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http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/10/post-e371.html
○麻生太郎氏の本心を見抜いた
神州の泉は日本経済復活の会の積極財政論を支持し、小野盛司会長の考え方を世間に広めたいと考えている。また、私は、わが国で最も傑出したエコノミストである植草一秀さんを強く応援している。小野さんも、植草さんも、これからの日本になくてはならない偉大な頭脳であるから、私はこれからも、この御両者を強く応援していくつもりだ。しかし、応援していくことに微塵の揺るぎはないが、百パーセント彼らの考え方、見方に同調するということももちろんあり得ない。人間であるから、必ず食い違う考え方は出てくるものだ。枝(えだ)的な部分で考え方が違うからと言って、その人物の全体的な考え方まで否定するのは愚かなことだ。だから、必要だと思ったら、個々に指摘したり反論すればいいことだ。植草さんは国民の幸福原理を基点にする考え方を持つ得がたい有識者である。彼は小泉政権の非道性に最も初期から気が付いて警告を発していたから、国策捜査に嵌められた。このように植草さんは偉大な憂国者でもあるから、これからの日本再建に絶対に必要である。時代が国難に瀕する時、歴史は必ず救国意志を示してくるが、植草さんは間違いなくその筆頭的人物である。
しかし、今回は麻生首相に対する見方で、小野さんと植草さんの考え方に食い違いが出ている。小野会長は積極財政論を実現してくれるなら、超党派で誰でも応援する姿勢であるから麻生氏に期待している。だがこれに関して言えば、私は植草さんを全面支持したい。麻生首相が政策理念の一貫性のなさでまったく信用が置けないことが、今日の自見庄三郎氏の国会代表質問で明らかになった。麻生氏がなぜ駄目か、その理由を説明してみたい。
今朝、NHKの国会中継で国民新党副代表・自見庄三郎氏が代表質問に立っていたので聞いていた。相変わらず舌鋒鋭く自公政権、特に小泉政権の政策本質に切り込み、痛快きわまる質問を放っていた。私が聞いたのは自見氏が「郵政民営化」について質問していた途中からだったが、彼が小泉・竹中両氏が強硬主導した郵政民営化の社会的失敗と、その国難的危険性を見事に衝いていた。自見氏は凄い。実に簡潔明瞭な質問であった。
自見氏は、当時の竹中平蔵郵政民営化担当大臣が、郵便局のユニバーサル・サービスが低下しないということと、地方郵便局が消滅しないことを確約したにも関わらず、民営化発動から一年経過した今日、郵便局の窓口業務が煩雑になったことや、地方郵便局が400近く消えたことを指摘して民営化の是非を問いかけた。同時に国民新党の党是でもあるが、郵政民営化の真の思惑が、郵便貯金銀行(JPゆうちょ銀行)、郵便保険会社(JPかんぽ生命)にある300兆円あまりの国民資産が外国資本に委ねられる危険性をどう思っているのかと質問した。
そうなのである。郵政民営化の真の危険は、国民に不利益な社会インフラの変化をはるかに凌ぐ、国難的事態を招いているのである。三角合併が解禁され、わが国にアメリカのような国益を保護する金融的防御壁、エクソン・フロリオ条項に該当する保護規定がない以上、ゆうちょ銀行とかんぽ生命が保有する莫大な郵政資金を外資の収奪計画から防衛することが喫緊の課題なのだ。だからこの法案の株式上場に向けての動きは即時凍結する必要がある。しかし、マスコミは一度もその真の危険を報道しない。それは国内マスメディアが国民の幸福とは対極的立場に立っているからだ。
自見氏の郵政民営化に対する質問に対し、麻生首相と野田聖子消費者行政担当大臣が答えた。自見氏も質問していたが、郵政公社の分社化は郵政事業体の脆弱化を招き、この分離が国際金融資本の参入に完全な道を拓(ひら)いたことは、何度も強調する必要がある。しかし、麻生氏、野田聖子氏の回答は実に短く素っ気なく、質問の本質から逃げているものだった。麻生氏の答弁は、民営化が国民のためになるように配慮する所存であるとか、まったく曖昧で意味不明であったし、野田氏の言い方も取るに足らない内容のないものだった。大体、野田聖子氏や外務大臣の中曽根弘文氏は、私から言わせれば、政治家の本分を捨てた最低な人種である。彼らは安部内閣の時、自民党復党を行ったが、この時、中川秀直元幹事長の踏み絵を踏んだ瞬間に、政治家として、また日本人として終わっているのだ。中川氏の踏み絵とは、復党条件は2005年の郵政解散における反党的な行為を自己批判し、郵政民営化を含む安倍政権の方針を順守することという内容を記載した誓約書に同意させることだった。
これに敢然と反対したのが平沼赳夫さんだった。彼こそ本物の政治家である。私は平沼さんが復党の意志を示した時、かなりの批判が出たのは知っていたが、この人物が敵地に入り込むのは、保身目的ではなく、安部氏を翻意させるために、自らトロイの木馬として内部から自民党を変革する目的だと見抜き、それをブログに書いた。この平沼さんの動きを懸念した中川氏は苦肉の策として踏み絵を作り、これを阻止したのである。この一事を持ってしても、中川秀直氏が典型的な売国議員であることがわかる。彼が日本経済復活の会に賛同するポーズを見せたが、私は当初からまったく信用していなかった。小野さんにも彼に気を許さないように何度か忠告した。
野田氏も、中曽根氏も、この踏み絵を踏むことによって人生を捨てたのである。馬鹿な人たちである。人生においては絶対に捨ててはならない良心というものがあるのだ。一生後悔するくらいなら議員生命を捨てるべきだ。郵政民営化こそが祖国日本を危うくする国難的売国法案なのだ。これに敢然と反旗を翻した議員さんたちこそが輝かしい未来に進める資格を持つ。しかし、これに魂を売った議員にはすでに一点も浮かぶ瀬はない。これは怜悧な現実だ。さて、野田氏や中曽根氏のようなヘタレは忘れて、麻生氏の話に戻そう。
今から一年前に、麻生氏と福田氏の総裁レースで、読売新聞や日本テレビが麻生氏のネガティブ・キャンペーンを行ない、福田氏の当選に持っていくように誘導報道した。その理由を私は本ブログ「マスコミが麻生氏劣勢の誘導報道を行なった理由(わけ)」に書いた。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2007/09/post_768c.html
麻生氏は郵政民営化法案が成立する一年前に、この売国法案を中心になって推し進めた竹中平蔵氏と、郵政公社の分社化について熾烈な論争を繰り返していたのだ。この当時の麻生氏は、郵政公社の分社化がハゲタカ系の外資にとって収奪作戦の必須条件であることに気が付いていた節がある。しかし、福田氏が総理になってある時間が経過した時、この政権の人気がないことを知った読売の主幹である渡辺恒雄氏は、あれほど嫌っていた麻生氏に今度は秋波を送って会っている。この時、アメリカの意向を汲んだナベツネと何らかの話がついた可能性がある。おそらく郵政民営化に手をつけないことを条件にして、総理の座を約束されたのだろう。今度は自公政権の犬であるマスコミは、麻生氏のネガティブ・キャンペーンをせずに、彼の人気を盛り上げて政権存続に力を貸している。
この推測はもちろん私個人のものだが、今日の自見議員に対する麻生首相の答弁に、郵政民営化に批判的だった昔の彼の面影は微塵もなかった。寝返ったのだ。というか、アメリカの圧力に屈したと考えるのが妥当だろう。したがって、麻生政権が地獄の小泉構造改革路線を踏襲することはほぼ確定的だと考える。郵政民営化は小泉氏が言ったように、構造改革路線の本丸である。つまり、表面で小泉政権の路線とは異なる路線を行くように見えても、それが嘘であることがよくわかるのだ。これから想起されることは、彼が行おうとしている積極財政政策も選挙対策としての一時的なものだろう。
彼は自公政権が存続したら間違いなく、小泉構造改革路線に突っ走る。今の段階では、小泉構造改革と逆ベクトルの方向性を志向するべきだ。しかしその際、気をつけなければならないことは、逆ベクトルを持つことは、以前の利権跋扈の政治に逆戻りすることだから、それも良くないことだというとらえ方だ。しかしやるべきことは以前の政治を修正していくことが重要なのであって戻ることではない。認識しなければならないことは、小泉政権が日本人の発意で作った自生的政権ではなくアメリカの傀儡政権であったという事実なのだ。だから、これが悪いとか良いとか言う次元ではなく、小泉構造改革路線は完全否定する必要がある。小泉政権が志向した国造りとは、日本人がけっして選んではならないアメリカのインセンティブによる国策パラダイムにほかならない。だから早急にやるべきことは、これを元の日本人の国政に戻すことだ。何度も言うが小泉政権はただの政策政権ではなく、アメリカを宗主国とする植民地的傀儡政権だったのだ。構造改革路線を継承するということはその路線が修正されないということと同義である。
自公政権は何としても否定されなければ国民に明日はない。この政権は嘘で塗り固められた反国益的な政権だ。だから、政権交代にしろ、政界再編成にしろ、小泉構造改革路線を踏襲する姿勢を持つ考え方が日本破壊の勢力になることは間違いない。これを見抜く試金石は郵政民営化に反対か賛成かである。民主党は国民新党の考え方を充分に取り入れて、二度と小泉的な悪政に戻らないように国政の刷新を図って欲しい。今の日本は国難的状況にあり、これを打開する宰相は坊ちゃん育ちの世襲議員であってはならないと思う。職人の場合と違い、政治家の世襲傾向は良くない。彼らは庶民の苦吟を感じるセンサーを持ち合わせず、基本的に国家のために命を賭ける度量を持たないような気がする。特に国家存亡時には世襲で占められている内閣は危ない。旧弊を打破すると華々しく登場して、国家をぼろぼろに傷つけた小泉氏の降壇が世襲継続だったとは、泣くことも笑うこともできない。
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