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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu176.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国政府の決断が遅れれば遅れるほど、株式市場、債券市場
が危ない金融機関に退場の宣告を下し、それが危機を増幅する。
2008年9月26日 金曜日
◆金融危機対策、合意至らず 米議会は26兆円提案 9月26日 共同通信
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008092601000046.html
【ワシントン25日共同=杉本一朗】ブッシュ米大統領と議会指導部は25日、公的資金7000億ドル(約75兆円)で不良資産を買い取る金融危機対策法案について協議したが、合意には至らず継続協議となった。議会は同日、当初の投入額を2500億ドル(約26兆円)にするよう提案したが、共和党の一部が公的資金投入に強い反対論を示した。政府・議会の調整の行方は不透明になった。
協議には民主、共和両党の大統領候補であるオバマ、マケイン両上院議員も出席、超党派による合意を目指した。ただ「小さな政府」を目指し、政府介入を嫌う共和党保守派が対案を出すなど、足並みの乱れも目立つ。議会ではポールソン財務長官らも交え、調整が続いた。
上下両院指導部が25日に提示した議会案は、政府が要請した公的資金枠7000億ドルを認めた上で、当初投入額を2500億ドルに抑制し、緊急時に大統領が1000億ドル追加する措置を認めた。しかし、残りの資金枠3500億ドルの使用を拒否できると明記し、政府の権限に歯止めをかけた。
◆米国の金融危機が終わっていない3つの理由 9月25日 原 英次郎
http://diamond.jp/series/analysis/10034/
翻ってアメリカはどうか。9月18日には日米欧の中央銀行が共同して、、総額1800億ドル(約19兆円)に上るドル資金を金融市場に供給すると発表したが、これが資金繰り破綻が起きないようにするリクイディティ対策で、緊急措置に過ぎない。この対策で時間を稼いでいる間に、ソルベンシー問題に解決の道をつなけらばないのだ。しかしである。どこに公的資金を投入すれば、もっとも効果的で、効率的であるかすら定かではない。関係者があまりにも多いからである。
サブプライムローンを中心とする住宅ローンが証券化され、その証券化商品が世界中にばらまかれた。関係者は住宅ローンを実行した銀行や住宅ローン会社、証券化商品を「製造」すべく、これを買い取り膨大な不良債権を抱えてしまった大手銀行やリーマン・ブラザースなどの投資銀行(日本の証券会社に近い)、証券化商品に投資した世界中の銀行、ヘッジファンド。厄介なことに、銀行の連結対象とならない実質子会社も、これに投資していた。かつて、日本の銀行が連結対象とならない関連ノンバンクを経由して、不動産融資に走り、傷を大きくしたのとよく似ている。さらに、こうした証券化商品を保証していた保険会社のAIGにまで、経営不安が広がった。
関係者があまりに多岐にわたっているため、さしもの米国金融当局もソルベンシー不足の金融機関を特定できないし、どの機関を救済するのか、そのルールも確立できないでいる。
となれば、結局のところ、政府が金融危機の大本である住宅ローンを買い取って、不良債権を関係機関から分離するしかない。米国政府が最大7000億ドル(約74兆円)を投じて不良債権を買い取ると表明したのも、他に有効な手段がないからにほかならない。それでも実行段階では、まだ越えなくてはならないハードルは多い。常識がある人ならすぐにいくつか思い当たるだろう。
第1はどの機関まで不良債権の買い取り対象とするかである。ちなみに米国の投資銀行(インベストメントバンク)は、日本の銀行法のように根拠となる法律すらない。例えば、トップのゴールドマン・サックスは、総資産が1兆ドルを超える巨大金融機関であるにもかかわらず、である。バンクとは名ばかりで、銀行規制にも服していなければ、預金保険の対象でもない。逆に、第3位のメリルリンチが大手銀行のバンク・オブ・アメリカに救済合併されたり、2位のモルガン・スタンレーが銀行持ち株会社への移行を表明したのは、公的資金を念頭にした深謀遠慮があるのだろう。
第2が買い取りの価格をどうするかだ。そもそも、こうした証券化商品は今や取引がないので適正な価格算定すら難しい。かといって、買い取り価格を高くすれば、売り手側の損失は小さくなるが、政府・国民の負担は増える。買い取り価格を低くすればするほど、売り手の損失が膨らみ、債務超過に陥るかもしれない。果たして、そのような取引に売り手が応じるのだろうか。
よしんば強制的に買い取ったとして、次々と債務超過の機関が出てくれば、金融危機が再燃する恐れがある。つまり、日本同様に公的資金を投入して資本を増強し、ソルベンシ―を回復させる政策とパッケージでなければ、危機は防げない。第3のハードルは米国政府が、そこまで踏み込むかどうかである。
1998年の日本では、参議院選挙で自民党が大敗した結果、リーダシップ不在となり、与野党のみならず、自民党内でも権力闘争が激化したことが、危機に拍車をかけた。米国も大統領選挙直前であり、党派を超えて素早く結論が出せるのかどうか。公的資金をどの機関に投入するのか。そもそも預金と違い、投資商品は得も損も自己責任で引き受けるのが筋ではないのか。議論は堂々巡りする可能性がある。
日本金融不安の第1波が1992年だとすれば、金融危機がほぼ終息したのは、大規模な公的資金の投入が決定される1998年。危機が終息するまでに、実に6年の歳月を要した。さらに、危機への対処に時間がかかったため、バブル崩壊による不良債権に、長期不況による不良債権が加わって、本当の解決までにはさらに5〜6年を要した。
日本は金融危機の際、米国から対処のスピードが遅いと、厳しい「ご指導」を受けた。日本政府は貴重な経験をもとに、いま米国政府に対して、断固たる行動を求める時ではないのだろうか。なぜなら、彼の国は市場原理を信奉しているからである。決断と行動のスピードが問われている。決断が遅れれば遅れるほど、株式市場、債券市場が危ない金融機関に退場の宣告を下し、それが危機を増幅するからである。
(私のコメント)
最近は次から次へと大ニュースがラッシュアワーのように放出されるので、読むだけでも骨が折れます。麻生内閣の発足もそうだし、小泉元首相の政界引退も大ニュースだ。北朝鮮では金正日が倒れて北朝鮮のメルトダウンが迫ってきているようだ。しかしそれよりも格段に大きなメルトダウンがウォール街から発生してしまった。
バブル崩壊に続く金融危機なら日本人なら誰もが体験した事なのですが、アメリカ人はまだバブルの余韻から目が覚めてはいない。まだ金融危機は一時的なものであり政府が手を打てば落ち着くと見ている人がほとんどだろう。サブプライムの問題が表面化したのは去年の夏の事であり、リーマンを初めとして投資銀行が整理されたが、大手銀行の問題が表面化するのはこれからだ。
日本の経験からすれば、不良債権は公的資金で早く片付けてしまう事が必要ですが、やはり国民感情として莫大な報酬を貰ってきた経営者に対するモラルハザードの問題は避けて通る事はできない。税金で不良債権を買い取る以上は納税者の了解を得なければならず、政府だけでは出来ない。
米議会でも金融危機対策法案が難航しているようですが、大手銀行が幾つか倒産しなければ国民の了解が得られないのではないだろうか? 日本でも公的資金が動き始めたのは山一などの証券会社や北拓などの銀行が潰れはじめてようやく国会も動き始めた。
日本の銀行は含み資産を大量に持っていたから不良債権もなかなか整理が進まず、一気に破綻騒ぎにはなりませんでしたが、アメリカの場合は時価会計が直撃して債券相場が破綻してしまうと一気に投資銀行などの破綻騒ぎになってしまった。大手銀行なども欠損を小出しにしながら先送りしていますが、政府も見て見ぬふりをしている。
90年代はアメリカ政府高官が日本政府に対してああしろこうしろとアドバイスと称して関与してきましたが、今はそれを忘れてしまったかのような「民から公へ」の国有化政策でアメリカは社会主義国家に変身してしまったかのようだ。新自由主義経済はどうなったのでしょうか? 小さな政府もお笑い種であり、ハゲタカ達もアメリカ市場を食い尽くした後はさっさと南の島へ飛び去った。
日本のエコノミスト達も米英の資本主義を見習えと金融立国を主張していましたが、総本山のアメリカが金融破綻してしまって日本に泣きついて来ている。やはり経済は物作りが基本であり、製造業がしっかりしていれば金融がおかしくなっても何とか持ち応える事ができるが、アメリカは製造業が空洞化して金融業と不動産業でアメリカ経済を支えてきた。
確かに金融や不動産は儲かる時はべらぼうに儲かるから、金融や不動産の経営者やマネージャー達は高額の報酬を貰い、製造業など中国に任せてバカにしきっていた。博打でぼろ儲けをすると病み付きになって真面目に働くことがバカバカしくなり、このような風潮がアメリカ人を蝕んで行った。
ちょうどアリとキリギリスの童話のような話ですが、アメリカやイギリスは先祖が海賊であり、博打が大好きで戦争好きだ。真面目にコツコツ物を作る事には向いていない。ドイツ系移民が多かった頃は機械工業なや自動車工業など世界一の製造業大国だったのですが、日本やドイツに追いつかれると金融業や情報産業に切り替えて金融立国を目指すようになった。
アメリカは金融立国を目指す事になったのもユダヤ系アメリカ人が得意な分野であり、ニューヨークで石を投げれば金融マンか弁護士に当たるといわれるくらいだ。つまりドイツ的なアメリカからユダヤ的なアメリカに変わって行ったのですが、金融立国も破綻した。やがては中南米的なアメリカに変わって行ってアメリカはやがてラテンアメリカになる。
金融業は製造業に付随した産業であり、カネが異動するだけの産業だけで国家が成り立つはずがない。現にアメリカは中国やアメリカから物を買って慢性的な経常赤字の国となり、金融がダメになればアメリカもお終いだ。残っているのはサービス業とソフト産業ですがインドなどへのアウトソーシングが進んでこれも空洞化している。
アメリカはこの後どうしたらいいのだろうか? 軍事力だけは健在ですが、やはり戦争で一発逆転を狙うのだろうか? しかしイラクやアフガニスタンで行なわれているようなゲリラ戦はアメリカは苦手でありベトナムでも苦しんだ。つまり戦争で一発逆転の世界ではなくなりアメリカは打つ手がなくなった。
アメリカの議会が金融危機対策法案に難色を示すのは、モラルハザードの問題であり、詐欺的商品を作り出して一部の人間だけが巨額な報酬を得るシステムだからだ。経営者達は会社が破綻したところで我関せずでツケを政府に回してくる。それに対して政府は投資銀行を整理する事で金融危機を乗り切るつもりのようですが、FBIは捜査に乗り出して経営者に経営責任を問われるのだろう。
◆GS、モルガンの「銀行持ち株会社」転換 投資銀行全滅を招いた戦犯は誰か? 9月26日 町田徹
http://diamond.jp/series/machida/10045/?page=4
投資銀行経営者の巨額な報酬への怒り
やや下世話な話で恐縮だが、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの2社が銀行持ち株会社への転換を決断した背景として、庶民感覚では考えられない高額の報酬をウォ−ル街の経営者たちが得ていたことや、それらに対する素朴な反発があったことは無視できない。つまり、税金を投入して、高額所得者たちの不始末の尻拭いをするのは納得できないという反発がイチバン大きかったのだ。
実は、ある米投資銀行の中堅幹部が「以前は同僚だったが、とても庇う気になれない」と批判するような破廉恥な話が今回のメリル・リンチの破綻劇の最中にも起きたことは決定的だったらしい。
それは、今夏、メリル・リンチに移籍して、トレーディング部門の責任者に就いたばかりのトーマス・モンタグ氏と、そのボスのジョン・セインCEO(最高経営責任者)を巡る話である。
このモンタグ氏は、同じゴールドマン・サックス出身のセイン氏に巨額の報酬でヘッドハンティングされた人物だ。中堅幹部によると、「(2人はバンク・オブ・アメリカへの)メリル・リンチの身売り交渉を始めるに当たって、まず、自分たちへの経済的保証の確認を求め、その了解を得てから交渉に入った」という。なんと、部下の6万人の雇用が危ういというときに、2人のトップは、自分たちの経済的な保身を優先したというのだ。
その結果、2人が獲得した保証の中身は、米通信社ブルームバーグが報じている。それによると、「セイン氏が合併後の新会社に入社しない場合、1100万ドル相当の新会社株を受け取る」「モンタグ氏は、メリル・リンチへの移籍時に貰うことに決まっていた2008年分の3900万ドルのボーナスとは別に、今回の合併に伴って解雇・降格される場合、3000万ドル相当の株と640万ドル相当のオプションを受け取れる」という。
日頃は身内で経営のトップの椅子を分け合い、庶民感覚で考えられない巨額の報酬を受け取ったうえ、いざ会社が破綻の瀬戸際に直面すると多くの従業員の失業の危機を顧みず、抜かりなく自己保身に走る――。
それが直接、今回の金融恐慌の引き金となったかどうかは別として、そんな経営者たちが跋扈していることに、洋の東西を問わず、世間の怒りを抑えるのは難しい。
だからこそ、冒頭で紹介したように、マケイン氏を始めとしたワシントンの政治家たちは、ビジネス・モデルとしての投資銀行を格好の生贄とみて、鉄槌を下そうとしたのだ。
ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの2社は、長年親しんだ投資銀行の看板を捨てて、銀行持ち株会社として存続を図る以外の道がなかったといえる。
誰あろう。投資銀行を絶滅に追いやった張本人は、強欲な投資銀行の経営者たち自身だったのである。