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(回答先: 原田武夫 「米系有名投資銀行の破たん、実は“戦略倒産”だった?」…米国民の事だ?それより俺たちの生き残り(天下り)さ。 投稿者 新世紀人 日時 2008 年 10 月 02 日 12:53:34)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081001ddm008020192000c.html
エコナビ2008:米国発株安(その1) 金融当局、打つ手なし
<ECONOMIC NAVIGATOR>
米国の金融安定化法案が米下院で否決されたショックが、世界的な株価同時暴落など国際金融市場全体の危機に発展したことに、財務省や日銀など、日本の金融当局は、焦燥感を深めている。危機拡大を防ぐカギは、公的資金投入など、米当局の対応にかかっており、「米政治の動向を見守る以外、打つ手がないのが実情」(日本の財務省筋)だからだ。
◇短期市場、金利急騰 協調に限界「米の対応見守る」
「金融安定化法案が否決されるなんて夢にも思わなかった。米議会に法案を通せとも言えないし、日本がやれることは限られている」−−。財務省幹部は30日午後、日本やアジアの株価暴落のニュースに苦渋の表情を浮かべた。危機に歯止めを掛けるには、米国の公的資金投入が不可欠。だからこそ、ポールソン米財務長官が最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金投入による不良資産買い取り策を打ち出した直後の22日、先進7カ国財務相・中央銀行総裁(G7)は緊急に電話で協議。「米国が取った異例の措置を強く歓迎する」との共同声明を出し、金融安定化法案が米議会で早期に成立するよう後押しした。
日銀は29日、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などと協調し、金融機関が資金を融通し合う短期金融市場へのドル資金の協調供給を大幅に拡充、欧米金融機関の資金繰りを支え続けた。
だが、30日の東京市場では無担保コール翌日物金利が最高で1%に急上昇し、日銀の誘導目標である0・5%を大幅に上回った。同日のロンドン銀行間取引金利(LIBOR)のドル建て翌日物も、前日の2・56%から6・87%に急騰、過去最高の上げ幅を記録した。
「(金融危機の背後には)米金融機関の不良資産や資本不足の問題がある。流動性対策だけでは解決しない」(日銀幹部)。米国が本格的な公的支援に乗り出さなければ、市場の動揺は収まらない。
危機感を深めた欧州連合(EU)議長国の仏サルコジ大統領は29日、日米など主要国に危機打開に向けた緊急首脳会議開催を呼びかけた。しかし「仮に日米欧が協調利下げに踏み切っても、金融危機収拾への効果は期待できない」(国際金融筋)状況の中で会議を開いても逆に市場の失望を呼ぶ恐れさえある。来週末には米ワシントンでG7も予定されるが、共同声明作りなど日米欧の事前準備は進まず、「当面は米政治の動向を見守るしかない」(財務省筋)厳しい状況が続く。【須佐美玲子、赤間清広】
◇邦銀に影響波及 含み益急減、出資の損失処理も
中間決算の期末だった30日に日米の株価が急落したことは、日本の金融機関にも痛手だ。邦銀は米金融機関に相次いで出資したが、米株価の下落が続けば多額の損失を抱える。大手行は景気後退で業績が伸び悩んでいる。その中で、経営体力が低下すれば、融資に慎重な姿勢を強め、企業倒産増を引き起こしかねない。
30日の日経平均株価の終値は年初来安値の1万1259円。第一生命経済研究所の試算によると、大手行6グループの保有株の含み益は、3月末の3・9兆円から2・8兆円に急減する。経営の健全性を示す自己資本比率の低下は必至だ。
含み益にはまだ余裕があるため、大手行の経営を左右するほどではない。ただ、破綻(はたん)した米リーマン・ブラザーズ向け融資の焦げ付きなどにより大手行全体で総額1300億円の損失が判明した。
さらに、三菱UFJフィナンシャル・グループは、米モルガン・スタンレーに9500億円の出資を決めたが、このうち約3000億円分の普通株の取得価格は25・25ドル。モルガン株は29日、21ドルに下落しており、株価の低迷が続くと、三菱UFJは多額の損失処理を迫られる。
大手行の貸し出し姿勢が慎重になると、体力の弱い中小企業などで倒産が広がる恐れがある。
生保各社でも日本生命保険の9月末の保有株の含み益が3月末比で8000億円減の3兆4000億円となる見通し。朝日生命保険は保有株の含み損が3月末から800億円増えて1100億円となる見通しだ。【斉藤望、辻本貴洋】
◇経済恐慌懸念、早すぎる−−高尾義一・朝日ライフアセットマネジメント常務執行役員
現状では金融以外の米国産業はそれほど深刻な影響を受けておらず、経済恐慌の懸念を抱くのは早すぎる。ただ、金融危機対応の遅れは実体経済の低迷を招き、金融機関の経営をさらに悪化させる悪循環につながる。そうなれば、比較的堅調な新興国経済も崩れかねない。金融不安が欧州にも広く波及しつつある状況を見ると、もはや米国だけで解決できる問題ではなくなっている。金融機関の不良資産開示▽原因の究明▽経営責任の明確化▽問題解決のための制度改革−−をセットにした対策を協調して実施する必要がある。
◇景気、さらに打撃の恐れ−−翁百合・日本総合研究所理事
本格的な公的資金の活用を盛り込んだ米国の金融安定化法案への期待が高かっただけに、米下院による同法案否決の影響は大きい。市場では信用収縮が進み、米国経済への深刻な影響も懸念される。米政府や議会は一刻も早く公的支援による政策対応を実現すべきだ。短期金融市場などでは信用リスクが高まり、ドル資金調達がさらに逼迫(ひっぱく)する恐れがあり、各国中央銀行は市場への流動性供給での協調を強化する必要もある。対米輸出の一段の落ち込みや、企業の資金調達難などで、悪化している日本の景気がさらに打撃を受ける恐れがある。
毎日新聞 2008年10月1日 東京朝刊
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