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こういう状況だからこそ期待したい日本経済が世界をリードする展開(KlugView)
2008/10/14 (火) 20:01
米大手投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけとした、いわゆる金融危機が始まって、早いもので1ヵ月が過ぎようとしています。リーマン・ブラザーズが破綻した当初(9月15日)は、投資銀行と呼ばれる金融機関に限定した出来事のようにも思われていましたが、今では欧米の商業銀行の多くに資本注入が必要なほど、金融危機の影響が広範囲に広がっています。
投資銀行が手がけたM&Aや証券化といった業務は、あくまで手数料ビジネスであり、投資銀行の事業が立ち行かなくなったとしても、金融以外の業界(実体経済)の根幹が揺らぐわけではありません。しかし商業銀行で構成される銀行システムは、経済にとって血液の役割を果たすお金(マネー)の循環を司るだけに、銀行システムに不安があると、実体経済にも悪影響が広がります。
欧米での銀行システム不安が、すぐさま解消に向かうように見えないこともあり、欧米の景気は、しばらくは停滞すると考える見方が強まっています。今のところ、日本のマスメディアは、欧米の銀行システム不安に注目を集めていますが、しばらくすると実体経済の悪化が目立つようになり、日本でも欧米景気の停滞が意識されるのだろうと思われます。
幸か不幸か、欧米に比べ日本の銀行システムは安定していることもあって、日本の景気が、欧米と同じ図式で悪化することはないように思えます。しかし、日本の景気拡大が外需主導だっただけに、欧米景気が停滞(ないしは悪化)することで、日本の景気も悪化すると考える方は多いかもしれません。
こうした考え方を否定するつもりはありませんが、欧米各国が景気低迷で苦しむ(であろう)状況の中、日本経済がそれなりに成長を遂げ、世界において存在感を高めることを期待しても良い気がしています。
日本経済が成長する上でポイントとなるのは個人消費です。年金制度に対する不信感の高まりや、いわゆる格差社会の蔓延などで消費マインドの悪化が指摘されていますが、それ以外の点で、日本の個人消費を取り巻く環境が、マスメディアで喧伝されているほど悪いものではないのも事実です。
今回の金融危機を背景とした世界的な株安で、日本株も大きく下落しましたが、家計の金融資産の多くは依然として預貯金です。先に述べたように日本の銀行システムは安定的であり、預貯金が封鎖されるような事態は想像できません。また、株価下落による逆資産効果は、他国ほど大きなものではないといえ、大きく溜め込んだ預貯金は、個人消費を拡大させる潜在能力を秘めています。
消費者物価指数は、足元で2%以上の伸びを示していますが、原油価格の下落や円高の進展で、今後、物価の伸びは再び弱まると思われます。これまで物価上昇が個人消費を抑制していた面がありましたが、物価の伸びが弱まることで個人消費が刺激される展開はありえます。
もちろん、日本の景気減速が長引き、企業収益の悪化を通じて雇用者報酬(給料)が低下する展開は否定できません。ただ、日本で金融危機が起きた10年前と異なり、日本企業の財務リストラは大きく進展しており、景気が弱含むことで、すぐさま従業員がリストラされる状況にあるわけではありません。仮に従業員をリストラする姿勢が依然として強いのであれば、日本企業の多くが(これまでの分を取り戻すかのように)新卒採用を積極化させることはなかったと思われます。
10年以上もの長きに渡り日本の経済成長が他国を下回る状況が続いただけに、日本経済が世界をリードすることを想像することに違和感を抱く方もいらっしゃるかもしれません。しかし、つい数ヶ月前まで、欧米において金融危機が生ずると考えることに違和感を抱く方が多かったことも事実です。日本だけがいつまでも同じ立場にいると考えなくても良いような気がしています。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
米大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが破綻したのは
何月何日?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
9月15日
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/10/14/003775.php