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米国がアイスランドのように債務の利払いで困らない理由(KlugView)
2008/10/21 (火) 22:33
共同通信や日本経済新聞の報道によると、アイスランドの最大手銀行であるカウプシング銀行は、2006年10月に発行した円建て外債(サムライ債)で、利払いの遅延が発生したようです。利払い日は10月20日ですが、元利払いの事務代理人である三井住友銀行が、利払いがないことを確認しています。猶予期限である10月27日を過ぎても利払いがなければ、サムライ債は、債務不履行(デフォルト)に該当します。
10月初旬、アイスランドでは、世界的な金融危機をきっかけに、大手銀行であるグリトニル銀行、ランズバンキ銀行が国有化され、アイスランドの通貨であるクローナは急落しました。アイスランド政府は、クローナの急落を防ぐため、ユーロとの通貨ペッグ制の導入も発表しましたが、すぐに白紙撤回しています。
アイスランド最大手銀行であるカウプシング銀行が、10月9日に国有化されると、クローナは、1ユーロ=300クローナ以上で取引されるようになります。ペッグ制導入案で想定していた為替レートは、1ユーロ=131クローナでしたから、クローナがいかに大きく下落したかがわかります。
現時点では、カウプシング銀行から正式な発表はないものの、カウプシング銀行のサムライ債が利払い遅延となった大きな理由は、自国通貨であるクローナが大幅に下落したためと思われます。自国通貨が下落した場合、外貨建て(サムライ債の場合は円建て)債務の利払いや元本は、自国通貨建てで大きく増加します。先にご紹介したように、ペッグ制導入案で想定していた為替レートが、1ユーロ=131クローナなのに、実勢レートが1ユーロ=300クローナ以上となってしまえば、たとえアイスランド最大手銀行であっても、利払いが遅延するのは無理もないことのように思えます。
他国から多額の資金を借りている国として有名なのが米国です。しかし、米国の場合、アイスランドのような危機は当分、発生しないのでしょう。なぜなら、米国の場合、自国通貨であるドルは、世界の基軸通貨だからです。米国は外貨建てにしなくても、基軸通貨であり自国通貨でもあるドルで、他国からお金を借りることができるのです。米国は、今まさに基軸通貨国の恩恵を受けているといえます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
アイスランドが自国通貨であるクローナを
ユーロとペッグしようとした際に発表された
為替レートはどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
1ユーロ=131クローナ
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/10/21/003813.php