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http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/index.asp?syasetsuNo=1590
株価急反発 「鎮痛剤」が効いただけだ
先週末大暴落した各国の株式市場が一転急反発、東京市場の上昇率は史上最大の14・15%に達した。
先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の金融危機対策や欧州各国の公的資金注入策などに対して市場は歓呼の声で応えたといえよう。しかし、休日を挟んで二〇〇〇円もの幅で上下するのは尋常ではない。
ジェットコースターさながらの値動きは一般の投資家を寄せ付けない乱暴な相場である。金融サイドの手当てはようやく緒に就いたものの、実体経済の改善策はこれからが正念場だ。
瀕死(ひんし)の状態に陥っていた市場が、G7をはじめとする国際協調支援というカンフル剤で息をついたにすぎない。景気刺激策など二の矢、三の矢を的確に放つ必要がある。市場はまだ集中治療室での管理を要する。
十三日のニューヨーク市場が史上最大の上げ幅となったのは、G7の行動計画を評価すると同時に米政府独自の金融対策を促した側面も見て取れる。
市場にせかされるように米政府は、緊急経済安定化法に基づいて、大手金融機関への公的資金注入を柱とする具体策を公表した。遅ればせではあるが、歓迎したい。金融不安の「震源地」として当然の措置でもある。
米金融当局は発動した空売り規制を中途半端な局面で解除して株の暴落を招くなど対策の遅れや、ちぐはぐぶりが目立った。今度こそ手を抜かずきちんとやり遂げてほしい。
市場が底抜けする最悪の状態は脱したかに見える。だが、楽観は禁物だ。米金融機関の七−九月期の決算が今週相次いで発表される。数字いかんによっては米政府によるさらなる資本注入が求められることになろう。
金融不安による市場の動揺で実体経済は予想以上に傷んでいる。米自動車大手が軒並み苦境に陥っているほか、住宅価格の下落も止まらない。米国の不調は自動車をはじめとする日本の輸出にも急ブレーキを掛けている。雇用などへの影響も懸念される事態だ。
市場が実体経済を振り回す悪循環からどう脱するかが問われている。空売り規制などでは、各国が足並みをそろえる必要がある。
一方で、株価の乱高下対策が「何でもあり」状態になっては、かえって投資家などの不信感を増幅させることになりかねない。国際会計基準審議会(IASB)が、有価証券などを時価で評価する会計基準の緩和を決めたことなどがそれである。
ルールに問題があるのなら正面から論議して改正すべきだろう。会計基準緩和が不良債権処理の先送りにつながるようでは何のための公的資金注入か、ということになる。
[新潟日報10月15日(水)]