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対岸の火事ではない事業環境の悪化と融資姿勢の厳格化のセット(KlugView)
2008/09/25 (木) 16:01
不動産投資や賃貸住宅の滞納家賃の保証を展開してきた東証マザーズ上場のリプラスは、9月24日、東京地裁に破産手続き開始を申し立て、開始決定を受けました。負債総額は約326億です。リプラスは、上場不動産投資信託(Jリート)「リプラス・レジデンシャル投資法人」の設立母体で、リート設立母体の倒産は初めてとなります。
リプラスの最終利益は、2007年12月期に11億8千万円ありましたが、08年6月中間期は32億円の赤字となっています。報道によると、リプラスは、米国のサブプライムローン問題の影響で資金調達が難しくなり、滞納家賃の代位弁済などの運転資金が確保できず破産したようです。
ここ数ヶ月、新興の不動産業者の破綻を目にすることが増えています。6月には東証二部上場のスルガコーポレーション(負債総額約620億円)、7月には東証一部上場のゼファー(同949)、8月は、東証一部上場のアーバンコーポレイション(同2558億円)と戸建て分譲開発などを手がける創建ホームズ(同338億円)が、それぞれ破綻しています。
新興不動産会社は、金融機関からの融資を原資に、土地・マンションを開発したり、収益性の低いビルを取得して改修・改装し、ファンドなどに売却する不動産流動化事業を手がけていました。この不動産流動化事業は、つい昨年くらいまで、国内外の資金を得たファンドが不動産物件を購入してくれたこともあり、多額の利益を得ることができる事業として注目を集めていました。
しかし、米国のサブプライムローン問題を背景に、海外の投資家が資金を引き揚げたことから、新興不動産会社が開発した不動産の売れ行きは急速に落ち込みます。また、こうした状況の中、金融機関が不動産向けの融資姿勢を厳しくしたことから、新興系の不動産会社は資金繰りを確保することができなくなってしまいました。
事業環境が急速に悪化することは、景気が後退する局面では、よく目にすることですが、そうした状況において金融機関の融資姿勢が厳しくなると、多少体力のある企業でも、破綻するリスクが高まり、経済全体に対する悪影響も懸念されます。
米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、9月24日、米議会で証言し、「ここ数週間の金融市場の混乱が経済成長の圧迫要因になっている」、「今年後半の実質GDP成長率は潜在成長率をかなり下回るだろう」と発言しています。バーナンキ議長の発言を「対岸の火事」的に考える方も、日本ではまだまだ多いかもしれません。しかし、日本の不動産業界では、米国と同じような状況に入っているだけに、日本においても、今後、事業環境の悪化と金融機関の融資姿勢の厳格化のセットが、他業界に波及しないか、という視点を、我々は持たなければいけないのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
9月24日に破産手続きを開始した東証マザーズ上場の
リプラスの負債総額はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
約326億円
http://www.gci-klug.jp/klugview/2008/09/25/003685.php