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金融崩壊・農産物の価格低下
http://jp.rian.ru/analytics/politics/20081027/117957617.html
ヴラッド・グリンケヴィチ、ロシア・ノーボスチ通信社、経済解説員。
今回の金融危機が食糧品市場にどのような影響を与えるかと言う質問に関心を持たない人を見つけ出すのは難しいだろう。そして、金融危機の震撼が始まる前はロシアの食糧品価格状況はあまり良くなかった。2008年通年では、最少食品一揃いは30%あるいはそれ以上値上リするだろう。現在はと言えば、借入者と貸出者との間で信頼関係が喪失しており、小売業者は資金の流動性が欠如し、そのことは幾つかの食品店舗では商品を十分に揃えることが出来なくなっている。苦い経験をした市民は、もっと悪い状況、つまり新たな価格の上昇、あるいは、品不足の時代に戻ること、に備えている。しかし、政府は、食品供給が途絶えたり価格が上昇することはないと国民に断言している。
パニックの原因は実際にはない。今年の主要作物の収穫は好調だ。ロススタット(ロシア統計局)は、2008年10月1日現在、ロシアの農民は昨年より3,5-4%多く野菜を収穫した。穀物の収穫に至っては記録的数値を達成した。脱穀量は104万7000トンで前年比で28,4%増だ。専門家は、この収穫は、少なくとも、粉類製品、さらには肉の価格の70-80%までを占める家畜の飼料の基礎を成す穀物、の価格上昇、つまり、畜産製品の異常な価格上昇を引き起こす原因になる要素、は起こらないことを保証していると確信している。
農産品メーカーと販売業者の最も大きな問題は、流動資金が欠如するという危機があることだ。多くの銀行は農産企業に融資することを止めた。負債で働いている小売業にもやはり借入の返済資金はない。つまり、店舗所有者に残された方法は、自己破産するか或は一時的に生産者に負担を転嫁した。つまり、生産者へ支払いを延長する期日を1ヶ月から2-3ヶ月に伸ばすかである。
自分だけの力では、生産者も小売業者も対処できない。大収穫は大地主にとって全く収益の増加にならず、作り過ぎによる生産増となり、大幅な価格の下落、その値段で売ったら全く収益にならない価格、となって跳ね返って来る。飼料用穀物の価格はすでに原価以下になっており、昨年は第4級の小麦は1トン当たり7500ルーブル(約33000円)で売られていたのが現在は4000ルーブルを少し超える値段になっている。世界市場では、状況は良くない。主要生産国もやはり大収穫だった。そして農産物は余剰になった。しかし、我々の農民にとって、低価格の問題は特有のロシアの弱点により「味付け」されている。弱いインフラ、つまり、ロシアには輸出しようと計画している穀物量をこなせる海底の深い港は少なく(今年は最大2500万トンの穀物を輸出する計画である)、穀物搬出装置や鉄道車両も不足している。それに、大収穫を保管する場所もなく、大型穀物倉庫の不足により、400万トンの穀物が損失になる可能性がある。
農民は、政府の援助に期待している。農業発展国民プロジェクトの基礎になっている投資プロジェクトの実現のために、農業セクターに最大9000億ルーブル(約3兆9000億円)の再融資が必要である。生産者は政府が、2009年度として申請された融資額を銀行が融資してくれるように銀行と交渉するよう依頼している。第一副首相のヴィクトル・ズブコフは、収穫は現在上昇基調にあるからには、銀行は農業部門への融資継続に関心を持っているとの表明を急いだ。しかし、どうやら、特別に創設された危機回避作業グループに入っている銀行マンたちの考えは違う。今回の金融危機による停滞を理由にプロジェクトの1部をストップし、彼らの観点から見た優先方向に集中したいと考えている。
農業問題の1つを政府は、請け負う用意がある。首相のウラジミール・プーチンは国家は、燃料価格の上昇の補償として農民に100億ルーブルを融資し、先週末にはヴィクトル・ズブコフの仲裁で、ロシア肥料生産者協会とロシア農産業同盟が、農産業界に長期に肥料を供給する旨の合意書に調印した。肥料メーカーは、2012年まで肥料の供給を拡張するだけでなく、半年に1回前倒しで宣告することも約束した。
約束と言えば政府も、食品小売業者への支援を約束した。「ズベルバンク(貯蓄銀行)」と「ヴネシトルグバンク」に負債の再融資を含め、小売網業者に支援するよう指示が出された。しかし、小売業者自身が断言するには、銀行マンはこの支持はあまり歓迎していない。小売業者の困難は、今のところ消費者にとっては好都合だ。なぜなら小売業者は、資金の流動性の問題を、商品の流通を迅速化させるために価格を下げること、たとえ今のところはそれが微々たるものであっても、で解決しているからだ。つまり価格が下がることは消費者にとっては良いことだ。