★阿修羅♪ > 国家破産58 > 784.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
大きなメッセージとなったRBAの大幅利下げ(KlugView)
2008/10/07 (火) 20:00
10月7日、オーストラリア準備銀行(RBA)は、政策金利であるオフィシャルキャッシュレートを10月8日より1%引き下げ、6.00%とすることを決めました。利下げ幅は、市場予想の0.50%を上回り、92年5月以来(16年半ぶり)の大幅な利下げとなります。
RBAのスティーブンス総裁は、利下げ決定後の声明文で、世界経済の見通しが大幅に悪化し、金融機関の資金調達コストが上昇したことから、異例の大幅利下げに踏み切ったとコメントしています。
一般的に、物価上昇(インフレ)率が二ケタを超えるなどの際に、金利を1%を超える幅で引き上げることはあっても、1%も一気に引き下げることはありません。大幅な利下げをすることは、それだけインフレが進展するリスクを高めるからです。特にオーストラリアの場合、7−9月期の消費者物価指数の伸び率が5%を超えることが見込まれており、インフレに対する警戒感は他国と比べて高いはずです。それにもかかわらず、RBAが一気に1%もの利下げをすることは、(スティーブンス総裁自らが述べたように)異例のことと言えます。
ただ、この異例とも言えるオーストラリアの大幅利下げのおかげで、為替市場や株式市場は大きく値を上げました。たとえば、為替市場では、ポンド円が7年ぶり安値となった174円台から181円後半まで8円近く、豪ドル円は5年半ぶり安値の70円前半から75円半ばまで5円超、NZドル円は5年9カ月ぶり安値の62円前半から65円後半まで3円超の上昇となりました。また株式市場では、利下げ発表前までマイナス圏で推移していた韓国やシンガポール株がプラスに転じたほか、ダウ工業株先物も1万ドル台を回復しました。
このように金融市場が好感した理由の一つは、世界的な利下げの思惑が強まったためと思われます。インフレ懸念が強いオーストラリアで1%もの利下げが実施されたのだから、金融不安で揺れている英国やユーロ圏はもちろんのこと、あまり利下げ余地がない米国や日本でも利下げが実施されるだろうと期待が高まるのは自然のことのように思えます。
RBAが大幅利下げを決定したのと同じ日に、日本銀行では政策金利を決める金融政策決定会合が開かれていました。ただ皮肉なことに、RBAとは逆に、日本銀行は早々と金融政策の現状維持を決定しています。
もちろん、政策金利が0.50%しかない日本と、1%の利下げをしても依然として6.00%の水準にあるオーストラリアを比較することに、大きな意味はありません。ただ、短期金融市場を中心に金融機関の資金繰りが苦しい状況に変わりはなく、為替市場や株式市場でも近年例を見ない混乱が続いています。こうした中、各国中央銀行への期待が高まるのも無理はないと思われます。
今回のRBAの大幅利下げは、世界の金融市場だけでなく、世界の中央銀行に大きなメッセージを送る役割を果たしてしまいました。今後、金融市場は、RBAからのメッセージに世界の中央銀行がどのように応えるかを見守りながら、次の動きを示す展開になると思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
RBAが1%の大幅利下げ
これはいつ以来のこと?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
92年5月以来(16年半ぶり)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/10/07/003741.php