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(回答先: Re: Re:米シティ、ワコビア買収を断念 ウェルズと協議打ち切り。シティーは胡散臭い。 投稿者 戦争犯罪人ブッシュ 日時 2008 年 10 月 10 日 12:54:00)
フライ・トゥ・キャッシュが鮮明、大和生命破綻で相互不信に拍車
2008年 10月 10日 14:20 JST
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大和生命が更生手続き、金融市場混乱で国内初の金融破たん
[東京 10日 ロイター] 投資家が我れ先にと資産の現金化に走っている。解約に直面するファンド勢だけではなく金融機関までもが、金融不安の中で現金を手元に置く姿勢を一段と強めている。株価急落でも円債が一斉に売られているのはそのためで「フライ・トゥ・キャッシュ」(現金への逃避)が鮮明だ。
株式先物、債券先物がともに急落、一時売買停止になるなど異常事態に直面している。短期金融市場では資金の貸し借りが滞り翌日物金利が急騰、日銀は過去最大規模の資金供給を行い金利上昇の抑制に動いているが大和生命の経営破たんが金融機関の相互不信に拍車をかけている。
<日本にも金融危機が波及、狼狽売り>
株式市場は再びパニック的な売りに襲われた。世界的な金融不安が収まらず、朝方からほぼすべての銘柄に売り注文が殺到。日経平均は一時1000円を超す下げ幅を記録した。米政府が金融機関に対する公的資金注入に柔軟な姿勢を見せ始めたが、国民や議会の理解を得るには高いハードルがあるとみられ、市場の疑心暗鬼は消えていない。「各国で様々な対策が打たれているが、投資家の不安心理が強く、効果が出るまで待てなくなっている」(東海東京証券マーケットアナリストの鈴木誠一氏)という。
大和生命の経営破たんも投資家の不安心理を増幅させた。サブプライムローン問題に端を発した国際金融市場の混乱で日本の金融機関が倒産に至ったのはこれが初めて。「金融危機がいよいよ日本にも波及した」(準大手証券)との見方も出て、狼狽(ろうばい)売りが止まらない。
野村証券金融経済研究所ストラテジストの芳賀沼千里氏は金融市場の混乱について、「短期市場が機能不全に陥っていることが大きな要因だ。決済できないのではないかというカウンターパーティリスクが高まりシステミックリスクが起きているのが、ここ数日株価が大きく下落している背景となっている」と分析。「マーケットは政府が何を言おうと聞かない状態になっている。ワシントンの7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、市場の不信感を払しょくするようなメッセージを出すことができるかがポイントだ。各国が協調する枠組みを構築した上で、金融機関に公的資金を注入するといった政策も有効だろう」と指摘している。
一方、大和住銀投信投資顧問、上席参事の小川耕一氏は「リーマン・ブラザーズの破たん以降、ヘッジファンドの解約懸念などでリスク資産圧縮の動きが加速し、株価の下げの9割は需給のゆがみによるものだとみている。各国政府は様々な手を打っているが、直接株を買うわけでもなく結局は間接的な対応の域を出ていない。協調利下げや英国などでの公的資金注入を経てG7では協調姿勢を確認するぐらいしかできないのではないか」という。
<円債もキャッシュ化の対象に>
円債も急落。
国債先物中心限月12月限は、連休やG7を前に様子見の参加者が多いなか、ポジション調整の売り買いが加速し乱高下。米債安を受けて売り先行で始まった後、日経平均株価が前日比1000円を超す下落となったことなどから急速に買われ59銭高の139円05銭まで上昇。しかし、現物市場で流動性リスクを意識した売りが進んだこともあって徐々に上値が重くなり、前日比マイナス圏に下落すると一気に1円99銭安の136円47銭まで下げ幅を広げた。午後に入っても売りはとまらず、一時停止措置の解除後、2円66銭安まで売られた。
現物では、超長期債が底堅いほかは、いっせいに売られた。長期金利は12.5bp高い1.580%に上昇した。信用不安や景気悪化によりいずれ国債選好の地合いが戻ってくるとの見方は多いものの、目先は「流動性リスクプレミアム」(国内金融機関)が意識されリスクを回避して手元に資金を確保する動きが強まっている。大和生命の破たんも「むしろ不安感を後押しした」(国内証券)といい、換金売りの手がかりとなった。
トヨタアセットマネジメント・チーフファンドマネージャーの深代潤氏は「国内勢にとっては株価がこれだけ下がると、深刻な信用不安や金融不安もひとごとではなくなる。不安が増す過程では現金を積み上げることに精一杯になって投資の余裕がなくなり、それがさらに市場の流動性の低下につながっている」という。
みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏は、金融市場の動向について「各国の金融機関やファンドは「自分の身を守る」ことに全力を尽くしている。株式をはじめとするリスク資産を売却して現金を少しでも多く手元に置き、資金繰りが急迫する不慮の事態に備える防衛行動を強めている」と指摘している。
一方、金融市場の動揺と共振しながら短期市場では、資金の流れが滞る動きが強まっている。
日銀はこの日、3回にわたって資金供給を実施。合計4兆5000億円と量的緩和解除後で最大規模となった。無担保コール市場では、週末要因や次世代RTGS導入を控えた運用手控えムードが広がり、地方銀行や外国銀行の調達金利が政策金利を大きく上回る0.7%前後に跳ね上がっていた。
<ドル/円、クロス円は「投げ売り状態」>
為替市場でも、世界的な株価下落を背景にドル/円やクロス円は「投げ売り状態」(邦銀)となり、円はリスク回避の買いに急騰。ドル/円は前日海外の高値から3円半安い一時97.91円まで下落。3月19日以来、半年ぶり安値を更新した。
クロス円でもユーロ/円は前日海外の高値から132.80円まで同7円近く下落し、3年ぶり安値を更新。英ポンド/円は166円半ばと10円近い下げで7年ぶり安値をつけた。豪ドル/円も7円超、NZドル/円は5円半の下げで、ともに8日につけた6年ぶり安値へ接近している。
バークレイズ銀行、チーフFXストラテジストの梅本徹氏は「現在、金融市場で起きていることをひとことで言えば、現預金への資本逃避だ。住宅など資産価格の下落による不良債権の増大で民間金融機関の資本不足が露呈、短期銀行間市場はカウンターパーティリスクで完全な機能不全に陥っている。金融機関は資金調達難を逃れるために資産圧縮を図り、信用が急激に収縮する中で、資金は株・債券から安全資産である現預金へ逃避している」と話す。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:宮崎 大)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-34238620081010