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http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20081001/58856
キヤノン訴訟の宮田さん「泣き寝入りしたくない」
(10月2日 05:00)
偽装請負労働を経て、直接雇用されたのに合理的理由がなく雇用を打ち切られたのは解雇権の乱用だとして、キヤノン宇都宮光学機器事業所(宇都宮市清原工業団地)の期間社員宮田裕司さん(29)が一日、キヤノンに地位保全と今年九月以降の月給約二十八万円の支払いを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。宮田さんは「安定雇用」を求める同僚とともに同日、東京都内で会見し「もう泣き寝入りしたくない」と語った。争点は「偽装請負時代から、実質的にキヤノンとの雇用関係にあったと認められるかどうか」(代理人)だ。
申立書によると、宮田さんは二〇〇六年三月から同事業所に勤務。雇用主は業務請負会社のアイラインだったが、キヤノンから直接、指揮命令を受けていた。昨年十月に最長二年十一カ月の期間社員として同社に直接雇用された。
同社は「業務の習熟が遅い」「工具合わせ作業ミスを発生させた」などの理由で、宮田さんとの契約を八月末で打ち切った。宮田さん側は「製品に損害を生じさせるものではなかった」と反論している。
会見で宮田さんは「もう泣き寝入りはうんざりなんです」と打ち明けた。
宮田さんは専門学校卒業後、別の企業で請負労働者として働いていた。何度か転職したが、正社員になったことはない。会社の都合で退職を余儀なくされたこともあるという。
同じく期間社員になったキヤノン非正規労働者組合の阿久津真一書記長(41)は「ほかにも契約を打ち切られたり、希望が見いだせずに辞めていった人がいる」と、期間社員の実情を訴えた。
偽装請負問題を受け、栃木労働局は昨年九月にキヤノンに安定雇用の措置を講じることなどを指導している。