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世界恐慌回避・米景気回復の茨の道 (米下院で金融安定化法案が否決!その後を考察 その2)
http://www.asyura2.com/08/hasan58/msg/638.html
投稿者 Ddog 日時 2008 年 10 月 02 日 00:29:41: ZR5JcjFY1l.PQ
 

今は、世界恐慌の崖縁に立って入るが、まだ世界恐慌に真っ逆さまに堕ちないであろう。厳しいながらも今後の道筋は見えなくも無い。

【日経ビジネスオンライン】

■法案否決、それでも「市場原理主義」は生き残る
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080930/172152/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080930/172152/?P=2&ST=sp_act
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最大7000億ドルに上る公的資金を投入する金融安定化法案が9月29日、米下院で否決された。一般大衆の税金を使って、「金持ちクラブ」とも言えるウォール街を救済する構図に納得できない政治家が予想以上に多かった。

別の理由もありそうだ。7000億ドルの投入によって、米国経済の心臓部であるウォール街が実質的に政府監視下に置かれる。民間セクターへの政府介入としては前代未聞の規模になるのだ。

 米国は自由放任主義を標榜し、市場経済に立脚した資本主義世界を過去1世紀にわたってリードしてきた。いわば市場原理主義の本家本元であり、過剰な政府介入は米国的な価値観と相いれない。この文脈で金融安定化法案の否決をとらえることも可能だ。

■「自由放任」から「政府介入」

欧州やアジアでは、政治家や経営者の多くがウォール街の崩壊を見て留飲を下げているようだ。無理もない。例えば1997年のアジア通貨危機の際、アジア各国で米国流市場原理主義に対する不満が噴出した。マレーシアのマハティール首相は「アジア的価値観」を唱え、米系ヘッジファンドを標的にした空売り規制の導入で株価を維持しようとした。

 空売りは将来の相場下落で利益を得ようとする取引であり、ヘッジファンドが多用する手法だ。米系ヘッジファンドは反発し、アジア流資本主義を「クローニーキャピタリズム(縁故資本主義)」と決めつけた。

 何とも皮肉なことである。サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題をきっかけにした金融危機を受け、今度は米国が自国市場で空売り規制の導入を決めたのだ。大幅下落が続く金融株を対象に空売りを規制し、株価を維持しようと考えた結果だ。

 米国が「自由放任」から「政府介入」へカジを切り替えた影響は大きい。欧州やアジアの主要国が雪崩を打って空売り規制に乗り出した。あたかも世界中が「市場にすべてを任せるのは間違い」と言い、市場原理主義に反旗を翻しているようだ。

 しかし、今年の世界長者番付の首位に躍り出た著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、市場原理主義の将来に賭けているようだ。

 2000年にピークを迎えたIT(情報技術)バブル期、バフェット氏は「ハイテクは分からない」として、ハイテク株にいっさい手を出さなかった。「市場原理主義の申し子」とも言える投資銀行を毛嫌いしていることでも有名だ。

にもかかわらず、自ら経営する投資会社バークシャー・ハザウェイを通じて、「最強の投資銀行」ゴールドマン・サックスに最大100億ドル(1兆円以上)投じることを決めたのだ。ウォール街が大恐慌以来の危機に直面している真っ只中に、である。

 バフェット氏は米経済テレビ局に登場し、ゴールドマンへの出資について「頭脳を買った」とコメントした。ウォール街は、米国の競争力の源泉である知識集約型産業の典型だ。ゴールドマンが保有する人的資産の価値と比べて同社株があまりに割安になり、「割安株投資家」としての本能がうずいたようだ。

■『政府は問題を解決してくれない。政府こそが問題だ』

「歴史を振り返ると、危機をきっかけに政府介入を一時的に強めることはあっても、米国が1世紀以上にわたって市場経済を信奉してきたことが分かる。
第1次大戦前まで、米国には中央銀行も存在せず、有力金融財閥モルガン商会(現在のJPモルガン・チェース)が実質的に中央銀行の役割を担っていた。1929年のニューヨーク株大暴落に端を発した大恐慌を受けて、当時の政府は市場への介入を強めて「大きな政府」を目指したものの、第2次大戦後は再び「小さな政府」に戻った。
 特に1980年代のロナルド・レーガン政権時代だ。レーガン大統領は「政府は問題を解決してくれない。政府こそが問題だ」と唱え、規制緩和や民営化、大幅減税に乗り出した。この結果、米国はベトナム戦争や石油危機の後遺症から抜け出し、再び世界をリードし始めた。この延長線上に小泉純一郎政権による郵政民営化もある。
 「小さな政府」は市場原理主義と名を変えて、世界に広まったのである。現在の金融危機は、大恐慌以来の政府介入を招き、「大きな政府」へ回帰するきっかけになるのだろうか。

■『ヘッジファンドは悪玉なのか』

単純に「大きな政府」へ逆戻りすることはないだろう。理由は2つある。1つは1991年に社会主義陣営の盟主、ソ連が崩壊したことだ。その結果、政府が全面的に経済に介入する計画経済モデルは機能しないと見なされるようになった。
 もう1つは1960年代に西側先進国が採用した「大きな政府」の失敗だ。例えば、「ゆりかごから墓場まで」を標榜して英国は高福祉国家を目指したものの、財政赤字のたれ流しで経済的活力を失い「英国病」に陥った。成功例は、人口が少なく経済規模も小さい北欧諸国などに限られている。
 米国的価値観に相いれない点も考慮すれば、米国が意図して「大きな政府」へ戻ることはないだろう。市場原理主義の行き過ぎが問題であるように、過剰な政府介入もまた問題であるのだ。
 例えば、今回の金融危機で空売り規制の標的にされたヘッジファンドは、市場原理主義の急先鋒で、悪玉に挙げられやすい。しかし、2001年に破綻したエネルギー大手エンロンの不正をいち早く見抜いたのもヘッジファンドだ。

■『ほかに代わるべきモデルはあるのか』

1990年代以降、ハイテクのシリコンバレー、娯楽のハリウッド、金融のウォール街を原動力に米国は経済的に復活し、世界から羨望のまなざしで見られた。インターネットなどの先端分野で世界を牽引し、政府介入を嫌う米国モデルを世界に広めた。シリコンバレーがワシントンとの接触をひどく嫌っていたのは有名な話だ。
 今回の金融危機をきっかけに、世界での米国の地位は揺らぎ始めた。だからといって、米国に取って代わる国や地域はあるだろうか。急速に台頭してきた中国やロシアは経済的に発展段階にあるし、政治的に不透明要因が多い。一方、EU(欧州連合)は政治的にも経済的にも安定しているとはいえ、米国ほどの活力には欠けている。しかも、なお多数国の寄せ集めで、1つにまとまりにくい。
 結局、今回の金融危機が一段落し、新秩序を構築しようとすれば、改めて米国を軸に考えざるを得ない。技術革新や起業家精神などを促して富を創造するモデルが、自由で開かれた市場経済であると信じる限り、である。ほかに代わるべきモデルがない現在、市場原理主義は形を変えながらも生き残るだろう。バフェット氏もそのように考えているに違いない
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「[http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/17219232.html / ドルの基軸通貨からの退位は、時期尚早である。(戦後の米ドル経済小史)]」にも書きましたが、ドルに代わるものは今のところありません。
目先金価格が上昇するかもしれないが、ドルを決済通貨の役割を終了させ、代わって金本位制に戻ることは絶対に無いだろう。

今回、米ドルを調達するのに汲々としている時に、ドルの暴落は無い。せいぜい円ドルで100円〜103円までであろう。米国の景気回復後、米金利の上昇と共に、米国債の換金が出始めた頃は、ドル安が急速に進むと読むべきだと思います。

米国経済マーケットは、金融再生化法案が否決されたことで、まだ一段と下落する確率は高い。ただ、大手金融機関に関する整理はひとまず一段落下可能性がある。元財務長官ルービン氏が顧問を勤めるシティグループが10月16日決算発表がある。既に資金調達はできているが、その範囲内で間に合うのかどうか?10月16日で何事も無ければ大手の再編は終了するだろう。

しかし、中小の金融機関の整理はこれからだ。これまで12行が淘汰されたが、危ないとされる金融機関は117行もある。これから100行も潰れる可能性がある。
中小金融機関の明暗を決めるのは住宅価格と景気対策である。

米国の新築の在庫は現在急速に減少しているが、中古の在庫が積みあがり、来年末まで住宅在庫、住宅価格は下落し続けるで、景気の後退は続く。→中小金融機関の破綻は不可避

大手の金融機関の処理がひと段落後→中小地銀が破綻・非金融機関の業績悪化・景気指標の悪化→金融株以外株価の一段の下落→政府の危機の認識→新た金融政策の実行→2%のFFレートを1%程度まで年末年始、年末商戦が悪かったことを見届けてから利下げを行う。

新景気対策は新大統領就任演説においてなされる。また、オバマとマケインでは異なる。

オバマ民主党→労働者寄り・大きな政府→歳出拡大→補助金公共投資
マケイン共和党→企業寄り・小さな政府→減税・所得税を均等に減税。

非金融株の下落でNY市場が9000ドルの前半まで下落したあと、金融政策と景気対策を適切に行えば、世界恐慌回避・景気回復の目がある。

【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/17739515.html
 

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