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(回答先: アイスランド、金融危機回避で全銀行を国有化 読売 投稿者 倉田佳典 日時 2008 年 10 月 07 日 17:12:15)
金融危機 欧州飛び火
「資金繰り破綻」懸念も
米金融危機の荒波が欧州に急激に押し寄せてきた。ドイツとデンマークが相次いで預金全額保護の方針を発表、金融大手フォルティスのベルギーとルクセンブルクの各現地法人はフランス金融大手BNPパリバに買収されることが決まった。金融市場は「流動性が枯渇した状態」(デンマーク政府)が続き、金融機関の「資金繰り破綻(はたん)」の懸念も強まっている。(ロンドン 是枝智)
■変心
「国民の皆さんに預金は安全だと言いたい」。メルケル独首相は5日午後、ベルリンでの緊急記者会見で預金全額保護を表明した。欧州4か国首脳会議で、預金全額保護を決めたアイルランドを批判したその翌日のこと。方針転換に追い込まれたのは、独不動産金融大手ヒポ・リアル・エステート(HRE)が経営危機に陥ったためだ。
HREは資金調達のため不動産担保融資などを証券化した抵当証券を十数兆円発行している。破綻すれば投資家への影響は大きい。9月末、独金融界が350億ユーロ(約5兆円)の融資枠を設けることで合意したが、アイルランドの子銀行が先週、資金繰り破綻寸前まで追い込まれ、結局HREへの資金枠は500億ユーロに増額して決着した。
隣国ベルギーでも危機は進行していた。オランダ、ルクセンブルクと一緒に、1週間前に一部国有化を決めたばかりの金融大手フォルティスが経営悪化。3国が自国の現地法人にそれぞれ49%を出資すると発表したのに、資金繰りはほとんど改善されなかった。
「国の信用」が通じない金融市場の異常な状態に、ベルギー政府などは、フォルティスを仏金融大手BNPパリバに身売りする事態に追い込まれた。
■焦点
欧州の金融機関は、外部からの資金調達に頼る割合が邦銀などより高く、金融市場が機能不全に陥るとその影響を受けやすい。米国より米サブプライムローン関連の損失が少ないとはいえ、どこまで財務内容が悪いのか、市場は疑心暗鬼になっている。
住宅バブル崩壊や景気減速が強まる中で、金融機関の経営危機が相次いで明らかになったことが信用不安を増幅し、それが市場の機能を一段と低下させる悪循環となっている。
欧州連合(EU)は、金融機関が破綻した際の預金保護の限度額を現行の1人2万ユーロから引き上げる検討に入った。危機対応のカギを握るのは、再浮上してきた欧州共通の金融システム安定化基金だ。7日の欧州連合財務相会合で同基金構想について突っ込んだ議論が展開されるか注目される。
(2008年10月7日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20081007mh04.htm