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http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20081003/172604/
ウォール街危機に対する一般市民の怒り
Susan Berfield (BusinessWeek誌、アソシエートエディター) 2008年10月6日発行号カバーストーリー 「Main Street's Rage at the Financial Crisis」
米ペンシルベニア州アレンタウンはある意味、米国の平凡な都市の典型だ。ほかの全米中の都市や町と同様、自分たちの力ではどうしようもないように思える経済の変動に振り回されている。
「どんな子供にもチャンスはあった。少なくとも親と同じ程度の人生は送れるはずだった。でも途中でなぜか歯車が狂ってしまった」
多くの市民は国の施策の優先順位が狂っていると感じている
人々が金融安定化策を気にしていないわけではない。時には、その憤りが徒労感やあきらめによって鈍ることもあるが、アレンタウンの住民の多くは、政府の救済策に憤りを感じている。その人々の怒りの矛先は、ワシントンよりもむしろ、ウォール街の金融機関に向いている。
「人々は、金融機関の経営陣が納税者の背中を踏みつけて億万長者になっていると考えている」と、アレンタウンのエド・ポロウスキー市長(民主党)は語る。
「ウォール街のCEO連中は間違った判断をしたくせに…」
米小売大手ウォルマート・ストアーズ(WMT)のスーパーセンター2641号店で、食料品の品定めをしていたブレット・スラックさん(32歳)に話を聞いた。スラックさんは、塗料弾を撃ち合うサバイバルゲーム形式のスポーツ「ペイントボール」の遊戯施設、リーハイバレー・ペイントボールの共同オーナーである。
スラックさんは米金融システム安定化のために税金を投入することは理解できる。だが、それらの会社(アレンタウンの人々は誰も個別の企業名は挙げなかった)の経営陣もツケを払うべきだと考えている。
「政府はそうしたCEO(最高経営責任者)の責任を追及すべきだ。私も経営者だが、もし事業に失敗したら、銀行は私に責任を全うするよう迫るだろう。ウォール街のCEO連中は間違った判断をしたくせに、政府が救済してくれると考えた。彼らがホームレスになっても、一向に構わない。億万長者である資格はない」
ガソリン価格高騰による業績悪化のため、スラックさんは、この1年に35人の従業員のうち20人を解雇しなければならなかった。また、2人の共同経営者とともに自らも減給とした。「それは経営者が当たり前にすべきことだ」と語る。
4年前に事業を立ち上げた時、スラックさんは貯金を全額つぎ込んだ。「いつか投資するゆとりが出たら、もう1つ別の事業を始めるよ。株式市場には投資しない」
世知辛い世の中
アレンタウンのレストラン、トリベット・ダイナーでは、6.95ドル(約740円)のスペシャルランチが大好評を得てきた。火曜日のスペシャルランチは、サワークラウト(酢漬けのキャベツ)入りの特大ホットドッグ、フライドポテト、飲み物とプリンだ。だが、昼食時に以前ほどの賑わいはない。
50代のウエートレス、キャロル・マデュラさんは、「仕方ないわ。私たちもあまり外食しなくなったから」と話す。数年前、マデュラさんと自営業の夫は、つましい暮らしに切り替えることに決めた。自宅(と貸家にしていたもう1軒の住宅)を売り、アパートへ引っ越した。自分たちは経済的に余裕があるものの、財産のない人たちに対して無関心でひどい扱いをするような世の中で、子供たちがうまくやっていけるのかを気にかけている。
「今の世の中、たくさんお金を持っていなければ、悲惨な運命だわ。子供たちには、一生懸命に働いて、貯蓄するように言い聞かせて育ててきた。それなのにこの現実は何? お金持ちが救済を受けようとしているのよ」
1950年代を彷彿させるトリベット・ダイナーでマデュラさんは、人々が普段にも増してワシントンの政治家の傲慢さと国民軽視の姿勢に対する不満を述べているのを耳にする。「私たちの意見はないがしろにされていると感じる。だから不満が募る」とマデュラさんは言う。
90歳の米海軍退役軍人から26歳の生産ライン従業員まで、お店に食べに来る人は皆、もっと良い社会の実現が可能なはずだと感じている。「政府は私たちからお金をせしめて、施しをするに値しない人に与え続けている。配慮すべきなのは本当に苦しんでいる人たちなのに」
歪んだ現実
通りの先には、スーパーマーケットチェーンの米ウェグマンズの店舗がある。店内にあるパン屋は「いつでもお買い得価格」という謳い文句を掲げ、試食用クリームパイを提供している。このスーパーの精肉部門でパート勤務をしているジョージア・グッドマンさんは23歳。大学を続けようか悩んでいる最中だ。
巨額の救済策が自分たちの世代に及ぼす影響に関して質問すると、「CEOの懐にうまくお金を注ぎ込んできた企業に、政府がお金を注ぎ込もうとしているのは不思議でしょうがない」と、グッドマンさんは述べた。ウォール街に蔓延する奇妙で歪んだ現実を反映したものだとも考えている。「熱心に働けば得をして、さらに一生懸命に働けばもっと得をするということだったはず。でも今は、それとは正反対みたい。私たちが1週間に60時間がむしゃらに働いても、1年で1 万2000ドル(約130万円)にしかならない。でも、ニューヨーク市のセントラルパークを見渡すビルの最上階で働いて長い昼食を楽しむ人たちは、 1200万ドル(約13億円)も稼いでいるのよ」
アレンタウンには、低賃金の仕事が山ほどある。ナンシー・ウッドさんは、地域の病院と提携する心疾患患者ケア施設の管理者だ。50代半ばで離婚歴のあるウッドさんの年収は2万2000ドル(約230万円)。アパート暮らしで、貯金はない。8時間のシフト勤務明けでインタビューに応じてくれた。
「お金持ちのために大金を費やしているのよ。全くの浪費だわ。私のような貧しい人には、絶対にそんな援助はしてくれない。私自身、体はかなりボロボロだわ。そんな無駄遣いをするなら、普通の人が手頃な費用で医療を受けられるようにすればいいのに。私はこの7年間、眼科にも行っていないのよ」
夜が来て、アレンタウン・ブリュー・ワークスが賑わい始めた。だが、アレンタウンのほかの事業者と同様、厳しさを増す経済情勢への対応が迫られている。「今回は、ネットバブルの崩壊よりも打撃ははるかに大きいと感じている」と語るのは、このビアレストランのビール醸造責任者であるボー・バーデン氏。「至る所でそれを感じるよ。職場でも、ガソリンスタンドでも、食料品店でもね」
このレストランのマーケティング責任者を務めるのはマイク・フェグレイ氏。店のオーナー家族の一員でもある同氏は、最近、メニューの見直しを手伝った。23ドル(約2400円)のステーキは姿を消した。新しく採用されたものの中には、11.99ドル(約1300円)のカニ料理「クラブ・スライダー」などだ。それでも、相変わらず1番人気のメニューは、すべて自然の素材を使用した2分の1ポンド(約230グラム)の大型ハンバーガーで、8.50 ドル(約900円)だ。火曜日には半額になる。
建築現場監督のデリック・デービスさん(42歳)はこの店の常連。独身のデービスさんは、通りを挟んだ真向かいのロフトアパートに住んでいる。クレジットカードを使うことはめったにない(貸金庫の中にしまい込んである)。そして、個人年金口座に収入の20%を貯蓄している。今でもだ。あまり買い物はしない。
「私の401k(確定拠出型年金)は損害を被っているが、誰も救済してはくれない。救済が経済に不可欠ならば、それでもいいさ。でも、会社の経営に失敗した人を救済すべきではないよ。それについてはひとこと文句がある。尻ぬぐいをするのは我々だ。ひどい失敗をしてボーナスを受け取るなんて、そんな馬鹿な話はない。自分の失敗の責任は自分で取ってもらいたいね」
金融安定化策は納税者にとって公平な措置と言えるだろうか。
9月23日に発表された米民間調査機関ピュー・リサーチ・センターの世論調査では、質問の仕方が穏やかな表現だったこともあり、回答者の57%が「金融機関と市場の安定を維持するために場合によっては巨額の公的資金を投じる」のが政府にとって正しい行動だと答えた。しかし、政府の金融問題への対処を「良い」または「非常に良い」と評価した人は19%にとどまっている。
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