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貯蓄好きだからといって臆病者と言えないそれなりの理由(KlugView)
2008/10/01 (水) 19:04
日本銀行の預金・貸出残高によると、定期預金の残高はここ2年ほど拡大を続けています。定期預金残高は、2006年9月から2008年7月まで23カ月連続でプラスを続けており、2008年7月の伸び(前年比)は、6.1%と伸びが拡大しています。
銀行によって異なるものの、定期預金金利は1年物で0.4%程度です。一方、投資をする上で代表的な商品といわれる投資信託の期待リターンは、(商品によって異なるものの)5%程度とされてます。日本では「貯蓄から投資へ」のキャッチフレーズがそれなりに普及しているようです。しかし、5%程度のリターンが期待される投資信託ではなく、0.4%程度の定期預金に資金を積み増す姿を、低いリターンの貯蓄を好む一方で、高いリターンが期待される投資に踏み切れない臆病な姿と重ね合わせる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、投資にかかわる様々なコストを考えると、日本に住む方々が単に臆病だから投資(特に投資信託)を控えているわけではないように思えます。たとえば投資信託の場合、商品を購入する際に販売手数料を支払う必要があります。販売手数料は、商品によって異なるものの、高い場合、3%程度を設定されることもあります。
最近では販売手数料がゼロの投資信託も数多く出現しているので、投資信託の実質リターンは、以前ほど低くないとの声もあります。しかし、投資信託には、信託報酬という手数料が、販売手数料とは別に存在します。信託報酬は、投資信託を運用する運用会社や販売会社の収益となりますので、販売手数料のようにゼロになることはありません。一般的に信託報酬は、低くても1%程度が設定されています。
投資信託には、販売手数料、信託報酬だけでなく、信託財産留保という手数料があります。信託財産留保とは、投資信託を解約する際に支払う手数料で、0.5〜1%程度が設定されることが多いようです。
定期預金の場合、たとえ解約したとしても、元本はすぐに現金として受け取ることができます。一方、投資信託の場合、仮に解約したとしても、早くて翌日、遅い場合は1週間以上かかることもあります。何か突発的なことが生じ、すぐさま現金が必要なとき、投資信託では対応できないことになります。
そもそも投資信託のリターンは、定期預金のように確定しているものではなく、あくまで「期待」するものです。仮に期待リターンが5%としても、5割の確率でリターンが10%になる商品の場合、残り5割の確率でリターンがゼロになることを意味します。あくまで例でしかありませんが、仮に期待リターンが5%であったとしても、ある年のリターンが3%程度しかなかった場合、信託報酬を1%、信託財産留保0.5%とすると、実質的なリターンは1.5%程度になります。これに販売手数料が加われば、投資信託によっては、実質的なリターンが定期預金よりも低くなることになります。
すぐさま現金化できるメリットを、どれくらいのリターンに換算するかは個人によって異なりますが、現金化できるというメリットは、一種のリターンと考えることができます。こうした点まで考えた実質的なリターンを考えると、定期預金のリターンは、投資信託のリターンと遜色ないと言えなくもありません。貯蓄を嗜好する傾向が強いから、もしくは投資に対して積極的になれないからといって、日本に住む方々を臆病呼ばわりすることは、あまり合理的なこととはいえないと思われます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
定期預金(1年物)の金利はだいたいどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
0.4%くらい
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/10/01/003712.php