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アメリカは困難を伴う金融機関の再建に長期間取り組めるのだろうか?むしろロシアのようなデフォルトして債権を凍結させてしまう
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投稿者 TORA 日時 2008 年 10 月 12 日 15:19:14: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu177.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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アメリカは困難を伴う金融機関の再建に長期間取り組めるのだろうか?
むしろロシアのようなデフォルトして債権を凍結させてしまうかもしれない。

2008年10月12日 日曜日

◆<リーマン>破綻で派生商品9割消滅 10月11日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000101-mai-bus_all

国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)は10日、破綻(はたん)した米証券大手リーマン・ブラザーズを対象にした「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」の清算価格が元本の8.625%に決まったと発表した。総額約4000億ドル(約40兆円)と見られる同社関連のCDSの価値が9割以上吹き飛んだ形で、保有する金融機関などにとっては打撃となりそうだ。

 CDSは企業向け融資や証券化商品が焦げ付いた際に損失を肩代わりする金融派生商品(デリバティブ)で、世界の大手金融機関や投資家の間で取引が急増。ISDAによると、今年6月末時点の取引残高は54兆6000億ドル(5460兆円)に達する。

 統計が未整備のため、リーマン関連のCDSをどの金融機関が、いくら保有するかは明らかになっていない。このため、金融機関同士が疑心暗鬼となり、短期金融市場でお金を借りられなくなる一因になった。また、金融機関が手元資金の確保に動き、保有株式を相次いで売却、株式相場下落を招いていた。

 市場関係者は「清算価格決定で損失額が確定するため、新たに破綻する金融機関が出る可能性がある。その一方、健全な金融機関も明確となり、不安が沈静化する効果もある」と指摘している。【後藤逸郎】


◆Lehman破綻の代償? 10月11日 ウォールストリート日記
http://wallstny.exblog.jp/8740729/

Lehman Brothersが9月半ばに経営危機に陥った際、アメリカ金融当局が下した決断は、「救済なし」でした。巨額の損失を抱えて流動性危機に陥りつつあった同社を、アメリカ政府の保証なしに救済出来る体力のある金融機関は存在せず、158年の歴史を持つ大手投資銀行は、あっさりと破綻に追い込まれました。

巷からは、「モラルハザードを起こさないためにやむを得ない」、「ミスを犯したのだから破綻して当然」という声も聞かれます。しかしLehmanを破綻させたことは、30%以上の株式を従業員が保有し、愛社精神に溢れた社員の多かった同社を解体する結果になったのみならず、世界中の金融市場や経済に、極めて深刻な影響を及ぼすことになってしまったと言える気がします。

WSJの9月29日の記事「Lehman’s Demise Triggered Cash Crunch Around Globe(リーマン破綻が世界中でキャッシュクランチをもたらす」にその話が詳しく書いてあったので、少々触れてみたいと思います。

経営危機に瀕していた同社を救うため、9月半ばの週末に金融当局・業界関係者が集まって救済案を話し合ったことは、周知の通りです。しかし後に明らかになったところによると、Bear Stearnsのケースと比較して、「必要とされる公的資金の額が莫大であった」、「担保が不十分だった」、「破綻しても市場に与える影響が収拾可能と想定された」などの理由から、同社は事実上当局から「見捨てられる」形で、破綻することになりました。

しかし大手グローバル投資銀行が破綻することで市場が受けた影響は、当局が想像していたものを遥かに上回っていると言える気がします。

CDSとAIG破綻

その影響がまず最初に現れたのは、CDS(クレジットデフォルトスワップ、企業破綻に対する債権に掛けられた保険)です。

WSJが指摘する通り、Bear Stearnsが政府のアレンジでJP Morganに救済された際は、同社の株主は株価の急落によって甚大な損害を被りましたが、同社の債権者はデフォルトという最悪の事態を回避することが出来ました。その結果、債券・ローン市場には、大手金融機関の信用には政府が介入するという、安心感が広がっていたと言える気がします。

それに対してLehmanは、文字通り「破産」に追い込まれ、株式の価値がゼロになって株式投資家と従業員は全てを失うことになった上、債券の投資家も、デフォルト→回収価値が分からないという、最悪の状況に追い込まれ、同社の債権は、担保付の短期債も含めて価格が急落しました。

大手金融機関が破綻したことで、CDSのスプレッド(保険プレミアム)は急騰し、保険の売り手は、保険金を担保するための巨額の追加資金が必要になりました。WSJによると、Lehmanが破綻した翌日に発生した追加担保額は、$140bn(約14兆円)に上ったそうです。

その結果、$400bn(約40兆円)に及ぶCDSを取り扱っていた保険最大手のAIG(アメリカンインターナショナルグループ)が破綻に追い込まれるという、想定外の事態になりました。

同社が契約していたCDSが全て破棄されることのインパクトの大きさ、本業の保険契約社に被害が及ぶ深刻さを考慮して、政府は巨額の救済融資(事実上の国有化)を行うことになりました。

このように、Lehmanを破綻させた二日後には、既にその失敗が明らかになりつつあったと言える気がします。(中略)

ヘッジファンド業界への影響

以前から書いている通り、現在のヘッジファンド業界には、かつて世界の為替市場を震撼させたような「グローバルマクロ」戦略のファンドは極めて少なく、業界の7割程度が、株式運用のファンドであると言われています。

これらのファンドは、「ヘッジ」の名前が示す通り、株式の買い持ち(ロング)と売り持ち(ショート)を組み合わせることで市場リスクをヘッジし、市場の上下に関らず絶対リターンを上げることを目的として、主に年金・大学基金の資金を運用しています。

Lehman Brothersの破綻は、約200兆円の資金を運用していると言われるヘッジファンド業界にとって、空売り規制以上の制度的問題を引き起こしました。

ヘッジファンドが機能するためには、投資銀行に「プライムブローカー(PB)」業務を委託する必要があります。PBの主な役割は、空売りに必要な貸し株と、レバレッジの提供で、ヘッジファンドというシステムにとっての生命線であると言っても過言ではないかもしれません。

Lehmanも、大手ではなかったものの、当然PB業務を行っていたわけですが、そこが破綻してしまったことにより、一部のヘッジファンドが、自らの資産にアクセス出来なくなったり、Lehmanを通じて行った取引の損益が分からなくなるという事態が発生しました。その原因は、レバレッジを受ける際に供与していた担保証券が、別のファンドに貸し出されるなどしていた為のようです。

通常大手のヘッジファンドは、3社以上のPBと取引をしており、LehmanはPB業界では大手ではありませんでしたが、同社が取り扱っていた額は$50-70bn(約5〜7兆円)とも言われます。その全てが失われるわけではないと思いますが、「カウンターパーティリスク」(取引先が債務不履行に陥ること)によって廃業に追い込まれるファンドも出てしまっているようです。

このようなシステマティックリスクに直面したヘッジファンドは、投資銀行から商業銀行へと、PBを変更したり(資産を移し替えたり)、高騰しているボラティリティから身を守るために、急速にレバレッジ(グロスエクスポージャー、総投資額)を下げていると言われています。

ヘッジファンドがレバレッジを下げる、つまり借入金を使って行っていた売買を解消することは、「換金売り」と同じ効果をもたらします。業界規模から考えて、投資信託の解約売りほどのインパクトはないでしょうが、株式市場にとっては大きなマイナス要因になっていることは、間違いない気がします。

(一部銘柄には、必要に迫られたショートカバーが引き起こす「スクイーズ」、つまり異常な値段高騰が発生して、ますます市場のボラティリティを上げてしまっています。)


・・・言うまでもありませんが、アメリカ市場の株価暴落と、クレジット市場の機能不全は、ヨーロッパや日本、アジアの先進国など、世界中で市場を大混乱に陥れています。これらの事態が全てLehmanを破綻させたことで発生したと考えると、その影響が「許容範囲」であると言うのは、明らかに無理がある気がします。

そんな大失敗から得られた唯一のメリットは、今後このような大手金融機関の破綻は二度と当局が許さないだろう、と言うこと位かもしれません。


(私のコメント)
「株式日記」では10年以上バブル崩壊に伴う金融問題を書き続けてきたのですが、時価会計もBIS規制もペイオフ解除も反対してきました。しかしアメリカに言われるままに日本にもアメリカの金融制度を日本に導入させられてきたのですが、最近になって頭の悪いアメリカ人にも新自由主義経済の破綻が分かり始めたようだ。

新自由主義経済の原理からすれば、ダメな銀行は潰すのが原則だ。しかし潰せばどうなるか、頭の悪いアメリカ人はリーマン・ブラザースを潰してみて、間違っていた事がはじめて分かったのだろう。日本人は過去の教訓を大切にするから銀行を潰す事には慎重だった。しかし護送船団方式はマスコミから批判されて、日本も97年ごろから潰す方針に切り替えてしまった。

護送船団方式が変わると同時に大蔵省も解体されて、財務省と金融庁に分割されましたが、こんな事をしているのはG7では日本ぐらいで、財務大臣には金融行政の権限が無い。これではG7参加も意味がないわけで、非常事態には権限を集中させなければならない。

ペイオフ解除も2002年に行なわれましたが、当時は次はどこの銀行が潰されるのかといった噂が出回っていた時でもあり反対した。竹中大臣は銀行に取り付け騒ぎが起き易い状況に持っていくことで銀行を潰すことを目指していたのだろう。マスコミも竹中大臣を改革派として応援して、ペイオフ解除反対は抵抗勢力にされてしまった。

「ウォールストリート日記」においても大手の金融機関の破綻は認めないだろうと書いていますが、ダメな銀行は潰すという新自由主義経済の原理の破綻でもある。これは「会社は誰のものか」という課題にも関係してきますが、もはや会社は株主のものではなく社会のインフラでもあり、株主が勝手に運用していいとする資本主義原理の否定だ。

私自身は銀行に十数年勤務していましたが、国会議員たちは銀行の現場のことを知らないし、景気が良いのか悪いのかといった情報も現場にいないと分からない。株式投資でもやっていれば株価が景気のバロメーターでもあるので分かるのでしょうが、今の株価は世界的な金融恐慌を示し始めた。だから2002年に実施したペイオフも全額保証に戻さざるを得ないだろう。

アメリカの場合、リーマンを破綻させたことで、アメリカの金融国家戦略が破綻して、その清算には見当もつかないほどの時間がかかるだろう。不良債権となる金額も見当もつかない金額でありリーマン1社のCDSの清算価格は9割も吹っ飛んでしまって、リーマンがらみの保証は40兆円失われたという事なのだろう。となると他の金融機関の損失も確定して決算に出さざるを得なくなる。

国有化されたAIGにしても国が保証しても国に払うだけの金があるのだろうか? デリバティブや証券化された債券は清算して見なければどれだけの損失になっているのか分からないから、欧米の金融機関は疑心暗鬼になってインターバンク市場が停止してしまっている。CDSも取引残高は6600兆円にもなり、関係銀行にはそれだけの金は無い。

日本の銀行は公的資金を注入されて、資金運用も思うままにはならず不良債権の清算に追われた。だからサブプライムがらみの債券やCDSといった金融商品には手が出せず、日本は金融革命に遅れたと欧米のマスコミからバカにされ続けてきた。しかし「株式日記」ではデリバティブや金融工学というのは詐欺的商品だろうと書いてきた。

それはITバブルの破綻やLTCMの破綻やエンロン・ワールドコムの破綻などから推測できた事であり、今回はそれが国家的規模で破綻が起きたということだ。アメリカの金融業界にはそのような前兆現象からとんでもない破局が起きることを想定できなかったのだろうか? またCDSといった仕組みがこれほど大規模になることを放置した危険性を政府は認識できなかったのだろうか?

サブプライムローンも金融工学を駆使した金融商品なのでしょうが、金融常識からすれば無理な商品であり、さらにローンを証券化して売り飛ばしてしまうのは詐欺的行為に他ならない。破綻するローンである事が分かっていながら他の債権と混ぜて売ってしまえばいいとでも思っていたのだろう。

住宅産業は自動車と並ぶ裾野の広い基幹産業でもありますが、住宅ロ−ンの普及こそが金融革命であり金融の大衆化が進んで誰もが銀行のローンを利用するようになった。昔は銀行は企業にしか貸さずに住宅は自己資金で建てるしかなかった。それが今では住宅会社との提携ローンで自己資金ゼロでも借りる事ができる。

銀行もそれだけ借り手が少なくなってきたからですが、カネのだぶつきがバブルの始まりであり住宅ブームの始まりでもあった。80年代に起きたバブルが90年代後半からアメリカにも起きて、資産ローンを合わせて大消費景気が起きた。クレジットカード会社もカードを乱発して国民は過剰債務状態になってしまった。

バブルの清算は時間をかけて過剰な債務を地道に返していくしかないのですが、日本はそれに15年を要した。小泉・竹中内閣は不良債権の早期処理を銀行に迫り、中小企業は無理やり潰されて処理されていった。事業が完全に破綻したのなら処理しなければなりませんが、利益が上がっている債権はリスケをすれば融資を全額回収することも出来るのである。それが銀行にとっても一番負担の少ない不良債権の処理方法だ。

しかし最近の住宅ローンは証券化されてどんどん他に売り払われてしまって、纏めて細かくきざまれてCDSを付けて販売されてきた。細かく刻まれているからファンドの内容が分からず、サブプライムローンの焦げ付きが出だすと、ファンドの中身が分からないから買い手は一斉に手を引いてしまった。これがアメリカが自慢した金融工学の正体だ。

これをさらにレバレッジをかけて、借入金でファンドを膨らませて運用したから、上手く行っている時は高利回りだが、損を出すと膨大な損金になってしまって、損害は清算して見ないと分からない。だから欧米の金融機関はかなりの長期間業務を停止して、手持債券を清算して損を確定しないと公的資金の注入をしても再建はむずかしいだろう。

アメリカはそのような困難を伴う金融機関の再建に長期間取り組めるのだろうか? むしろアルゼンチンやロシアのようなデフォルトして債権を凍結させてしまうかもしれない。いわば国家的徳政令ですが、日本はドル債券を放棄する事になるだろう。そうなればユーロ債券も危ない。そして唯一信用が出来る国際通貨は円だけとなり、円が唯一の国際通貨になる可能性もある。米ドルは二度と信用されずにアメリカは南米化して慢性的インフレ国家になるだろう。

ドル債券もユーロ債券も信用を失い誰も買わなくなれば、資金を調達するには円債券しか調達できない事も想定できる。欧米のインターバンク市場は機能を停止して、ドルもユーロも調達が出来なくなってきている。このような事が長期間続けば円で決済するしか無くなるのではないかと思う。だから最近は円の独歩高でユーロ高もバブルだったのだろう。しかし政府日銀にはこのようなことを考えている人はいない。

 

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