相(プーチン首相の友人で、現在はガスプロムに在籍)よりおおむね厳しい。だがドイツの業界団体は、自国企業のロシアへの依存ぶりをメルケル首相が忘れないよう働きかけている。
「ドイツ政府にアドバイスできることは何でもやる」とダイムラーの前役員で、ドイツ産業連盟東欧委員長のクラウス・マンゴールド氏は語る。実際、メルケル首相は独露間の経済協力に影響するようなことは口にせず、メドベージェフ大統領をはじめとする聴衆を前に「経済協力は両国に利益をもたらすものだ」と述べた。ドイツはロシアから実に天然ガスの36%、石油の32%を輸入している。
欧州や米国との貿易が伸び悩む中、ドイツが世界経済の混乱に巻き込まれずにいられるのは、ロシアでの爆発的需要拡大のおかげだ。機械産業の対ロシア輸出高は2007年、2000年の5倍に拡大し、88億ドルを記録。今年7月末時点の対ロシア貿易額は前年同期比29%増の640億ドルに達した。一方、米国への機械輸出は2007年は99億ドルにとどまった。「今やロシアは米国を補う以上の存在だ」とドイツ機械工業連盟のチーフエコノミスト、ラルフ・ヴィーヒャー氏は言う。
ドイツの財界人によれば、対ロシア貿易の伸びは最近減速傾向にあるものの、依然高いという。「息切れはしていないが、この調子は続かないだろう」とドイツのプラスチックメーカーで、モスクワとノボシビルスクに工場を持つフェカのCEO(最高経営責任者)、アンドレアス・ハートリーフ氏は語る。
ドイツの輸出企業はのんびりはしていない。ドイツの自動車メーカーにとって、ドル安で伸び悩む米国での売り上げを補う意味でもロシアは重要な市場だ。ロシアの新富裕層は、メルセデスやポルシェに乗りたがるだけでなく、全般的に高額品を好む傾向がある。
ダイムラーは、メルセデス部門の第2四半期の営業利益が何とか1%増加した理由の1つにロシアを挙げている。BMWのブランドチーフ、フレデリック・アイヒナー氏も、「米国での売り上げはロシアの10倍だが、それでもロシアはうまみのある市場だ」と語る。
ドイツの輸出に占めるロシアはわずか約3%だが、多くの企業にとっては成長が期待される数少ない市場の1つ。フランクフルトのBHF銀行のエコノミスト、ガード・ハッセル氏は言う。「ロシアに景気後退が訪れた時がドイツの正念場だ」。
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ドイツ メルケル首相がアメリカとイギリスに対して不快感を愚痴る【フィナンシャルタイムズ】08/9/22
http://www.asyura2.com/08/hasan58/msg/402.html
コメント
この辺からも、EU諸国のアメリカ・イスラエル離れが見えますね。