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選挙のために犠牲になりつつある日本の財政(KlugView)
2008/10/23 (木) 18:30
新聞報道によると、本日(10月23日)夜に、自民党と公明党は、追加経済対策(生活対策)の骨格をまとめ、麻生太郎首相に報告する予定です。対策は、(1)生活者の暮らしの安全、(2)金融・経済の安定強化、(3)地方の底力の発揮の3分野で構成されるようです。
今回の経済対策の目玉の1つは、2兆円規模とウワサされる定率減税など所得補填です。単に定率減税を実施するだけでなく、課税最低限以下の年収しかないため、定率減税の恩恵を受けられない方を対象に臨時福祉特別給付も支給すると見込まれています。
中小企業対策としては、法人税率の時限的な引き下げが盛り込まれるようです。具体的には、中小企業の所得金額について、年800万円まで22%(本則30%)に軽減している法人税率を、時限的にさらに引き下げることを検討しているようです。また、中小企業の資金繰り支援のため、信用保証枠を拡大するほか、赤字になった企業が過去に納めた法人税を還付する制度の拡充も盛り込まれる見通しです。
この他にも、今回の経済対策では、現行の証券優遇税制の延長、海外子会社利益の国内還流税制、住宅ローン減税の延長・拡充など、最近ではあまりみかけなくなったものまで数多く採用される見通しです。一部報道によると、こうした対策を全て実施した場合、国が直接支払う支出額(真水)は、5兆円規模に達する見込みです。
報道によると、今回の経済対策の財源は、財政投融資特別会計の準備金など、いわゆる「埋蔵金」を活用し、赤字国債は極力依存しない方針です。ただ、財源が何であれ、国の財政支出が5兆円増えるのに変わりはなく、ただでさえ拡大方向にある財政赤字は、さらに拡大することになります。
5兆円という規模は、身近なものでないだけに、財政が悪化するといっても、その幅はさほど大きくないと思われる方もいらっしゃるようです。ただ、今年度(平成20年度)予算によると、いわゆる税収は53.5兆円しかありません。言い換えると、今回の経済対策は、政府の年収(税収)の1割近くを投じるということです。年収500万円の方が、一気に50万円の買い物をするのと、感覚としては似ていることになります。
麻生首相は、衆院選準備の支出増大で苦しんでいる若手議員に、「借金は増えるが、その分、選挙は強くなる」と語ったと報道されています。麻生首相が語った「借金」とは、この場合、選挙準備をしている若手議員が負う借金を意味しているのでしょう。しかし、若手議員の借金ではなく、国の借金であったとしても、意味は通ります。「国の借金は増えるが、その分、与党の選挙は強くなる」となるわけです。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
平成20年度の予算によると
税収はどれくらいが見込まれている?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
53.5兆円
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/10/23/003828.php