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ロシア・・・ 石油製品の国内市場が飽和している問題  【ノーボスチ通信】
http://www.asyura2.com/08/hasan58/msg/714.html
投稿者 hou 日時 2008 年 10 月 04 日 23:27:08: HWYlsG4gs5FRk
 

(回答先: イランのノーザリ石油相・・・ 「1バレル100ドル以下は適当ではない」 【日経ネット】 投稿者 hou 日時 2008 年 10 月 04 日 23:09:55)

エネルギー相セルゲイ・シマトコは9月25日に、ロシアは世界の石油価格に与える影響を積極的に強くすると言明した。実際、ロシアは、石油採掘量では世界で2番目に位置する。しかし、現在、「黒い金(石油)」の価格は、世界最大級の産油国、サウジ・アラビアが石油の弁を緩めるか締めるか、そして、世界の石油市場で投機家がどのような行動を取るか、の2つの要素に影響を与えられる。シマトコ石油大臣は、このような状況の中で、どのようにしてロシアが世界の石油価格に影響を与え、何のために現在ロシアにとってそうすることが必要と考えるのか?

この2つの質問には答えがある。しかし、最初は、良く理解するために少し草創期時代のことを書こう。1990年代末と2000年前半の経済金融崩壊の後、ロシアは、自国の経済を極端に改善し、「黒い金」消費国の需要を満足し、(ソ連時代に製造されていた設備を稼動させることによって)石油採掘を2倍に増大した。このためのあらゆる可能性があったことは大変良いことだ。1998年には、世界市場の石油価格が1バレル10ドルまで下落していたならば、今世紀の始めからは、それは、(全世界で増大する石油需要と世界の石油生産の約40%を支配するOPEC石油カルテルの政策のお陰で)、安定的に上昇した。サウジ・アラビアのリーダーを長とするカルテル諸国は、「黒い金」の価格が容赦なくさらなる上昇を続けるために、産油を制限した。

現在、石油の世界市場の図式はどのようになっているのだろうか?アメリカや西ヨーロッパでの経済と燃料消費の鈍化にも拘らず、中国とインドからのエネルギー需要の堅固な伸びにより石油価格は今年始めには歴史上初めて心理的な伏目である1バレル100ドルを超え、現在はこの水準を若干上回った位置にある。投機家の尽力により、価格はさらに上に行く可能性がある。(2008年7月のように、1バレル150ドルまで行く可能性も否定できない)。

問題は、産油国には、策動のための場所が極端に少なくなっていることである。彼らのうち殆どすべては自由になるまだ稼動させていない採掘設備を殆ど持っていない。(日産で200万バレル産油できるまだ稼動させていない自由な設備を持っているサウジ・アラビアは除くが)。このため、1970年代半ばから2000年初めまで石油の平均価格は1バレル当たり15-30ドルの安定した範囲にあった。全世界の石油企業では、どの世代も、新しい採掘田の探索、ましてや、開発など、殆ど取組まなかった。

ロシアでの石油セクターの状況は大部分の産油国と似ている。ロシアの石油企業が2000年の半ばまでにソ連時代の遺産として引き継いだ設備を完全に稼動させてしまってからは、ロシアでの石油採掘高は極端に鈍化した。なぜなら、新しい採掘田の開発は極めて遅いテンポで行なわれていたからだ。2005年からは、採掘の物理的量は年間約2%増で推移している。今年については、ロシアの石油採掘量は、どうやら、若干、10%台の、下落することすらあり得る。喜ばしいことは、ソ連の地質学者は1980年末までは新しい採掘田の開発を行なっていたことだけである。従い、現在、ロシアには、いつでもすぐに取り掛かれるすでに名の知れた大型採掘田が十分にある(これらの油田は主に東シベリアと国内のヨーロッパ部の北方地域にある)。しかし、これは、資金面でも労力面でも非常に困難な作業であることを考えると、ロシアから(現在の日産970-980万バレルから)約2%程度の採掘量の年間の伸びを期待できるのは2009年から始まる比較的近い将来であろう。

形成された現況下で、ロシアの世界の石油価格への影響力を増大させるために、今年の5月にこのポストに任命されたエネルギー相のシマトゥコはどんなことを提案しているのか?特に、彼は、自国の産油高の予測を正確に行なうことを提案している。さらに、シマトゥコの意見では、新しい採掘田は今のところ触らず、しかし、十分に理解できる期間に稼動させる可能性を持つためにその採掘田を予備として持って置くことは面白い構想であるとのことである。しかし世界市場では恐らく誰も(直ぐに利益にはつながらない)この構想には興味を持たないだろう。

ロシアからは、少なくとも次の10年間の中間の時期までは、著しい石油増産を期待すべきではないという事実は、石油消費国の間では十分に知られていることである。1980年代末から「予備として保管されていた」、つまり、ロシアが使っていない炭化水素資源採掘田についても全世界に知られている。それでも、シマトゥコは、12月17日のOPECの次の会議でOPEC加盟国にロシアの新しいアプローチを説明する積もりでいる。ロシアはOPECには加盟しない。しかし、強力な石油カルテルとの相互協力のレヴェルを大幅に上げることを決定したというアプローチを。

私の見方では、ロシアの石油セクターでの第一番の課題は、石油価格を超高値水準に据え置くのではなく、産業側からそして自動車業界からの炭化水素燃料への急進的に増大する国内需要を満たすために、採掘量を増やすことである。このため根本的に必要なのは石油採掘企業の課税体制を変えることである。問題は、超割高な石油価格からの超過利益の大部分は、現在、石油企業に新しい採掘田の開発に投資する可能性を与えないで、国家が獲得する。従い、採掘量を増やすという課題の解決では、今の所、初期の弱々しいステップを踏んでいるところだ。

極めて先鋭化しているのは石油製品の国内市場が飽和している問題だ。その証拠になったのは、今年の夏から続いている航空輸送の国内市場での危機であった。この問題を解決するために、夏に、政府では、独占企業とは別の独立した新しい石油企業の設立を提案することが論議された。(ソ連時代からもそのような企業は設立はされなかった)。さらに、現在、サンクト-ペテルブルグ国際商品資源取引所で、石油製品の公平な市場価格を決めるために石油製品取引の開始が試みられている。これらの発案は、自分の部下のエネルギー相シマトゥコより明らかに遠大を見ている副首相でTEK(燃料エネルギー企業)の政府内監督者のイーゴリ・セチンが管理することになった。

それでも、政府も石油企業自身も、以前からの語形変化の体系の捕虜の身にある。つまり、石油採掘の発展と石油製品の国内市場を犠牲にした資源輸出から利益を引き出すという以前からの体系の捕虜になったままである。

このアプローチの証拠となったのは、9月に起こった石油輸出の前例のない特別扱いである。7-8月の高騰する世界の石油価格から計算して、10-11月の石油の輸出関税が、そもそも最初から、記録的な水準、1トン当たり485,5ドルに設定された。その結果輸出は魅力を失い、ロシア国内には石油が多く残り、従い、国内市場の石油と石油製品は安くならざるを得なくなった。現在ロシアの石油製品の値段は、石油輸入国での値段と同じになることが時折ある。実際、9月の最初の2週間は、石油の国内価格は前月比で40%も下落した。この下落はやがて石油製品国内市場にも移るのを待つしかなくなっていた。しかし、突然、9月18日に、政府は、石油の輸出関税をトン当たり372,2ドルまで極端に下げた。そのお陰で、輸出の効果が増大し、国内価格は前の値段に戻った。

政府が国内市場での価格が下がらないようにしてくれたことに対し政府に感謝の念を込めてロシアの石油独占企業は、価格を今後、3月1日まで、上げないことすら約束した。彼らの約束は、重油やエネルギー産業用のディーゼル輸出にも及ぶものだ。ガソリンについては話は及んでないが、この冬はガソリンは極端には安くはならないことは明らかだ。


 

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