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東欧襲う通貨危機
海外マネー 引き揚げ加速
【ロンドン=是枝智】急速な経済成長で世界経済を支えてきた東欧諸国に金融危機の波が押し寄せている。安価な労働力を求めて海外企業が工場を建設し、有力な消費市場としても期待されてきた東欧から、海外投資家が投資マネーを引き揚げる動きが広がっているためだ。各国通貨は、ドルやユーロに対して売り込まれ、通貨危機の様相を呈している。株価も急落し、事態は深刻さを増している。
◇緊急利上げ
ハンガリーの中央銀行は22日、通貨フォリントの暴落に歯止めをかけるため、3%の大幅な緊急利上げを決めた。政策金利は年11・5%に高まる。通貨危機を何とか回避しようと金融当局は必死に防戦している。
ハンガリーでは、金利の安い外国通貨建て住宅ローンが人気を集めてきたが、フォリントはこの3か月で対ユーロで2割以上も急落した。ローンの返済は外貨で行うため、フォリントの下落は負担額に直結する。今後、返済できない人が急増する恐れがあるとして一部銀行は外貨建て住宅ローンの取り扱いを中止した。
鉄鋼業などで成長してきたウクライナでも22日、チモシェンコ首相が自国の金融システムを守るため、金融機関への公的資金注入を検討すると表明した。来週までに国際通貨基金(IMF)から緊急融資を受けたい考えだ。
◇株価低迷
旧共産圏の東欧諸国やウクライナに共通するのは、海外から資金を呼び込み、成長を遂げてきた点だ。
西欧やロシアとの交通の便も良いため、安い労働力を求め、世界の企業が工場建設などを進めてきた。特に、2004年に欧州連合(EU)に加盟したポーランド、チェコ、ハンガリーへの投資は急増し、日本の自動車や電機メーカーなどの拠点は、欧州では英独仏に次いで多い。海外投資家も成長を見込んで東欧企業の株式を買い増していった。
しかし、貿易面で関係が深いドイツ、イタリア、ロシアなどの経済減速が鮮明になり、東欧諸国にも暗雲が漂い始めた。海外投資家が、保有する東欧株を07年末ごろから売却し始めた。
この結果、各国の株価指数は、ポーランド、チェコ、ハンガリーでは今年初めからほぼ半値に落ち込んだ。
(2008年10月23日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20081023mh02.htm?from=nwla