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ポルシェ出資35%に拡大、VW側、反発の動き強める、地元州、労組・従業員と結束。2008/09/18, 日経産業新聞, 4ページ, 有, 1075文字
ポルシェ、出資35%に拡大
大株主の地元州 労組・従業員と結束
【フランクフルト=後藤未知夫】独ポルシェは十六日、独フォルクスワーゲン(VW)の持ち株比率(議決権ベース)を三一%から三五%に引き上げた。外資の買収から守る名目で資本参加して三年。VWの株主総会の決議を左右できる実質的な支配権を握ったことになる。だが影響力の強まりやリストラなどを懸念するVW側のポルシェに反発する動きが急浮上。好調な本業とは裏腹に「トヨタ自動車を目指す」というポルシェ
―VW連合の不協和音が高まっている。
「(持ち株比率の引き上げは)VW株の過半数取得に向けた一里塚」――。ポルシェのヴェンデリン・ヴィーデキング社長は十六日の声明でこう述べた。競争法上の審査は九月中にも完了する見通しで、ポルシェは数カ月以内に持ち株比率を過半数に引き上げる意向を強調した。
しかしVWは「普通の会社」ではない。VWに二〇%を出資する二位株主の地元ニーダーザクセン州が「拒否権」を保持。連邦政府が改正を目指すVW法は欧州連合(EU)の欧州司法裁判所の判決を受けて大株主の議決権行使の制限は撤廃したものの、通常の会社が二五%で線引きする拒否権は二〇%で行使できる。
ポルシェが過半数の株式を取得しても、ニーダーザクセン州の反対でリストラなどが決められない事態があり得る。
VW従業員の多くが加入する金属労組(IGメタル)は、本社と主要生産拠点が集まるニーダーザクセン州の拒否権を支持する。さらにVW株を保有するポルシェの持ち株会社への経営参加を巡り、VW従業員で構成する経営協議会とポルシェも対立する。
「反ポルシェ」で一致する従業員・労組と地元ニーダーザクセン州が結束する一方、ポルシェも譲らずに膠着(こうちゃく)状態。そこへ今度はポルシェのオーナー家の中でも不協和音が生じる“事件”が起きた。
VWは今月十二日、最高意思決定機関の監査役会を開催。そこでVWが九九%出資する子会社のアウディとポルシェが共同事業を進める場合には「VWの監査役会による承認が必要」という新たな内規を決定した。
アウディでは、ヴィーデキング氏らポルシェの経営陣が監査役に就任済み。何事にもVWの監査役会の承認を得るのは明らかに遠回りだ。
VWから見れば、アウディにはスポーツ車の競合車種もあり、頭越しにポルシェの影響力が強まるのは避けたい。
【図・写真】ポルシェのヴィーデキング社長(右)とポルシェ監査役会長=AP
【図・写真】約4万人のVW従業員らが、ポルシェに反発してVW本社で集会を開いた(9月12日)=AP