★阿修羅♪ > 国家破産58 > 927.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu177.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
アメリカもイギリスも、日本以外の欧米の銀行は、もう「日本の銀行
のビジネスモデル」を見習うしか、他に「出口」がないように思う。
2008年10月13日 月曜日
◆日米株価暴落と公的資金投入のあり方 10月10日 植草一秀
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-ef42.html
株価暴落が止まらない。先の見えない不安心理が株式売却を加速させている。10月3日に米国議会は7000億ドル(約70兆円)の公的資金投入を柱とする金融安定化法を成立させた。10月8日には、世界の10の中央銀行が同時金利引き下げを実施した。英国政府は10月8日に、最大500億ポンド(約9兆円)の公的資金を銀行の資本を増強するために注入する方針を発表した。
米国政策当局がこれまでに提示した公的資金投入金額は1兆ドル(約100兆円)を突破している。それにもかかわらず、金融市場は安定を取り戻していない。NYダウは10月9日、前日比678ドル安の8579ドルに下落した。2003年5月以来、5年5ヵ月ぶりの安値を記録した。
日経平均株価は10月10日、前日比881円安の8276円まで下落した。日経平均株価も2003年5月以来、5年5ヵ月ぶりの安値を記録した。日経平均株価のバブル崩壊後最安値は2003年4月28日の7607円だが、この水準が視界に入ってきた。
問題の震源地は米国で、発端は不動産価格下落である。米国の住宅価格はS&Pケース・シラー住宅価格指に従うと、全米主要10都市の場合、1994年2月から上昇が始まり、2006年6月までにちょうど3倍になった。2000年1月を起点とすると、2006年6月までに2.26倍になった。
2006年から住宅価格は下落に転じたが、本年7月までの下落率は21.1%である。金融危機が広がって、大混乱が生じているから、不動産価格が半値、3分の1、10分の1に下落したのかと考えてしまうが、下落率はわずかに21%にすぎないのだ。
サブプライムローン残高は1.3兆ドル(約130兆円)だったから、住宅を最高値の2006年6月にすべて購入したとしても、26兆円の損失しか生まれない。住宅購入の時期はばらけているから、130兆円の評価損は限定される。
日本の1990年代では、3倍に上昇した資産価格が元の水準以下に暴落して、大混乱が生じた。200兆円融資して購入した資産の時価評価が50兆円程度になり、150兆円規模の損失処理が必要になった。その過程で、金融機関の破綻が広がった。
この日本の事例を念頭に入れたのでは、米国の金融危機は説明できない。謎を解く鍵は「レバレッジ=てこ」なのだ。「デリバティブ」と呼ばれる金融派生商品の世界が際限なく広がった。その機能を一言で説明すると、「少額の投資資金で巨額の金融取引が可能になる」ということだ。債券先物取引の例で示すと、証拠金比率1%での取引を認めると、投資家は100万円の元本で、1億円の債券を買うことができる。額面100円の債券価格が1円変動すると、100万円の損益が生まれる。100万円の元手が1日で倍になったり、ゼロになったりする。
金融工学と表現すると聞こえが良いが、金融市場が「カジノ」になったのだ。デリバティブを扱う金融マンは億円単位の高額報酬を獲得した。破綻したリーマンブラザーズの最高経営責任者は2000年以降に494億円もの報酬を得ていた。
「市場原理主義」の終着点は「カジノ経済」だったのだ。26兆円の損失が100倍に拡大されれば、2600兆円になる。最終的な損失金額は不明であるが、100兆円の公的資金では、問題処理には程遠いことを認識しなければならない。
日本の政府関係者が、日本の経験を元に、金融機関への資本注入を提言するべきだなどと発言しているが、問題の本質をまったく理解していないと思わざるを得ない。米国の不動産価格は2割下落したが、理論価格=長期のトレンド上の価格に回帰するには、さらに2割から3割程度の下落が必要である。不動産価格調整はまだ4合目に差しかかったところだ。
この意味で、今回の金融危機に対しては、強い警戒感をもって対処する必要がある。デリバティブの想定元本の全体を把握し、最大で損失がどこまで膨張するかを予測し、その予測に見合う対応策を検討しなければならないのだ。
デリバティブ金融の想定元本は600兆ドルに達すると見られている。6京円の想定元本の1%が損失になるとしても、6兆ドル(約600兆円)の資金が必要になる。手元にはデータがないから、確かな推計はできないが、問題が途方もなく大きなものに膨れ上がってしまっている可能性は低くない。
サブプライム危機で常に取り上げられるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)と呼ばれる、債務保証を商品化した金融商品だけでも、その残高は60兆ドルに達すると見られている。「市場原理主義」=「新自由主義」=「自由放任主義」は、取り返しのつかない「過ち」を犯してしまったのかも知れない。(後略)
◆日本経済を後追いする欧米。(今は世界規模でのLTCM破綻!) 10月11日 貞子ちゃんの連れ連れ日記
http://diary.jp.aol.com/uvsmfn2xc/1152.html
(前略)
「金融工学」といった、一見先端を走っているかのように見受けられる新技術を駆使する頭脳集団によるヘッジファンドということで、LTCMは多くの幻想をふりまきながら、設立当初は世界中から崇拝者を集めていた。しかしながら、ロシア通貨危機といった想定外のリスクが起きたことが引き金になって、急速に破たんしてゆく。
このとき、破たん処理をしたのが、前FRC議長のグリーンスパンと、ゴールドマンサックス出身のルービン前財務長官だ。
このとき、LTCMは、およそ1,400億ドルとも1,500億ドルとも指摘される資金を運用していた。そして、LTCMの1998年の穏やかな破たん処理で必要になった救済額は、その運用金額のおよそ0.25%弱に当たる35億ドルだった。
その後、ルービンは、なぜか、LTCMの破たん処理に懲りることなく、とりあえず、「強いドル」を標ぼうして、世界中からお金をアメリカにかき集めて、アメリカを「巨大な国家ぐるみのヘッジファンド国家」へと脱皮させてゆく下地を創り上げてゆく。
今起きているのは、「巨大なヘッジファンド国家の破たん」、あるいは「欧米型投資銀行のビジネスモデルの破たん」の始まりなのだ。
言い換えたら、「世界中からお金を借金してまでかき集めて、小さな小さな市場のゆらぎに思いっきりレバレッジを掛けて、「より大きな利ざや」を稼ぎ、世界から集めた借金の金利を返済しながら、自社・自国をも大いに繁栄させてゆこう」とする「国家規模での巨大な実験:ヘッジファンド国家」の「終わりの始まり」が、今現在の世界中の株式市場の大暴落として、現れているのだ。(中略)
結論から言えば、アメリカもイギリスも、日本以外の欧米の銀行は、もう「日本の都市銀行・地方銀行のビジネスモデル」を見習うしか、他に「出口」がないように思う。
言い換えたら、彼ら欧米の投資銀行あるいは商業銀行も、自国の政府に大量の国債を発行してもらって、その大量に発行した国債を彼ら欧米の銀行が大量に買い支えなければ、自分たちも生き延びられないように思う。
実際、欧米の銀行への資本注入は、今後数年間だらだら続くのではないだろうか。
なぜなら、アメリカをはじめヨーロッパも、今後は金融機関を救うために、多くの国債をだらだらだらだら発行しなければならなくなるからだ。
欧米型の投資銀行モデルは、いまや、世界中から嫌われているから、欧米の国債を今から買ってやろうという気の良い国は、世界広しといえどもそれほど沢山いるわけではない。日本と中国とアラブ穏健派の国々くらいだ。
さらに、これら三国でも、外貨準備の合計は、今まででも、数兆億ドル(数百兆円)規模なわけで、とうてい、欧米型投資銀行モデルの大失態の「ツケ」である1,500兆円以上の欧米国債を今後も買い支えるには、この三国だけでが、あまりにも「焼け石に水」だ。
もう、話は決まりじゃないでしょうか???
今後は、アメリカやイギリスやEUでは、投資銀行や投資銀行もどきのことをしていた商業銀行たちは、「日本の銀行並に、いや、日本の銀行並み以上に、自分たちを救うために国家が発行してくれる国債を大量に買い支え続けるだけの金融機関に成り下がる」という「出口」し見えないのだ。
話(結論と処方箋)はいたって簡単だったのですが、こんな現状(結論と処方箋)を、あの誇り高き彼らアングロサクソンやユダヤ系の人々がすぐに受け入れらるのだろうか・・・・。
でも、それ(現実を受け入れること)が嫌なら、彼ら欧米人は、どんなエリートでも、すべからく富める者も貧しき者も、全員、1〜2年ほど、無給で今まで通り働かなければならない。あるいは、いかなる資産家でも、欧米人は、すべての資産を没収されなければならなくなる。
あるいは、この「日本型銀行ビジネスモデル」を彼らが受け入れてくれないと、大惨事、もとい第三次世界大戦が始まってしまうかもしれない・・・。(中略)
ここで再び「資本主義2.0」でも明快に記されているのが、「日本の転倒性」。
「日本の転倒性」とは、私も幾度かこのブログで紹介しましたが、「日本の資本主義が世界でいちばん先端を走っている」ということを意味しています。
水野和夫氏は、「資本主義2.0」で、大変分かりやすい言葉で、この「日本の転倒性」を詳述してくださっています。
「『日本の転倒性』とは、日本経済は戦後一丸となって、欧米に追い付け追い越せと頑張っていたら、あっという間に、彼らをぶっちぎって、あっという間に日本経済が世界経済の先頭を走るようになっていた。けれども、自国の経済が先頭を走っているとの自覚が日本には無かったから、いつまでたっても、日本は、日本の後ろを追いかけている欧米のマネをしようとしてしまった。まるで、『先頭を走る車のドライバー(←日本)』が、どうやってもっと上手に走ろうかと迷って、バックミラーに映っている「後ろから追いかけて来る車のドライバー」(←欧米)の姿を参考にして、走行・迷走している」ことを指しています。
この「日本の転倒性」を理解したら、今後のアメリカ発金融危機が、どのように処理されてゆくべきかが、なんとはなしに仮説としては、あるいは、たいていの人が納得するシナリオとしては、当たらずとも遠からずの図星が出てくるのではないでしょうか。
欧米が、「既に利ざやが極端なまでに薄くなってしまった先進国の経済は、やがては国債をばかすか発行して、金融機関はその国の国債を買い支える役目しか残っていないという『日本型金融ビジネスモデル』」に気がつくこと。言い換えたら、欧米が、「日本型斜陽国家の運命」を諦めて受け入れて、この「日本型金融ビジネスモデル」に追随してくれるまでは、まだまだ、内外の株式市場の大荒れが続くのではないでしょうか・・・。
(私のコメント)
アメリカの投資銀行やヘッジファンドや「金融工学」というのは、ローリスク・ハイリターンの投資法ということですが、毎年のように20%から30%の利回りを稼ぎ出すヘッジファンドはまさに魔法使いのようでしたが、株式投資をやってきた人なら分かるのですが100戦99勝1敗でも1敗でもって致命的打撃を負ってしまうものだ。
上げ相場の時は5年10年と長く続きましが、下げ相場の時は数ヶ月で10分の1になってしまう。気がついたときは手遅れでストップ安が数日続く。私も株を始めたころは株の天才ではないかとうぬぼれた時があり、何円も底値だった株が私が買って3日ほどでストップ高を記録するような事もあった。
私が得意なのは海運株や造船株であり低位株を万株単位で売買して、一回の売買で300万ほど儲けた事もある。最初の頃は金額も小さく思い切った投資で上手く行くことが多かった。その頃は罫線を見て直感的にそろそろ動きそうな予感がするのを買っていた。全く非科学的であり勘だけだ頼りだった。
しかし金額も大きくなり、株式の勉強をすればするほど設ける事は難しくなった。株式新聞や株式雑誌を読みすぎるようになって勘が鈍ってきてダメになったような気がする。株式投資は他人と同じ事をやっていては必ず損をするものであり、自分だけの投資法を確立してやらないと儲からないようだ。
一時は株式ソフトを買って機関投資家のような売買にも挑戦してみましたが、傷口を広げるばかりで株式ソフトもダメだった。デイトレやった人はほとんどの人が失敗したようだ。テレビなどではデイトレで数十億円儲けた人が出てきましたが、やはり直感で売買しているようで他の人にはまねの出来ない方法だ。
ヘッジファンドも売りと買いを組み合わせた投資法で、いわゆる鞘取りであり比較的確実な投資法なのですが、レバレッジを効かせて大きな利益を稼ぎ出してきた。しかしニューヨーク市場で行なわれたような空売り禁止されたりすると、ヘッジファンドのやり方が出来なくなり株式から撤退せざるを得なくなる。
ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーのような投資銀行は、まさにアメリカの国家戦略とリンクしており、国家ぐるみのインサイダー取引で巨額な利益を上げてきた。ゴールドマンサックスなどからは財務長官などのポストが当てられて、壮大なスケールで持って世界的な投資をする。BRICsなどはゴールドマンサックスの投資戦略ですがアメリカ政府の戦略が無ければ出来ない事だ。
バイオエタノールなどのエネルギー戦略もブッシュ政権が打ち出した政策ですが、その為にトウモロコシをはじめとして食料価格が暴騰して、暴騰した影にはリーマンなどの投資銀行が食料買い占めに動いていた。このようにアメリカの国家戦略を一足先に知って投資をしてきたのだから国家ぐるみのインサイダー取引であり、決して金融工学の勝利ではない。
90年代のITバブルから00年代の住宅バブルなどもアメリカの国家政策によるものであり、投資銀行が世界から投資を集めてIT企業や住宅産業に投資されてきた。しかしITバブルの崩壊も住宅バブルの崩壊も避ける事はできず、投資銀行による国家戦略モデルも破綻し始めた。
バブルも規模が小さければ経済政策で何とかコントロールできるのですが、今回の住宅バブルの崩壊はアメリカ経済をふっ飛ばしかねないほどの破壊力を持っている。植草一秀氏のブログで書かれているように日本の住宅バブル崩壊と様子が異なるようだ。
アメリカの住宅バブル崩壊はまだ20%程度の値下がりであり、日本のような三分の一になってしまうほどの値下がりではまだ無い。アメリカの住宅の値上がりもかなりのものだったから場所によっては半値になってもおかしくはないし、買い手のいない住宅ともなれば銀行が全額損失扱いになる。
日本の住宅バブルも政府の持ち家政策があり、株の世界でも政策に売りなしという言葉があるように、土地神話が出来て値下がりはありえないはずだった。日本でもアメリカでも住宅の値上がりが20年も続くと永久的に続くように錯覚してしまう。
住宅は株式のように空売りが出来ないからヘッジ手段が無い。だからCDSが出来て焦げ付いたら保険金でローンは清算されるはずだった。しかし不動産の証券化で不良なものまで証券としてまぜこぜにされて、サブプライムローンが破綻の相次いで証券そのものが買い手がいなくなってしまった。
精巧緻密に出来た金融工学による金融商品も、思わぬ欠陥があると金融恐慌を引き起こすほどの破壊力があるようだ。90年代のLTCMの破綻も数百万年に一回起きるようの事が起きて破綻したのですが、「貞子ちゃんの連れ連れ日記」」に書かれているように、この時の教訓は生かされなかった。
アメリカは金融を国家戦略にしてきたから、投資銀行に規制をかけることは難しかったのだろう。CDSと言うデリバティブは査定が難しく、欧米の金融機関はそれでどれだけの損失を抱えているのか分からない状態であり、それらを清算して行くにはかなりの年月を要するだろうし、LTCMのように一社だけなら奉加帳を回して清算できますが、今回は欧米の金融機関がデリバティブに嵌ってしまっている。
日本のエコノミストによれば日本の金融機関は一周遅れのランナーだとバカにされてきましたが、バブル崩壊で信用の崩壊の恐ろしさが身についていたからこそ、怪しげな金融商品に手を出すところは少なかった。大和生命が潰れたのは怪しげな金融商品に手を出したからだということですが、欧米の金融機関はみんな大和生命状態なのだ。
アメリカの投資銀行が世界から金を集めて世界に再投資してきましたが、投資銀行が普通の銀行になることによって、今までのような大胆な投資戦略は出来ないだろう。新興国ではアメリカの投資銀行の破綻でドルの手配がつかなくなり、新興国の経済も今までのようなダイナミックさはなくなるだろう。
新興国もアメリカの世界金融に頼りきってきたから、アメリカの投資銀行の消滅はBRICs神話の崩壊でもある。特に中国はゴールドマンサックスなどの役割が大きかった。年間数億円も稼いでいた投資銀行の社員たちは規制によって報酬の制限されて普通の銀行なみの収入になり、人材も他の分野に散っていく事だろう。
銀行とは本来から非常に保守的であり、堅実さが求められている。アメリカの投資銀行やヘッジファンドは時代の仇花であり、年率10%以上の利回り商品は詐欺だと思ったほうがいいだろう。株をやっていれば10%の利益を稼ぐ事がいかに大変か分かるだろう。