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http://jp.rian.ru/analytics/economics/20080922/117007158.html
副首相、兼、財務大臣のアレクセイ・クドリンは、9月17日、ロシアの下院に呼ばれた。「政府の時間(政府が発言する時間)」の枠内で論議されることになっている根幹問題は、財務省の管轄にある準備積立金と国民福祉基金の資金の管理の問題だ。最近、ロシア下院でも会計院でも、これらの国民基金の管理が有効に行われているかについて少なからぬ問題が発生している。
2004年に設立され、炭化水素輸出からの超過利益税の形で徴収することにより、形成されているロシア連邦安定化基金は、今年の初めに、準備積立金と国民福祉基金という2つの基金に分解された。現時点でその資金が1億4260万ドルに達している準備積立金は、基本的に、先の安定化基金の機能を遂行し、国家予算に財政不足が起こった場合、不足を補う目的を持っている。資金が約320億ドルに達している国民福祉基金は、ロシアの年金基金が欠如した場合に補う基金と理解されている年金改革問題の解決のために設置された。
議員たちは何について財務大臣に質問するのだろうか?まず、準備積立金と国民福祉基金の資金の投資が効率良く行われているかどうかについてである。問題は、財務省は、ロシア連邦中央銀行の自分の口座にこれらの資金を、保持しているだけでなく、中央銀行の力を借りて、外国国債、あるいはそれに相当する外国会社の債券、運用している。
このような投資からの極めて低い見返り、つまり、これらの金利は、以前から巷の噂になっていた。しかも、中銀自身の貯蓄投資政策、とりわけ、アメリカ政府が9月始めに暫定対危機管理を適応した悲劇的に有名なアメリカのモーゲージ(抵当証券)会社Fannie MaeとFreddie Macの長期債務に、投資する政策は、中銀の年次報告から判明している。本年のみ形成された準備積立金と国民福祉基金の資金を具体的にどのようにとしているかは、皆目不明である。
それにも拘らず、政府筋からは、省庁もFannie MaeとFreddie Macの債券に準備積立金と国民福祉基金の全体額の約18%を投資したとの情報が伝え聞こえて来る。さらに、そこでは、この2社の有価証券に財務省は丸々7200万ドルを稼ぐことができたとも言われていた。
少し前の時期に、クドリンは、国家貯蓄の保守的な運用政策(それを彼はどうやらFannie MaeとFreddie Macの救済と理解している)から、もっと積極的な、つまり、もっとリスクのある政策に移行することもあり得ることを囁き始めていた。財務省が作成した計画によれば、国民福祉基金はすでに2009年から、中銀の口座から外され、財務省の完全管轄に移ることになっている。このあと、国民福祉基金の資金は、外国の国債だけでなく、外国の民間社債にも投資されることになる。さらに、判明したことは、財務省は、世界だけでなく国内の株式市場でも、世界の金融市場が下落する場合に後者を助けるために、国民福祉基金の資金を使っても良いと言っている。
しかし、先週、国際格付け会社Standard & Poor's社は、崩壊中のロシアの株式市場でロシアの国家貯蓄を運用する計画に対し極めてネガティヴに評価した。Standard & Poor's社は、この場合、ロシアの国家レ−ティングの予想を「ポジティヴ」から「安定的」に変更する、と発表した。
この後、暫くして、財務省では、クドリンの勇敢な声明を無効とするようになった。このようにして、財務次官ドミトリー・パンキンは、財務省は、国民福祉基金を部分的に国内市場で運用する可能性を排除はしていないが、それは遠い将来の見通しであり、現在の高いインフレの下では行わないと語った。
9月15日には、ロシア市場で国民福祉基金を運用することの時期尚早についての自分の部下の論拠を実質的に繰り返したクドリン自身の回答が続いた。さらに、彼は、下院と会計院で反対者に回答しつつ、「我々は1セントも失っていない。それどころか、運用では全基金において収益を増大すらさせることができた」とはっきり明言した。彼の発言によると、準備積立金と国民福祉基金の所得は、資金投資と本年当初からの為替変動のお陰で、1315億ルーブル(52億ドル)に達したとのことである。