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米国の、日本の経験に対する不当な評価の根底には拭いがたい日本蔑視の観念がある。自分たちは優秀だと言う倒錯した優越感がある
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投稿者 TORA 日時 2008 年 10 月 11 日 16:25:29: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu177.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国の、日本の経験に対する不当な評価の根底には、拭いがたい日本
蔑視の観念がある。自分たちは優秀であると言う倒錯した優越感がある。

2008年10月11日 土曜日

◆不良債権処理の認識を誤っている米国 - 新自由主義と日本蔑視 10月10日 余に倦む日々
http://critic5.exblog.jp/9660116/#9660116_1

(前略)
国民に説明しない。説明すれば反発を喰らうのは目に見えているから、騙し騙し静かにそっとやる。国民を犠牲にすること、時間をかけること、この二つの柱で宮沢喜一は結果的に日本の不良債権問題を解決した。だが、本人が言挙げしなかったから、功罪含めて名前は残っていない。その後の新自由主義の宣伝によって、不良債権問題を解決したのは竹中平蔵で、だらだらと放置したのが宮沢喜一だというストーリーになっている。それは新自由主義の側の作り話である。不良債権処理を指導したのは宮沢喜一であり、実際に処理をしたのは日本の国民である。処理とはカネを銀行に貢ぎ続けることだ。何年も何年も、現在に至るまで、庶民は血と汗を流して稼いだカネを銀行に貢ぎ続けてきた。@-Bは不良債権処理が終わった現在でも制度定着して、日本の銀行に巨万の富をうならせ、カネが余り過ぎた三菱UFJは気前よく9000億円をモルスタにくれてやった。我慢強い日本国民は立派と言うほかない。日本の場合、銀行の不良債権の処理は、積み上げた庶民のカネを引当にして積み上げ、銀行会計から徐々に償却して行ったのであり、庶民のカネの積み上げには時間がかかり、結局のところ10年以上を費やす始末となったのである。それが「失われた10年」の真相だ。

日本政府は何もやらなかったわけではない。98年頃だったか、政治の表の舞台では、石原伸晃や塩崎恭久や枝野幸男が「政策新人類」などと称して派手に立ち回り、やれ国有だ、やれ民主党案丸のみだと騒ぎながらドタバタと金融危機に対応していたように見えたが、実際には金融政策の実権を握り続けていたのは大蔵省と宮沢喜一だった。宮沢喜一は個々の銀行の不良債権金額と中身について絶対に口を割らなかったし、大手都銀分で纏めた金額だけを適当にマスコミに流すのみで、現実の処理は@-Bの大衆収奪による救済策で徹していた。まさに護送船団方式が貫徹されていた。現在の米国は、この日本の不良債権処理の真相を知らず、早く手を打てば早く問題が解決すると錯覚しているように見える。この点を田幡直樹は懸念しているわけだが、私もそれに同感である。新自由主義のイデオロギーに毒された不良債権認識を当局や国民や関係者が持っていて、「日本は対策が遅かったから解決が遅れた」と誤った判断をベースに政策をドライブしようとしている。それは根本的な間違いで、「あの日本でも10年以上かかった」というのが正解なのである。不良債権処理は庶民大衆から収奪する以外に解決策はないのだ。「日本の二の舞になるな」という発想は誤りで、日本の二の舞ができれば御の字なのである。

この米国の不良債権処理認識、すなわち日本の経験に対する不当な評価の根底には、拭いがたい日本蔑視の観念がある。自分たちは経済に優秀で、日本人は経済に無知だから、だから日本は失敗し、米国は失敗しないのだという根拠のない倒錯した優越感がある。この15年間、米国は、日本経済の失敗と米国経済の成功を繰り返し言い上げ、日本型の経済モデルの全面否定を主張し続けてきた。90年代以降の新自由主義のイデオロギーの基底には、社会主義否定と同時に日本否定の思想があり、それを日本人の内面に強力に刷り込み、日本人の自信喪失を誘引し蔓延させようとする意図が見られた。それは、1987年に東芝のラジカセをドラム管の上に置いてハンマーで叩き壊した米国の自信喪失体験と表裏一体のものであるはずだ。新自由主義にとっての仮想敵国は日本経済であり、仮想敵国を破壊する策略が日米構造協議であり、「年次改革要望書」のイニシアティブに他ならなかった。新自由主義の経営思想の特徴である短期利益の獰猛な追求や意思決定のスピード競争やパラノイア型経営者という範疇は、戦後日本の成功体験である日本型経営思想を否定するところから招来されている疑いがあり、意識的にその逆を規範化しているように見える。その思想が、今度の米国の不良債権処理にも大きく動機づけされている。

日本蔑視の経済政策の選択は必ず米国を破滅へと導くだろう。10/8の日経の1面にFRBが一般企業のCP(コマーシャルペーパー)を購入する制度を創設した記事が載っていた。田中宇も「前代未聞の施策」だと評しているが、私もこのニュースには本当に驚かされた。米国の金融機関による貸し渋りが激しくなり、企業がCPを発行して資金調達することができなくなっているのである。やむなく中央銀行であるFRBが企業のCPを直接に引き受ける事態に及んだ。こんな経験は日本ではない。想像することもできない。記事を見て最初に思ったのは、事務のことで、FRBの限られた職員で全米の企業のCP発行を引き受ける事務的体制があるのだろうかという疑念だった。新聞記事では来年4月までの半年間の臨時措置だとある。半年間、FRBの職員は個別企業のCP購入依頼を受け付け、短期の資金を貸し出し、満期になればまた借り換えに対応する金融事務に忙殺されることになる。ハーバードを優秀な成績で卒業して、世界のドル政策を切り回すデスクワークを担当してきたFRBのエリートに、そんな企業相手の融資実務に手を汚すことなど本当にできるのだろうか。東大経卒の日本銀行の職員が大田区の中小企業の金型メーカーの社長と毎日資金のやりとりをする図と同じである。半年後に米短期金融市場の凍結状態が解けなければ、2年も3年も同じ仕事を続けなければならない。

この事態は、別角度から見れば、まさに米国経済の社会主義化である。金融セクターだけでなく、国のあらゆる産業部門が国有化されたと同じことだ。FRBによる企業のCP購入がどれほどテンポラリーな市中銀行の肩代わりだと言っても、投入される資金は赤字国債でファイナンスされた米国民の税金であり、よもやめくら判でCP購入の決済など許されるはずがない。当然、当該企業のバランスシートをチェックしなければならないし、経理の役員を呼んで事情を聴取する必要があるだろうし、場合によっては現地に出張して工場の設備を視察したり、倉庫の在庫を確認したりする必要があるだろう。市中銀行の担当者が日常業務でやっていることである。FRBの職員がこれをやるということは、かつてのソビエトでモスクワのゴスプラン(国家計画委員会)の官僚が、ドニエストル州で釘を何本生産、ハバロフスク州でスコップを何個生産と、国家のあらゆる生産について膨大で詳細な投入算出表を作成し、各州の共産党官僚に示達していた仕事のやり方と本質的に変わりない。すなわち、社会主義国の経済官僚の業務である。FRBにCPを購入してもらう企業にとって、その資金は原材料の購入代金や従業員の賃金や工場の操業資金なのだが、それとて畏れ多くも神聖な米国民の税金であり、間違っても経営者の株投資や役員賞与などに振り向けることは許されず、まさに資金は清く正しく申告どおり「計画経済」的に使われざるを得ない。

米国FRBの金融エリートはソ連ゴスプランの経済官僚になる。


(私のコメント)
昨日はノーベル賞と日本人の能力について述べましたが、アメリカ人はノーベル賞を沢山とることによって自分たちが優秀であり、世界をリードしていくという意識の現われだろうという事を書きました。しかしアメリカ人がそれほど優秀であるのなら、どうして金融や経済がこれほどボロボロになるのだろうか?

日本はバブルが崩壊しても円は強いままであるし、貿易黒字も続けて国債もほとんどを国内で消化している。しかしアメリカは貿易赤字であり財政赤字で新発の米国債の95%を外国に買って貰っている。利率が低いので民間で買う人おらず外国の政府機関が買っている。

アメリカの貿易赤字は世界中から物を買っているのですが、特に中国からの輸入が多い。アメリカは中国製品無しにはスーパーは成り立たないし、中国もアメリカへの輸出が経済を支えている。だから米国債も中国政府に買ってもらうしか財政を支える方法は無いだろう。しかし中国はこれからも米国債を買い続けるだろうか? まさにドルも株も米国債もトリプル安で中国は我慢し続けられるだろうか?

日本は傍からこのような米中関係を見ていればいいのですが、アメリカ政府はなぜこれほど中国政府を信頼できるのだろうか? 特にウォール街は日本を叩くわりには中国には寛大だ。ポールソン財務長官は中国を80回も訪問している中国通であり、アメリカは中国をアジアの覇権国として育てようというつもりなのだろう。

それに比べるとアメリカ政府の日本に対する政策は、より日本を骨抜きにして、日本のぼろくそに貶す事で日本人として自信を失わせ、日本をサイパンかジャマイカのような参政権無き属国として飼いならして行こうというつもりなのだろうか? 

「世に倦む日々」というブログにも、アメリカ人の日本に対する蔑視的態度は、日本否定の思想があるからだと断じていますが、特にクリントン政権時代のルービン財務長官とサマーズ財務長官の時代は酷かった。『ルービン回顧録』の中にも次のように書いていますが、ルービン財務長官もゴールドマンサックス出身であり、親中派のようだ。


◆ルービン回顧録 ロバート・ルービン著 2005 年 9 月 19 日  株式日記
http://www.asyura2.com/0505/hasan42/msg/403.html

公式の場では、かなり手厳しく日本の経済問題を批判した。こうした私の発言は、常にきわどい外交問題に発展した。日本はアメリカの緊密な同盟国であり、非難にきわめて敏感な傾向があった。しかし次第に、公式発言を通じてインパクトを与えるほうがよいとの確信を強めた。

なぜなら、日本政府は各国からの助言を拒否する姿勢を見せていたが、日本の景気回復は国際経済全体にとってますます重要になってきたためである。こうした拒絶反応は、ゴールドマン・サックス時代にもよく目にしていた。日本政府の態度は、トレーダーが含み損の回復を祈る態度に似ていた。しかしそのような場合には、冷静に状況を再評価し、適切な修正を受け入れるしかないのだ。

政権内では、日本に対する今後の方針をめぐる議論を重ねた。クリントン政権のメンバーの大半がそうであったように、私も日本に対して強硬論者だった。しかしアル・ゴアはさらに強硬だった。閣議室でミーティングを開催し、経済を安定させるよう日本側を説得する手段を話し合ったときのことだ。

クリントン大統領の向かいに座っていた副大統領が、語気を強めて大統領に進言した。「何としても日本の危機感を喚起し、プレッシャーを与えるべきです」。副大統領は日本側の頑なな態度を変えさせる説得力のある戦略を提案した。そのなかには、東京にアメリカの識者を送り込み、景気回復の重要性を国民に訴えるという案まで含まれていた。それは真剣な提案というより、論点を協調するための発言だったのかもしれないが、先進同盟国の経済失策のせいでみなが苦境に追い込まれているのだというわれわれの苛立ちを反映してのことだった。(中略)

結局、日本の景気回復を見ないまま、国際経済危機は何とか収まった。しかし、日本経済の脆弱さが回復の足を引っ張り、アジアの経済不安を増大させたという見解は正しかったと、いまでも信じている。そして日本経済の弱さは、経済の安定に重要な役割を果たした中国とは対照的だった。もし、日本が不況に陥ったとき中国が別の選択をしていたら、二国からの影響が重なり、アジア経済は決定的なダメージを受けていただろう。当時の中国は主要輸出市場ではなく、アジア諸国に多額の投資もしていなかった。

しかし、輸出市場での競争力はあり、中国政府のなかには、人民元の平価切り下げを行えば輸出品が安くなり、中国の利益につながるとの意見もあったようだ。しかしもし、そのようなことになっていれば、アジア全土で新たな平価切下げ競争が引き起こされただろう。クリントン大統領や私を含めた政権幹部との何回かの会談の席で、江沢民主席と朱鋳基首相は中国通貨の平価切り下げは絶対に行わないと強調した。そして実際にその言葉を守った。

こうした会談を通して私の中国観が固まり、今日に至っている。中国の政治リーダーたちは手強く、独立心が強く、圧力に屈しない。良し悪しは別として、アメリカや世界各国から、中国は日本よりも建設的な役割を果たしていると見なされると、大いに満足していた。しかしその国家としての誇りは、アジア経済危機の間、建設的な経済支援に貢献したが、中国の政治指導者たちの心がそこに向いていなければ、国際的な圧力をかけても無駄だっただろう。

クリントン政権がスタートしたばかりの頃、大統領が、アメリカ市場への参入と人権問題の進展を取引材料に圧力をかけるよりは、貿易政策によって中国を国際経済に引き込む戦略に出たほうがよいのではないかと提案した。大統領はそれを裏づけるために中露対立を歴史的な例として挙げ、中国は国力が劣っていた時代でもロシアの要求に応じなかったほどなので、大国となったいま、アメリカが圧力を強めたところで屈することはないだろうと説明した。

(私のコメント)
このように、ルービン財務長官の回顧録を見ても、アメリカ政府の特にウォール街は日本を叩き中国をアメリカのパートナーにする戦略を持っている。だからアメリカ政府は日本に対してはプラザ合意で円を240円から120円にまで短期間に切り上げさせられましたが、中国に対しては1兆8000億ドルも黒字を溜め込んでいるのに、中国を叩く事はしない。

さらにアメリカ政府は「年始改革要望書」を毎年突きつけて日本をガタガタにしていきますが、中国に対してはチベットで大虐殺しても見て見ぬふりだ。人権弾圧も米国議会では非難決議が何度も出ても政府は無視したままだ。日本政府も中国政府みたいにアメリカに対して断固とした態度を見習うべきなのですが、マスコミを始めとして日本否定思想によって、日本人の自信喪失させることで日本を弱体化させようという意図があるのだ。

日本のバブル崩壊のダメージは15年の長きにわたっていますが、アメリカ政府はそのあいだ中やいのやいのと日本を非難し続けてきた。しかしバブル崩壊のダメージから立ち直るには、企業や個人の過剰債務を解消するには時間がかかるのだ。日本は経済力があるから15年でようやく過剰債務から脱却できましたが、アメリカにそのような事ができるのだろうか?

それが出来なければ、アルゼンチンやロシアのようなデフォルトするしかありませんが、彼らはプライドが高いから日本の経験を馬鹿にし続けてきた。ルービン財務長官もかなり厳しく日本に対して批判し続けたと自身の回顧録にも書いていますが、ルービン氏は現在はシティのCEOをしていますが、見事に解決できるのだろうか?


◆米シティCEO辞任 後任はルービン氏 2007年11月5日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/071105/fnc0711051018005-n1.htm

【ワシントン=渡辺浩生】米最大手金融シティグループは4日、プリンス会長兼最高経営責任者(CEO)の辞任を発表した。低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライム)の大量焦げ付きに端を発した金融市場混乱の影響で巨額損失計上の責任を取ったもので、後任の会長には、元財務長官のルービン経営委員会会長が就任する。

 シティは、サブプライムローンを組み込んだ債権投資の価格暴落で、80億−110億ドルの追加損失が発生する見通し。ウォール街(金融街)では、サブプライムローン関連の金融商品の価格暴落で、米証券大手のメリルリンチが6年ぶりの最終赤字に転落し、オニール会長兼CEOが引責辞任したばかり。相次ぎトップが追われる異例の事態となった。

 シティは7−9月期に、同ローン絡みの巨額損失で約65億ドルの評価損を計上したばかり。その後株価が下落を続け、経営責任を問う声が高まっていた。シティは4日招集した緊急役員会でプリンス会長の辞任を承認。プリンス氏は「巨額損失に、私に残された名誉ある道は辞任しかなかった」と声明を発表した。後任のルービン氏はクリントン政権時代に財務長官を務め、1999年にシティ入りした。

 

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