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リーマンに限らず、米国の証券会社は、そうしたインチキ商品を山のように作りあげて、右から左に金を稼ぐというやり方をしていた
http://www.asyura2.com/08/hasan58/msg/771.html
投稿者 TORA 日時 2008 年 10 月 07 日 15:20:00: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu177.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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リーマンに限らず、米国の証券会社は、そうしたインチキ商品を山の
ように作りあげて、右から左に金を稼ぐというやり方をしていたのである。

2008年10月7日 火曜日

◆「なぜリーマンだけ…」リーマンCEO議会で恨み節 10月7日 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081007-00000517-san-bus_all

【ワシントン=渡辺浩生】経営破綻した米証券大手リーマン・ブラザーズのファルド最高経営責任者(CEO)は6日、米下院公聴会で証言し、破綻に至った経営判断について「全責任が私にある」と述べた。ただ、その一方で、リーマン破綻翌日に当局の線引きで米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が救済されたことについ「なぜリーマンだけ救済されなかったのか」と恨み節も漏らした。

 先月15日の連邦破産法11条適用申請から3週間。ファルドCEOは、やつれた表情で「当時の情報に基づきとった判断と行動の全責任は私にある」と強調した。金融危機の引き金となり「会社に起きたことやその影響の大きさを考えると、恐ろしくなる」とも打ち明けた。

 しかし、AIG救済をめぐり、議員から「リーマンだけ救済されなかった正当な理由はあるか」と尋ねられると、ファルドCEOは「なぜ私たちだけだったのか分からない」と政府の線引きに疑問を呈した。

 さらに、リーマン破綻後に株価が急落した証券大手ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが銀行持ち株会社化への移行を米連邦準備制度理事会(FRB)に認められたことについて、「そうした変化がもっと早かったら、リーマンには非常に大きな助けになっていたに違いない」と述べ、当局の支援策を受けていれば破綻が回避できたという認識を示した。

 下院監視・政府改革委員会はファルド氏の2000年以降の報酬を現金・株式合計で約4億8000万ドル(約504億円)という試算結果を発表。ファルド氏は「大半はリーマン株式でいまだ持っている。現金報酬は6000万ドルだと思う」と反論した。


◆今まさに瓦解する市場原理主義 10月6日 森永卓郎
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/154/

9月15日、米国のリーマン・ブラザーズ証券が経営破綻した。158年の歴史を持ち、全米第4位の証券会社が姿を消すことになったわけだ。

 同時に、全米第3位のメリルリンチも、バンク・オブ・アメリカに買収された。半年前に破綻した全米第5位のべアー・スターンズを加えると、米国の第3位から5位までの証券会社が、わずか半年の間に消えるという異常事態が起こったのである。

 そして、証券第2位のモルガン・スタンレーも、三菱UFJフィナンシャル・グループから1兆円近い出資を受けることになった。

 米国では、最大7000億ドル(約73兆円)の不良資産を金融機関から買い取るとする金融安定化法案をようやく可決したが、サブプライムローンに端を発した金融危機はまだまだ終息しそうにない。

 これまで、米国の金融機関自らが処理した金額は30兆円程度。今回の法律で米国政府は70兆円以上の不良債権の買い取りを実施するのだから、あわせて約100兆円。この金額は、米国の金融機関の総損失に匹敵する。これで、サブプライムローンの処理が終わり、米国内の金融危機は峠を越えたと言ってもおかしくないはずだ。

 だが、今回の金融危機の根はもっと深いところにある。米国型の金融システムが作り上げてきた信用バブルが、まさに崩壊しようとしているのである。サブプライムローン問題は、あくまでもきっかけに過ぎなかったのだ。

 いま、時代は大きく変わろうとしている。ここ30年間、世界を席巻してきた弱肉強食の新自由主義、市場原理主義、行き過ぎた金融資本主義が、いままさに瓦解しようとしている現場にわたしたちは立ち会っているのである。

米国の証券会社と格付け会社がグルになってやってきたこと
 破綻したリーマン・ブラザーズの名を聞いて、ホリエモンによるニッポン放送買収騒ぎを思い出した人もいるだろう。ライブドアが発行したMSCBという新株予約権付社債を引き受けることで、800億円という資金を出した証券会社だ。ライブドアの件に限らず、リーマンはそうした乗っ取りの手伝いをよくやっていた会社なのである。

 もう一つ、最近になってリーマンの名がメディアを賑わした事件として、丸紅の元社員による詐欺事件があった。元社員は、あたかも丸紅の本社が事業に絡んでいるかのように見せかけて、リーマンに約400億円を出資させ、その大半が未償還になっている。

 もちろん、リーマンは被害者なのだが、その案件は病院の乗っ取りであり、しかもリーマン側が受け取ることになっていたリターンは、半年で12.5%、1年で25%という非常に高い利回りだったと言われている。

 もちろん、だますのは悪いことだが、同時にリーマンがそうした危険な事業に手を染めていたことが、図らずも明らかになった事件であった。

 リーマンが得意にしていたビジネスは、例えば商業用不動産の証券化であった。

 米国の銀行は自己資本比率の規制を逃れると同時に、融資リスクを避けるため、あらゆるローンを証券化してきた。そこで、不動産から、クレジットカード、自動車ローンに至るまで証券化を進めてきたのである。

 証券化の流れは、リーマンのような証券会社の手によって、ビルの再開発から病院の再生にまで広がっていった。そこで、利用されたのがレバレッジというテクニックである。

 これは、投資家から集めた資金に、その何倍もの銀行融資を加えることで、より大きな資金を生み出す方法だ。レバレッジとは「てこ」という意味で、小さな力で大きなものを動かす様子に例えた用語である。

 そのからくりをごく単純化して説明すると、次のようになる。5億円の商業用ビルを運営するとしよう。このとき、リーマンは投資家から1億円だけ集め、残り4億は銀行から借りる。すると、商業用不動産だから当然家賃が入るのだが、投資家は1億しか出していないのに、5億円分の家賃が入ることになるわけだ。

 そういうシステムにして、3年後に売却して清算するという証券をつくれば、超高利回りの証券が出来上がる。借入金は低金利の日本から借りれば利息はただ同然。それでいて総収入は5倍入ってくるのだ。

 ところが、これはひどく危険な商品でもある。利益が5倍になるということは、損失も5倍になるからだ。もし、このビルが2割値下がりしたらどうなるか。5億円が4億円になるから、1億円の損失となる。こうなると、1億円投資した投資家は全損になってしまうわけだ。

 ところが、こういう危険な証券に対して、米国の格付け会社は高い格付けを与えていた。わたしに言わせれば、証券会社も格付け会社もグルなのだが、そうやって内外の金融機関を安心させて証券を売りまくったのである。

詐欺に満ちあふれていた米国の金融システム
 格付け会社のインチキぶりもあきれるばかりである。驚くことに、リーマンが破綻する直前まで、リーマン自身が出している無担保の社債に対して、格付け会社はA(シングルA)を与えていた。これは、日本国債と同レベルである。こんなバカなことがあるだろうか。

 すでに市場もリーマンの社債を見放していて、金利が2桁になっていたほどである。そんなジャンク同然の社債に、Aをつける人間がいるとは信じられない。

 さらに、サブプライムローンを組み込んでいたCDOという証券にいたっては、AAA(トリプルA)を与えていたのである。これを詐欺といわずになんと言おう。

 リーマンに限らず、米国の証券会社は、そうしたインチキ商品を山のように作りあげて、右から左に金を稼ぐというやり方をしていたのである。言い換えれば、米国全体の金融システムが詐欺に満ち溢れていたのである。

 今回の金融危機はそうしたインチキが破綻したことが原因なのであって、サブプライムローンが問題なのではないのだ。

 そのインチキぶりは、そうした証券会社の給料からもうかがい知れる。ゴールドマンサックスの社員の平均年収は、7000万〜8000万円だと言われている。聞いたところによると、新入社員でいきなり1000万円近くをもらえ、2年目で早くも3000万円。5年目で年収1億円に達するという。大手のモルガンスタンレー、リーマン、メリルリンチの給与体系も似たりよったりだろう。

 しかし、入社して5年目の社員が1億円分も稼いでいるとは、とうてい思えない。5年目といえば、一般の中小企業なら主任になれればいいほうである。ひがんで言うのではないが、そんな社員が億単位の給料をもらうということ自体が、どこかおかしいではないか。

 ちょっとでもビジネスをやったことのある人なら、まともなことをして平均年収7000万〜8000万円など払えないということくらい、すぐに分かるだろう。テレビ局のような、規制に守られている企業でさえ、そんな給料は払えない。

 ではなぜ、そんなに給料が払えるのか。それは、まともじゃないことをやっているからにほかならないのである。(後略)

(私のコメント)
「株式日記」ではアメリカの投資銀行が編み出してきた金融工学を詐欺的商品でありペテンであると指摘してきた。デリバディブに関しても早くから触れてきましたが、当事者しか分からない仕組みであり、外部から全くチェックできない仕組みは問題だと書いてきた。確かにアメリカの投資ファンドは利回りもよく世界中から投資資金を集めて運用されてきた。それが今崩れたのだ。

アメリカの五大投資銀行は姿を消して、残ったゴールドマンサックスやモルガンスタンレーは銀行に転換した。この二つの投資銀行はアメリカ政府ときわめて密接であり、ポールソン財務長官はゴールドマンサックスのCEOだった。いわばアメリカの国策会社のようなものであり、アメリカの国家戦略を担っていた。それが清算されたのだ。

投資銀行の社員は、アメリカにおけるエリート中のエリートとして、わずか数年で年収1億円を越える給与を貰っていた。しかしこれはまともな職業で出せる金額ではなく、ヤクザな商売でしか考えられない水準だ。女性でも1億円の年収を貰う社員が1万人もいたということです。しかしその栄光は長くは続かなかった。

アメリカの不動産証券化ビジネスは、「ねずみ講」によく似ている。住宅をローンで買って値上がり益をさらにローンで借りて消費する。その仕組みは銀行が住宅ローンを貸し出しているうちは上手く回転する。アメリカではセカンドハウスでも住宅ローンが使えるから節税にもなる。なかには何軒もの住宅を所有する資産家も沢山出来た。

昨日紹介したマイケルムーアの「ウォール街救済法案」においても、そのような富裕者たちに税金をかけろとアジテーションしている。このような仕組みは住宅購入層が広がっているうちは上手く機能するが、人口3億人の大国アメリカでもいずれは限界が来る。そして最終的には住宅が買えないサブプライム層にまで住宅ローンで住宅を買わせたから焦げ付きが多発するようになった。「ねずみ講」が破綻したのだ。

バブルが発生する原因としては余剰マネーの発生があるのですが、銀行は投資先がなくなると住宅ローンに活路を求めるようになった。日本も80年代の住宅バブルで飛躍的な経済拡大を続けた。それと同じ現象が2000年代にアメリカやヨーロッパにも広がり、去年から住宅バブルが弾け始めた。

余剰マネーの発生は1971年ののニクソンショックから始まり、ペーパーマネーとなったドルや米国債がアメリカの最大の輸出商品となり、アメリカ国民は世界から物を買いまくった。日本は紙切れに過ぎないドルや米国債を膨大に貯めこんでいますが、ドルはアメリカでしか使えないからアメリカの還流して投資銀行によって世界に再投資された。

それによってアメリカには膨大な住宅やビルが残りますが、日本には紙切れに過ぎないドルや米国債しか残らない。日本は1兆ドルの外貨準備がありますが国内投資には向けられずアメリカに還流している。なぜアメリカに還流するのかというと1985年のプラザ合意で3%以上の金利差を密約したからだ。だからアメリカが経常赤字である限り日本は超低金利を強いられる結果になる。

だから日本政府は、日本の景気が回復しかけると増税して意図的に不景気にして金利を上げないように調節しているのだ。日本は景気が良くなると金利も上がるとアメリカとの金利差が無くなるから、金利を上げて景気を引き締めるのではなくて増税で消費を減らして不景気にして資金需要が出ないようにしていると思われる。

なぜそこまでしてアメリカにドルが還流するようにしなければならないのかというと、アメリカの国家戦略だからだ。アメリカン還流したドルはゴールドマンサックスなどの投資銀行で運用されて新興国などに投資される。米中との間でも密約が行なわれて中国はアメリカのドルや債権を買って還流させている。

アメリカの投資銀行は還流したドルを中国やインドに再投資して、日本には構造改革を迫って株を少し買う程度だ。だから世界的なバブル景気なのに日本だけは取り残されて不況が長引いている。皮肉な事にそれが幸いして日本の金融機関はサブプライムローンに巻き込まれずに済みましたが、投資銀行を主体にしたアメリカの国家戦略は破綻した。

リーマンブラザースは韓国に再投資を行なってきましたが、リーマン破綻でドルの供給が止まってしまってドル債券の満期償還金などが手配できない危機が迫っている。日本にも数年前から不動産にも投資銀行の投資が入るようになりましたが、今回の金融破綻で新たなるミニバブル崩壊が始まっている。

アメリカの金融破綻は投資銀行の経営戦略の破綻でもあり、新興国に重大な影響がこれから出てくることだろう。だから中国やインドやロシアなどのBRICSの株価の値下がりが一番酷い。田中宇氏などの言う多極化戦略はゴールドマンサックスの戦略でもあり、ゴールドマンサックスなどが親中派なのはそのためだ。

日本がなぜ15年に及ぶ長期不況を強いられて、超低金利政策が行なわれるのか疑問であったのですが、プラザ合意で密約があるらしいことが分かってきた。密約したのは当時の中曽根総理と竹下大蔵大臣であり、プラザ合意という日本にとってきわめて不利な密約を交わすことで中曽根内閣は5年の長期政権を認められた。

おそらく中曽根氏は密約の存在を認めないだろう。沖縄や安保にもいろいろ日米間の密約があるらしいのですが、自民党はこのような密約にがんじがらめにあって律儀にそれを守っている。米中間にも密約があってキッシンジャーと周恩来との密約で日本を米中で封じ込める密約を交わしている。ゴールドマンサックスの中国への投資戦略もそれに基づいているのでしょうが、6ヵ国協議も米中による日本封じ込め戦略なのですが、その中心には常にゴールドマンサックスなどの投資銀行の存在がある。

このような投資銀行には年収1億円以上ものアメリカのエリートがかき集められてきた。しかし今度の金融破綻によってかけ離れた高額な年俸をもらう事は制限されて人材も集まらなくなるだろう。リーマンブラザースはゴールドマンやモルガンなどに追いつくためにかなり無理な経営を行なってきた。だからリーマンは潰されたのですが、リーマン会長のファルドCEOにはその自覚が無いようだ。

森永卓郎氏が言うように投資ファンドの金融商品は詐欺的商品であり、だからこそこのようなビジネスモデルは破綻したのですが、日本人がこのような金融商品に飛びつかなかったのはバブルの教訓が効いていたからだ。一番このような金融商品を買ったのはヨーロッパの金融機関であり、ヨーロッパの投資家は頭の悪い連中が沢山いるようだ。次の標的はUBSだろう。

 

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